教育内容Education

地域でがん患者の治療やサバイバーケアを支える為の事例検討演習(多職種参加型症例検討演習 CS演習)

がん患者が抱える問題点を異なる職種の立場から検討することで、多職種間での情報共有の 重要性を理解し、問題点の整理ならびに解決方法を習得する。 オンコロジーチームで必要とされている職種横断的ケーススタディのあり方を習得する。

到達目標

  1. 多職種医療スタッフに理解できるような症例提示や問題提起・討論ができる。
  2. 職種横断的症例検討における腫瘍内科医・血液腫瘍内科医、小児科医、外科医、がん看護専門看護師、がん専門薬剤師、リハビリテーションスタッフならびにがん医療に関わる様々な職種の役割と責任を理解し、共同して問題の解決に取り組む事ができる。
  3. 機能的な職種横断的ケーススタディを実現するための必要なスキルを抽出する。
  4. がん患者の診断や治療の意思決定の支援について、多職種と共同して問題解決に取り組むことができる。

実施方法

  1. CS演習 (ZOOM形式にて実施) :
    実際治療を行った悪性腫瘍患者の症例について多職種によるチームで職種横断的な症例検討を行う。症例提示、病態・治療方針・問題点の整理、対応策の提言、自由討論、総合討論
    • 共通のがん患者に対し、それぞれの立場からの診療方針を計画し、検討を重ねていく。
    • 提示された症例に対し、病態、治療方針、問題点の整理を行う。それぞれの立場から積極的に意見を出し合い、チームとしての関わりを検討し、適切と思われる解決方法を見出す。

事前/事後学習

  1. 事前学習 : (ZOOM形式にて実施)
    メンバー同士の顔合わせ、及び多職種参加型カンファレンスの理解を深めることを目的とする
  2. 事後学習 : レポート提出

実習日

  1. 第1回 演習実施日:2024年7月30日(火) 17:30~19:00
  2. 第2回 演習実施日:2024年8月  6日(火) 17:30~19:00

場 所

  1. ZOOM形式

実施報告

内 容 日 時
事前学習(ZOOM形式) 2024年7月18日(木)
2024年7月23日(火)
CS演習 (ZOOM形式)
2024年7月30日(火)
2024年8月  6日(火)
参加者 人 数
がんプロ院生 12 人
教 員 10 人
合計 22 人
がんプロ院生/職種内訳 人 数
医 師 3 人
看護師 2 人
薬剤師 2 人
理学療法士 2 人
作業療法士 1 人
言語聴覚士 1 人
遺伝カウンセラー 1 人
合計 12 人

受講生の声

参加者(薬剤師)

がん患者のケアは、さまざまな職種が関与するため、その連携が極めて重要であることは理解していましたが、自施設においてもなかなか多職種でカンファレンスをすることが難しいため(特に理学療法士などリハビリテーションを担当する先生との関わりが少ない)、今回の演習に興味を持ち、参加させていただきました。

参加者(医師)

職種によって患者に関わる頻度や関わり方が異なることがディスカッション内でも話題に上ることが多く、より多角的な視点で患者の様子を把握することが可能であることが改めて認識する機会となった。
各々の専門性をふまえて、様々なアプローチを提案できた点も多職種連携カンファレンスの大きな利点であると感じた。また、患者家族とのかかわり方も業種によって異なることから、多職種で病状共有するメリットとなると考える。

参加者(遺伝カウンセラーコース)

医療者間での情報共有と患者・家族への介入のタイミングについて深く学びました。これらの学びを今後の臨床実践に活かし、患者とその家族にとって最善のケアを提供するために、多職種が連携して適切なタイミングで介入できる体制を整えていく必要性を強く感じました。

参加者(理学療法士)

初めて一人の患者様について多職種で対応を検討する経験をさせていただきました。職場ではこのように多職種で意見交換をする機会がなかったので大変貴重な経験になりました。
今回の演習で学んだことを持ち帰り病院の体制をまずはリハビリ室から見直していけたらと思います。

参加者(医師)

他職種カンファレンスは各々の専門性を活かしてできるだけ多くの治療等を提案し、起こりうる副作用や現場の把握等の情報共有をしてこそ意味があると感じた。多くの人が発言しやすい環境を作ることも必要だと感じたので、日々の業務に取り入れていきたい。

参加者(看護師)

医師(呼吸器外科・放射線科)・薬剤師・理学療法⼠・作業療法⼠・看護師と多くの職種が1つの事例に関し てディスカッションを⾏うことにより、多⾓的な視点で1 ⼈の患者を⽀援していくことの難しさと、その重要性に関して改めて学ぶ良い機会となった。
職種の代表として⼀意⾒を求められる機会も多くあり、医師と対等に話し合える医学的知識の蓄積のみでなく、看護師としての専⾨性を⽣かした、患者の⽣活に関する視点も踏まえて発⾔し、介⼊できるような看護師に成⻑していきたいと考える。貴重な学びの場を、今後の臨床にも繋げていきたい。

実施風景

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