私たちの教室は、「画像の、その先へ」を理念に掲げて、画像診断とIVR(インターベンショナルラジオロジー)に取り組んでいます。私たちは、画像をただ見るだけではなく、画像を通じて診療や社会の中で広く活動していきたい。そして、多くの人々とつながりながら、新しい放射線医学をつくっていきたい。これが私たちの願いです。
その思いを形にするために、私たちは三つの姿勢を大切にしています。
画像診断は、さまざまな技術を駆使して体内を可視化し、異常所見を読み解いて診断を下します。画像診断と聞くと、黙々と画像を見ていくだけの仕事と思われがちですが、実際はそうではありません。より精度の高い撮影を実現するために、放射線技師の皆さんと日々撮影方法について語り合い、各診療科の先生方とカンファレンスを通じて患者さんの治療方針について議論を重ねています。高精度な装置を扱う分野であることから、機器メーカーや人工知能をはじめとする他分野の研究者の方々とも新しい挑戦に取り組んでいます。
IVRは、X線やCT、超音波などの画像診断装置を用いて、カテーテルや針により治療や生検を行う手技です。血管の塞栓や拡張、病変の穿刺による生検やドレナージ、カテーテルの留置、異物除去など多様な手技があり、その適応疾患は驚くほど幅広いです。従来は手術が必要であった病態も、低侵襲にIVRで治療することが可能となっており、多くの診療科から頼りにされています。
画像診断もIVRも、本人の意欲次第でいくらでも経験を積むことができます。それは、画像を誰もが平等に見ることができ、そしてIVRの機会が豊富にあるためです。この分野では、若くして優れた実力を身につけた放射線科医も珍しくなく、実力がすぐに信頼へとつながっていく、大変やりがいのある分野です。そして、その可能性は今なお無限に広がっています。あなたが踏み出せば、見える景色はきっと変わります。
「もののはじまり、なんでも堺」という言葉があります。堺はこれまで実に多くのものを生み出してきた地です。なぜこの地は、かくも多くの新しいものを生み出し得たのでしょう。そこには三つの理由があるように思います。第一に、堺は南蛮貿易の拠点として繁栄し、新たな情報が集まる地でした。第二に、商人が自治を担った堺では、権力の支配を受けることなく、自由な発想が生まれました。第三に、古くから培われた金属加工の技術力が、新たな知をすぐさま形に変える力となりました。
今、堺の地で新しく動き始めたこの教室は、まさに、情報が集まり、自由な発想が飛び交い、多くの仲間がその技を磨いています。この地で、私たちは、新しいものをたくさん生み出し、わくわくするような放射線医学の未来を作り出せると感じています。
画像の、その先へ。ぜひ、私たちとともに放射線診断学の道を切り開いていきましょう。
主任教授
坪山尚寛 <Takahiro Tsuboyama>