全身のあらゆる臓器・疾患に関われるのが放射線科の最大の魅力です。また、画像診断からIVR(画像下治療)まで仕事内容が幅広く、じっくり落ち着いて読影をしたい人から手技が好きな人まで、どんな人にもあった仕事が放射線科にはあります。診断の最前線で各診療科を支える存在で、感謝されることが多く、やりがいを感じることができます。放射線科の仕事はオンオフがはっきりしている場合が多く、ワークライフバランスが管理しやすい点も長所です。放射線科では患者さんの直接の主治医になることが少なく、患者さんよりも医師相手の仕事が多い点もワークライフバランスに影響します。

2016年に、AIが放射線科医にとって代わる、という研究者の発言が有名になりましたが、10年以上経過した今のところ全くその兆候はありません。AIが医療導入されて久しいですが、実臨床ではAIはようやく肺結節を検出できる程度で、さらに病的意義の無い結節を検出しすぎるので、放射線科医が取捨選択する必要があります。少しずつAIのできることも広がっていますが、とても放射線科医にとって代わるレベルにはありません。驚異的な進歩を続けている生成AIを日常的に使っている人からすると、少し意外に感じるかもしれませんが、実臨床の画像診断におけるAIの進歩が遅い事には理由があります。まず、画像診断はマルチタスクであり、例えば胸部CTを読影する際にも、肺だけではなく、心臓や大動脈、甲状腺、乳腺、リンパ節、骨、撮像範囲内の腹部臓器など多くの構造を読み解く必要があります。AIは基本的にシングルタスクのみこなせますので、胸部CTだけでも多くのAIモデルが必要になり、さらに全身の画像診断で考えると膨大な量のAIモデルが必要になります。そして、一つのAIモデルを作るためには、膨大な量の質の高い医療画像のデータセットが必要であり、これは容易ではありません。そして最後に、AIには画像診断の責任を負う事ができない点が挙げられます。このように放射線科医の仕事がAIにとって代わられることは考えにくく、現在は放射線科医がAIを使って仕事をするスタイルが定着しつつあります。当教室ではAIに詳しい教室員も多く、AI研究者との交流も盛んです。AIが好きな人は放射線科医に向いていると思います。
初期研修後、専門研修とサブスペ研修を5年間行い、6年目に放射線診断専門医を取得すると一人前の放射線科医になれます。しかし、実臨床レベルでは、2,3年もすると十分に周囲から頼りにされるほどの実力がついていることが多いです。画像診断の経験は、手術のように手技機会に依存せず、術野が見えにくいなどの不平等もありません。誰にでも平等に同じように見れますので、若くして優秀な画像診断医がたくさんいます。また、IVRについても症例が豊富にあるため、手技を行う機会が多くあります。当教室では手厚い指導と豊富な症例で、効率よく着実に力をつけられる環境を整えています。
可能です。専門医取得のためには、幅広く放射線医学の研修を行う必要がありますが、その中で、IVRに重心を置いた研修を受けることができます。研修内容については、特定領域に興味がある場合はIVRに限らず相談に応じています。

できます。当教室は多施設共同研究や国際学会発表、英語論文執筆まで幅広くサポートしており、研修の早い段階から学術活動に挑戦できます。臨床で生まれた「なぜ?」を研究につなげる経験ができます。
専門研修と並行して、あるいは専門医取得後に大学院へ進む道があります。専攻医研修と大学院での学位取得を計画的に両立できるよう、一人ひとりに合わせて設計します。
必須ではありません。臨床に軸足を置きたい方も、研究を究めたい方も、それぞれの志向に合わせたキャリアを描けます。まずは興味のあることから始めてください。
決して遅くありません。臨床経験を積んでから放射線科に転向される先生は珍しくなく、むしろ各科を経験したうえでの転科は大きな強みになります。当教室には、転科経験者が多く所属しており、いつでもご相談にのります。

大いに活きます。たとえば内科出身なら全身管理や臨床推論、外科出身なら解剖や手術の視点、救急出身なら緊急診療の注意点など、前の科で培った視点は、画像診断において他にはない武器になります。「臨床がわかる読影医」は、現場で非常に重宝されます。
ご安心ください。基礎から学び直せる指導体制と、心理的安全性の高いチームがあります。わからないことを気兼ねなく質問でき、一から丁寧にサポートします。実際、転科組の多くが着実に力をつけています。
放射線科専門医はあらためて取得が必要ですが、これまでの臨床経験は研修の土台として活きます。基本領域の放射線科専門医、その後のサブスペ(放射線診断専門医など)取得まで、計画的に道筋を描けるようサポートします。
大阪府の放射線科領域専門研修にはシーリングがあり、専攻医の数を府内の5大学で調整する必要がありますので、7月末までに入局希望をご連絡ください。その後、5大学での調整を行い、参加プログラムが決定します。随時、見学を受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。

ありません。以前はシーリングの条件が厳しく、大阪府でおよそ半数の専攻医希望者が他県のプログラムに参加せざるを得ない状況でした。しかし、最近、シーリングの緩和があり、大阪府で研修可能な専攻医の数が約2倍に増えたため、今後は概ね全ての希望者を受け入れ可能になると予想されます。仮に、大阪府の希望者が規定の数を超えた場合、大阪府のいずれかの大学から、他県の連携プログラムにお願いすることになります。近畿大学の場合、奈良県の近大奈良病院、和歌山県の和歌山県立医科大学のプログラムと連携していますので、どちらかのプログラムに参加する可能性があります。その場合でも、一定期間近畿大学で研修いたします。いずれも車で1時間程度の距離になります。
はい、出身大学は問いません。近畿大学は多くの診療科においてさまざまなバックグラウンドの仲間が集まっており、風通しのよい職場です。
画像診断やIVRという側面から医療を支えるため、基本的に規定の業務時間で仕事が終了します。読影は計画的に進めやすく、オン・オフのメリハリをつけやすいのが放射線科の特長です。また、遠隔読影の技術が発展している点も大きなメリットです。近畿大学病院でも在宅読影システムを導入しており、一定の条件を満たせば在宅で読影可能です。遠隔読影は、兼業においても活用されており、多彩な働き方を生んでいます。

IVRは緊急の止血術やドレナージ術などのため、病院からの呼び出しがありえます。しかし、他診療科や読影医と連携しているため、早期に緊急手技の情報がIVR医に入るようになっており、多くの緊急手技は勤務時間内、あるいは業務終了後数時間以内に行われることが多いです。深夜や休日に病院に来て手技をすることもありますが、多くありません。
はい。出産・育児などのライフイベントと両立しながらキャリアを続けている医師が活躍しています。一人ひとりの状況に合わせて、勤務や復帰のかたちを一緒に考えます。在宅読影が可能である点も、放射線科が女性医師にとって働きやすい理由の一つです。子育ては決して女性医師だけの問題ではなく、男性医師にとっても重要です。放射線科はチームで支え合う文化があるので、安心して相談してください。
車、電車での通勤が可能です。北摂から車で1時間程度で通勤している人もいます。電車のアクセスも良好で、南海電車の泉ヶ丘駅が最寄り駅で、駅から雨に濡れずに病院に到着します。駅前には高島屋などのデパートもあり、再開発が計画されており、ますます発展するのが楽しみです。
近畿大学医学部
放射線医学教室放射線診断学部門 医局
E-mail: hshindan@med.kindai.ac.jp