「周産期」とは、妊娠22週から生後満7日未満までの期間をいい、この期間における妊娠・分娩・産褥期の健康や育児に関わるさまざまな身体的・社会的問題に対処するための医療を周産期医療と呼びます。その目的は、母児の異常を早期に発見、診断、治療し、社会に復帰させ、その健康を守りケアすることです。
その中で、産科部門は妊娠中の母体と胎児、および産後の母体の健康を守る役割を果たしています。医療の進歩と周産期に関わる医療スタッフの努力の結果、現在日本の周産期医療水準は世界一となっています。つまり、世界で一番安全にお産ができる国と言えます。しかし、すべての妊娠・出産が安全に行われるというわけではありません。妊娠中には切迫流産・早産や、それまで健康であった人でも妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症を発症することもあり、母児に重大な結果を招くことがあります。また、元々母体に内科疾患の合併症がある場合には、妊娠中のリスクは何倍にも膨れ上がることがあるのです。
私たち産科部門の仕事は、母体の妊娠中の全身状態の変化を考慮しながら、早くは妊娠前から管理を行い、安全な分娩・および産褥期につなげることです。
当院では正常妊娠(普通のお産)から、さまざまな母体疾患合併妊娠をはじめとした重症妊娠までを取り扱っています。
紹介状がない初診の方は初診時保険外診療併用治療費として1万800円(自費・消費税込み)がかかります。
里帰り出産を希望される場合、34週頃までに戻ってもらうようにお願いしています。もし当院での超音波スクリーニングや、胎児超音波検査外来を希望される場合は、20週前後に一度受診いただければプランを立てることができます。
分娩数の制限はしていません。当院で出産されると決めている方は分娩予約をさせていただき、スタッフと情報共有をしています。予約金は頂いておりません。
里帰り出産を希望される場合は、遅くとも32週頃までに戻ってもらうようにお願いしています。当院初回受診時に分娩予約をさせていただきます。
当院は令和6年4月よりNIPT認証医療機関(基幹施設)に認定され、出生前診断外来を開設しております。出生前診断外来では、出生前診断の具体的な内容や方法に関して、丁寧にカウンセリングさせていただきます。カウンセリングや検査を受けられる時期には制限がありますので、ご希望される場合は担当医にご相談ください。
その他として、当院では平成28年8月から、胎児心臓の専門医(小児科医)による「胎児心臓超音波検査外来」を開設しました。
通院中の産婦人科での妊婦健診で、心臓あるいは心臓周囲に異常が疑われる方、異常は指摘されていないけれど健診を希望する方、いずれの方も検査を受けていただけます。(ただし異常を指摘されていない方については自費診療となります)
また、健診で胎児に異常が疑われる場合に、胎児超音波を専門とする周産期専門医による、心臓以外の全身の超音波検査を行うこともできます(保険診療)。
母親教室(前期・後期)、両親学級を定期的に開催しています。
詳細は各ページをご覧ください。マタニティヨガは行っておりません。
現在、新型コロナウイルス感染予防のため、母親学級・両親教室は中止中です。前期母親教室はYouTubeで動画がご覧頂けます。
産科も婦人科も土曜日の予約は原則とれません。
2023年4月1日より、土曜日の外来は、全科目で廃止となるため、胎児心臓超音波検査外来も土曜がなくなります。
現在のところ、使えません。
後期母親教室、両親学級の際に見学できます。ぜひご参加ください。
現在、新型コロナウイルス感染予防のため、分娩施設の見学は中止しています。
現在、外回転術は行っていません。
詳細はこちらを参照ください。経腟分娩か帝王切開か、あるいは分娩に至る経過などで多少の違いがあります。
医学的適応のある場合はもちろん、そうでない場合でもご希望があれば硬膜外麻酔による無痛分娩を行っています。
夜間・休日では十分な人員が確保できず対応できない場合があり、安全性を確保する観点から、原則的に平日日中の計画分娩とさせていただいています。
安全性の観点から、実施可能な人数に制限があります。ご希望の方は外来医師にお声がけください。
費用は手技料として10万円かかります。
新型コロナウイルス感染予防のため、出産の立ち会いおよび面会を禁止としておりましたが2024年より再開しました。陣痛室、分娩室には原則ご家族の一人が付き添っていただけます。
6歳未満の子供や感冒症状のある方との面会は、入院中は禁止させていただいています。
また、感染症が再拡大の場合には、面会禁止や時間の制限がされることもあります。
詳細については助産師におたずねください。
当院では出産後は基本的に母児同室となりますが、帝王切開術後や母体疲労などで同室が難しい場合は、赤ちゃんをお預かりしてスタッフがケアを行います。
ご両親は随時面会可能です。入院中はスタッフにお声がけください。
お母さんが先に退院された場合やご家族の方の面会も、赤ちゃんの状況によりますが可能です。NICU担当スタッフから説明があるので、それに従って下さい。
可能です。事前に申し出ていただく必要があります。出産の状況により臍帯血がとれない場合もあります。
原則的に行っていません。
増減はありますが年間250~300件ほどです。
個別に対応させていただいているのでスタッフに直接おたずねください。
できません。病院代表にお電話いただき、予約変更希望の旨をお伝えいただくか、予約専用ダイヤル0570-050-885 (ナビダイヤル)から、予約変更を行ってください。
自動支払機にてクレジット払いが可能ですが、赤ちゃんの入院費用の支払いが別にある場合など、自動支払機でお支払いいただけないケースがあり、その場合は対応しておりません。
付き添いが必要な状態の場合、個室でご家族に付き添っていただくこともございますが、原則ご家族と一緒に入院はできません。
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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分娩件数 | 227 | 253 | 210 | 214 | 236 |
単胎 | 223 | 250 | 204 | 211 | 230 |
双胎 | 4 | 3 | 5 | 3 | 6 |
品胎 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 |
分娩様式 | |||||
経膣分娩 | 142 | 167 | 135 | 132 | 133 |
帝王切開 | 85 | 86 | 75 | 82 | 103 |
分娩週数 | |||||
22週~27週 | 6 | 8 | 5 | 5 | 4 |
28週~31週 | 12 | 7 | 11 | 8 | 14 |
32週~36週 | 44 | 40 | 30 | 35 | 31 |
37週~ | 165 | 198 | 164 | 166 | 187 |
出生体重 | |||||
~ 999g | 8 | 9 | 9 | 6 | 7 |
1000g~1499g | 6 | 6 | 7 | 8 | 12 |
1500g~2499g | 58 | 48 | 46 | 41 | 51 |
2500g~ | 159 | 193 | 155 | 162 | 172 |
近畿大学病院地域周産期母子医療センターでは、産婦人科が中心になったお母さんのケアはもちろん、誕生された赤ちゃんについては小児科医も加わって安心していただける体制を整えています。
元気に生まれた赤ちゃんについてもお家に帰るまでに必ず小児科医が診察をします。また生まれたときに何らかの問題があってもNICU(新生児集中治療部)でケアをうけていただけます。1か月健診は当院の小児科思春期科外来で小児科医が診察します。
小児科では、新生児、循環器、神経、腎臓、アレルギー、血液・腫瘍など様々な専門分野の小児科医が診療にあたります。
お生まれになった赤ちゃんは全員一度は小児科医が一般的な診察を行います。
必要があると判断した場合は適切な検査を受けていただくことができます。
乳幼児医療制度をはじめ様々な育児を手助けする制度があって、ご両親に多額の負担がかかることはありません。
詳しくは患者支援センターでお問合せください。
診療時間内はもちろん、1か月健診までは時間外でも診療いたします。
時間外受診の際は事前にお問合せください。
当院で受けていただくことも可能です。
かかりつけ医をつくる観点からは普段から通えるお近くの施設で受けられることをおすすめします。
近畿大学病院では小さくお生まれになった赤ちゃんや病気をもってお生まれになった赤ちゃんにも専門的に治療を提供するNICU(新生児集中治療部)があります。
どのような状況にも365日24時間小児科医が常駐して赤ちゃんのケアにあたります。