健診・分娩ご希望の方へ

分娩の流れ

経腟分娩

帝王切開

無痛分娩を希望される妊婦さんへ

無痛分娩について

「無痛分娩」は、陣痛によるお腹や下半身の痛みを和らげることで、数時間〜十数時間に及ぶ分娩の時間を過ごす妊婦さんの体への負担を減らし、冷静に分娩できるようにする方法です。痛みの和らぎ方には個人差があるため、施設によっては「和痛分娩」と呼ぶところもありますが、実際には同じ意味です。
日本では、昔から「お腹を痛めて苦しむことで女性は立派な母になる」という考え方があり、陣痛の痛みを和らげることは、甘えだと考えられてきました。しかし、そのような考え方に科学的根拠は全くありません。最近では、35歳を過ぎてからの出産や、さまざまな持病をもつ女性の妊娠や出産も増えてきています。そのような妊婦さんにとって、精神的・肉体的な負担を軽減することで安全に分娩することができるという報告や、産後の体調回復が良いことによりスムーズに育児に移ることができるという報告など、無痛分娩のメリットについては数々の科学的根拠があります。
日本では、無痛分娩は分娩全体の6%程度に過ぎませんが、世界的には50〜60%の妊婦さんが痛みの少ない分娩である無痛分娩を選択しています。当院では、大学病院というマンパワーと設備が整った環境を最大限に生かし、安全に無痛分娩を提供できる体制を整えています。

無痛分娩の方法

当院では、硬膜外麻酔法による無痛分娩を行っています。硬膜外麻酔法とは、背骨の隙間から細い針を穿刺し、硬膜外腔とよばれるスペースに、細いチューブを入れて局所麻酔薬を注入し、脳に痛みが感じる伝達路をブロックすることで痛みをコントロールする方法です。この麻酔を使うことで、陣痛は軽減し、会陰部や腰部の痛みも和らぐことで妊婦さんもリラックスして分娩ができます。また硬膜外麻酔の薬剤は赤ちゃんには影響しません。硬膜外麻酔法の合併症としては、稀に麻酔薬による血圧低下や呼吸障害、血管穿刺により血腫ができることで下肢神経麻痺が起こることがあります。このようなことが起きたときにも早期に対処することでほとんどは後遺症が残らないようにすることができます。無痛分娩の間は、慎重に観察し速やかに対処できる体制をとっています。また、院内には麻酔科医が常駐しており、何かあれば迅速な対応が可能です。
当院では、昨今の無痛分娩によるトラブルを鑑みて、できる限りの安全性を確保するため、現在24時間体制の無痛分娩はしておらず、全て計画分娩としています。計画分娩とは、外来での診察で子宮口の柔らかさや開き具合に応じて入院日を決定します。一般的な流れでは、入院当日に硬膜外麻酔のチューブをいれ、必要に応じて子宮口を広げるための処置も行います。翌日から子宮収縮剤を点滴し分娩が進行するようにします。痛みを和らげるための麻酔薬は、陣痛の状態と分娩の進行具合をみながら調整します。無痛分娩では、帝王切開への移行率は無痛分娩を行わない場合と比べて変わらないことが大規模なデータで証明されており、また新生児への影響もないといわれています。分娩の方法として、無痛分娩を考えている方は、妊娠34週までに産科外来担当医に申し出て下さい。内容について詳しくご説明いたします。

費用について

無痛分娩を行った場合、通常の分娩にかかる費用に加え、10万円(+税)を頂いております。

~ 当院はJALAに施設登録しています ~