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診療科・部門のご案内

腹部救急センター

診察している特殊(専門)疾患

  • 急性腹症(急な腹痛の中でも緊急手術などで迅速に対応する必要がある腹部疾患群)
  • 急性胆のう炎
  • 化膿性胆管炎
  • 消化管出血(吐血、下血)
  • 腸閉塞
  • 急性虫垂炎
  • 消化管穿孔(胃・十二指腸穿孔、腸穿孔)
  • 黄疸
  • ヘルニアかんとん
  • 腹膜炎
  • 消化管内異物
  • 泌尿器救急疾患(腎損傷、膀胱損傷、尿閉、尿路結石など)
  • 産婦人科救急疾患(異所性妊娠、切迫流産、卵巣出血、卵巣腫瘍茎捻転、卵巣腫瘍破裂、骨盤内炎症性疾患など)

診療概要・特徴

腹部救急センターでは、緊急手術や緊急の内視鏡処置などを必要とする急性腹症や急性の腹部疾患に対して、消化器内科、消化器外科を中心に、泌尿器科、産婦人科、救急救命科、麻酔科、放射線科などが連携して、365日24時間体制で迅速に対応します。
通常の外来診療の他、ご近所のかかりつけの医療機関の先生や病院からの診療の依頼に対して、迅速に対応しています。

診療スタッフ

担当医師名 専門分野
センター長
古賀 睦人
消化器外科(肝胆膵)、内視鏡外科、腹部救急、外科感染症、化学療法、栄養療法
教授
木村 豊
消化器外科、(上部消化管:胃・食道)、内視鏡外科、外科感染症、化学療法
教授
水野 成人
胆膵疾患の診断・治療、消化管疾患、肝疾患
教授
平山 暁秀
泌尿器科関連全疾患
福田 周一 消化器外科、(上部消化管)、内視鏡外科、腹部救急、化学療法
関山 健太郎 産婦人科一般
中尾 隆美 重症患者管理・急性薬毒物中毒
教授
足利 竜一朗
放射線診断学
准教授
二川 晃一
呼吸循環管理と疼痛管理

トピック

低侵襲治療

可能な限り内視鏡や腹腔鏡など低侵襲治療での対応を検討します。急性胆のう炎や急性虫垂炎は、90%以上で腹腔鏡手術を行っています。


小さな傷の腹腔鏡手術

腫瘍が原因となっている腹部救急疾患

潰瘍穿孔、急性胆のう炎、急性虫垂炎などよくある腹部急性疾患だけでなく、腫瘍が原因の腹部救急疾患の診療にも力を入れています。胃がんによる幽門狭窄で食事ができない、胃がんによる潰瘍からの出血で吐血した、大腸がんによる腸閉塞でお腹が張って痛い、膵臓がん・胆管がんのために黄疸がでてきたなど、がんに伴って急な症状がでる場合があります。そういった場合には、消化器内科と消化器外科が協力して、患者さまのQOLも考慮して迅速に対応しています。
大腸がんによる腸閉塞に対して、速やかに大腸内視鏡検査で大腸ステント(形状記憶合金でできた金属の筒)を挿入し、腸閉塞の治療を行います。腸閉塞が治ったあとに腹腔鏡下大腸切除を行うことによって、人工肛門を避けることができます。
黄疸がある場合には、速やかに胆道ドレナージを行い、その後の正確な診断、安全な手術につなげることができます。


S状結腸がんによる腸閉塞のため、腸管が拡張し、放置すると穿孔する状態。緊急手術だと人工肛門になる。


大腸ステントを緊急で挿入、腸閉塞が改善、その後、腹腔鏡下S状結腸切除で人工肛門を回避。

閉塞性黄疸・急性胆管炎

総胆管結石に伴う閉塞性黄疸・急性胆管炎は代表的な腹部救急疾患で、治療時期が遅れるとDICなどに進行する危険性があります。当院は奈良県でも数少ない胆道学会・膵臓学会認定指導施設であり、緊急のERCPによる結石除去、ドレナージを多数施行しています。また、閉塞性黄疸の原因が悪性腫瘍の場合には、EUS-FNA等による迅速な組織診断を行い、最適な治療を提供します。

実績報告(2022年4月~2023年1月)

緊急手術 107
緊急内視鏡・処置 120

センター長から一言(地域医療機関の先生方へ)

当院として、以前より救急医療に力を注いでおりました。これまで地域医療機関の先生方から、多くの緊急手術や内視鏡的処置を必要とする患者さまの紹介を頂いております。しかし、地域の先生方から『診断が付いていない症例や軽症では紹介しにくい。どの科が対応するかが分かりにくい』という意見をいただいたことや、院内でも何科が担当するか迷う状況がありました。これらを改善するため、消化器内科、消化器外科、泌尿器科、婦人科、救命センター、放射線科、麻酔科等と連携し、多種な疾患・病態に対応したいと考えて腹部救急センターを発足しました。ここ2年で受け入れた救急の消化器疾患の中で、緊急入院になった患者さまは全体の4分の3です。4分の1は帰宅していただいております。重症例は勿論ですが、救急処置の必要が懸念される患者さまも紹介ください。近隣の医療関係者の皆様と共に安心感のある体勢を構築したいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いします。

古賀 睦人