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診療科・部門のご案内

産婦人科

責任者・診療科長 関山 健太郎

はじめに(診療体制の変更のお知らせ)

令和6年3月末をもって分娩機能を休止し、今後は婦人科疾患に注力してまいります。特に低侵襲手術(腹腔鏡下手術)については常勤として内視鏡技術認定医3名を擁し、丁寧で安全性の高い手術が提供できる診療体制が整っております。婦人科悪性腫瘍について、引き続きがん診療連携拠点病院として、婦人科腫瘍専門医、腫瘍内科医、放射線治療医など多職種によるチーム医療を実践し、患者様およびご家族の支援に努めてまいります。

診察している特殊(専門)疾患

  • 婦人科悪性腫瘍(開腹手術、腹腔鏡手術)
  • 婦人科良性腫瘍(主に腹腔鏡手術)
  • 骨盤臓器脱(Native Tissue Repair)

外来診療日一覧

〇…初診・再診とも診療 □…初診のみ診察 △…再診(予約)のみ診察 ―…休診

診療スタッフ

担当医師名 専門分野 専門医資格等
医学部講師、診療科長
関山 健太郎

2001年
京都大学卒

腹腔鏡手術、婦人科腫瘍 日本専門医機構認定 産婦人科専門医、日本産科婦人科学会 産婦人科指導医、日本婦人科腫瘍学会 婦人科腫瘍専門医・指導医・評議員、日本産科婦人科内視鏡学会 腹腔鏡技術認定医・学会幹事、日本がん治療認定医機構 がん治療認医、da Vinci Console Surgeon
医学部講師
岸本 佐知子
腹腔鏡手術、婦人科腫瘍 日本専門医機構認定産婦人科専門医、日本産科婦人科学会産婦人科指導医、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医(産科婦人科)、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、Certification Of FUSE (Society Of American Gastrointestinal and Endoscopic Surgeons)、母体保護法指定医、米国消化器内視鏡外科学会FUSE資格取得
医学部講師
西岡 和弘
腹腔鏡手術、婦人科腫瘍 日本専門医機構認定産婦人科専門医、日本産科婦人科学会産婦人科指導医、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医(産科婦人科)、母体保護法指定医師、日本血栓止血学会認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医
医学部助教
橋ロ 康弘
産婦人科一般 日本専門医機構認定産婦人科専門医、母体保護法指定医、災害時小児周産期リエゾン養成研修修了
専攻医
和田 知春
産婦人科一般

手術・症例件数実績(2020年~2023年)

科目 内容 2020年
(件数)
2021年
(件数)
2022年
(件数)
2023年
(件数)
手術 子宮頸部円錐切除術 22 31 10 17
単純子宮全摘出術 腹式 20 32 29 22
腹腔鏡 14 20 17 20
付属器摘出術 腹式 21 32 27 21
腹腔鏡 47 49 38 45
子宮筋腫摘出術 腹式 6 8 2 4
腹腔鏡 4 7 2 7
骨盤臓器脱手術 12 6 8 11
子宮鏡手術 11 12 11 12
悪性腫瘍手術 広汎性 3 2 4 5
大網切除まで 6 9 9 10
骨盤リンパ節郭清まで 2 11 6 4
傍大動脈リンパ節郭清まで 14 12 3 5
腹腔鏡(子宮体癌) 5 2 3 5
帝王切開術 62 50 52 28
分娩数 143 150 115 62

当科からのメッセージ

婦人科腫瘍手術

良性腫瘍手術では併発症なく手術を終えることができれば成功と言えますが、悪性腫瘍手術ではそれでは不十分です。併発症なく、後々に再発しないように病変を切除する必要があります。かといって過剰に組織を切除してしまうと、機能障害が強く残ってしまう可能性があります。悪性腫瘍手術が成功したかどうかは、5年後、10年後にならないと評価ができません。いくら短時間で併発症なく手術が終わったとしても、成功とは言えないのです。そのため、患者さんごとに「どの切除ラインが最適であるのか」自問自答し続ける厳しさが術者には求められます。
婦人科臓器は膀胱と直腸との間に挟まれる形で存在します。そのために婦人科手術は、常に膀胱障害、直腸障害の危険性と隣り合わせにあります。特に膀胱・尿管と子宮とは発生学的に極めて緊密な関係にあるため、両者の血管と神経は重なり合い、共有関係にあります。子宮悪性腫瘍手術では重なり合った解剖構造をほどいて、必要な機能を選択的に温存しつつ十分な切除範囲を確保することが求められます。切除範囲を広くすることと機能温存を両立させるためには、正確な手術解剖の知識と豊富な悪性腫瘍手術の経験が必要です。
当科では、婦人科腫瘍専門医・指導医、内視鏡技術認定医のチーム医療で丁寧で精緻な手術を行うことに努めてまいります。

低侵襲手術

婦人科腫瘍に対する低侵襲手術として従来の腹腔鏡手術とロボット支援手術が保険診療で行われています。2年ごとに診療報酬の改定がなされていますが、残念なことに2024年度の改定でも婦人科腫瘍(良性・悪性)に対するロボット支援手術の診療報酬加算が認められませんでした。一部の高度肥満患者さんに対するロボット支援手術の有用性は報告されていますが、婦人科腫瘍に対しては従来の腹腔鏡手術と比較してロボット支援手術のメリットが証明されていないことが理由とされています。当科は奈良県では比較的少ない腹腔鏡技術認定医を3名擁しており、今後も質の高い腹腔鏡手術を提供し続けるよう努めてまいります。

診療科長から一言

当科の紹介を最後までお読みくださり誠にありがとうございました。
2024年4月から新たな診療体制となり、婦人科腫瘍手術、腹腔鏡下手術に対してより高度な医療が提供できるようになりました。
婦人科疾患で悩まれている方々のご負担を少しでも軽くできるように、丁寧な説明と正確な診断に基づいて、個々の患者様に応じた最善の治療を提供するよう努めてまいります。

関山 健太郎

主な著書

  1. Shingo Fujii, Kentaro Sekiyama:Precise Neurovascular Anatomy for Radical Hysterectomy. (Springer) 2020年
  2. 藤井信吾、落合和徳、関山健太郎:新版 産婦人科手術シリーズI(診断と治療社)2012年
  3. 藤井信吾、関山健太郎:新版 産婦人科手術シリーズII(診断と治療社)2013年
  4. 藤井信吾、関山健太郎:新版 産婦人科手術シリーズIII(診断と治療社)2016年
  5. 関山健太郎:OGS Now basic 広汎子宮全摘術と広汎子宮頸部摘出術 広汎子宮全摘術に必要な解剖知識(メジカルビュー社)2022年