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診療科・部門のご案内

呼吸器外科

責任者・診療科長 下治 正樹
    最終学歴 2018年 近畿大学大学院 医学研究科 終了(医学博士)

経歴
2006年 近畿大学病院初期研修医
2008年 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科レジデント
2011年 静岡県立総合病院 呼吸器外科
2014年 近畿大学病院
2025年 近畿大学奈良病院

外来診療担当表

診察している疾患

呼吸器外科は、肺、縦隔、胸壁などの病気に対する手術治療を担当しています。

  • 原発性肺がん
    現在、日本人の死因でもっとも多い病気が肺がんです。早く発見できれば手術で完治できる可能性があります。手術では、がんができた「肺葉」を切除しますが、早期のがんや肺の機能の低下した患者さんでは、切除する肺の量を少なくする工夫をします。多くの場合は、胸腔鏡(内視鏡)を用いて8cmと3cmの創で手術を行います。進行した肺がんでは、院内のがんセンターにおいて、手術、抗がん剤、放射線治療など患者さんに適した治療方針を検討します。
  • 転移性肺腫瘍
    大腸がん、子宮がん、乳がんなど他臓器のがんが肺に転移することがあります。どこの臓器から転移したかの診断(病理検査)の目的に、あるいは治療を目指して手術を行うことがあります。一般に肺を切除する量をできるだけ少なくなるようにします。もとの腫瘍(原発巣)の担当医ともよく相談して、手術が必要かどうかや、術後の治療計画を考えていきます。
  • 縦隔腫瘍
    左右の肺に挟まれた部分を縦隔といい、さまざまな腫瘍や病気があります。早期の腫瘍や胸腺摘出術は内視鏡手術を行います。また手術で診断をつけた後に、専門の診療科と連携して治療にあたります。胸腺腫瘍などまれな疾患が多いので、呼吸器外科など専門医の判断が必要です。
  • 気胸
    肺から空気が漏れてしぼんでしまう病気です。軽い胸痛だけで済む場合から、呼吸困難を伴い、緊急に治療が必要な場合もあります。20歳前後の男性に多い典型的な自然気胸は、胸腔鏡手術で早期に退院されます。しかし長期の喫煙者や高齢の患者さんでは、手術後も空気漏れが持続し、追加の治療が必要となり、入院が長期化する場合もあります。
  • 肺感染症
    細菌やかびなど微生物の感染が原因で、胸腔や肺に膿が溜まる病気(それぞれ膿胸、肺化膿症)です。抗生物質で治療しながら、手術が必要かどうかを検討します。
  • 診断のための手術
    病理診断(顕微鏡での検査)や病期診断(ステージ)のために、手術によって腫瘍やリンパ節の一部を採取します(生検)。検査の結果をふまえ、治療方法を選択します。
  • 胸壁、横隔膜の疾患
    胸壁、横隔膜の腫瘍や外傷などに対して手術による切除が行われることがあります。

外来診療日一覧

〇…初診・再診とも診療 □…初診のみ診察 △…再診(予約)のみ診察 ― …休診 
※緊急の場合は可能な限り対応させて頂く所存ですが、一度電話で相談をお願い申し上げます。 

手術日 手術日

診療スタッフ

担当医師名 専門分野 専門医資格等
講師、診療科長
下治 正樹
呼吸器(肺・縦隔) 日本外科学会外科専門医、呼吸器外科専門医合同委員会呼吸器外科専門医、日本呼吸器外科学会ロボット支援手術プロクター、日本がん治療認定機構がん治療認定医
専攻医
庄野 允人

手術・症例件数実績(2023年1月~12月)

科目 内容 件数
手術件数 原発性肺がん 51
転移性肺がん 11
縦隔腫瘍 8
気胸 38
感染症 良性腫瘍 14
生検など 10
その他 10

トピック

低侵襲手術:胸腔鏡手術について

肺の手術は、従来、2-30cm切開し肋骨を広げて行う必要がありました(開胸術)。
現在では多くの場合は、創の小さな胸腔鏡(内視鏡)手術で行います。腋の下、肋骨の間に8cmと3cmの穴をあけて、胸腔鏡(カメラ)や鉗子を挿入し、モニター画面を見ながら手術をします。創が小さくできるので患者さんの負担が少なくて済みます。
しかし手術前の予想よりがんが進行していたり、多量の出血が起きたりした場合は、創のひとつを広げて、手を入れて直接目で見て行う方法に変更します(開胸術)。
安全性・確実性を保ちながら、同時に患者さんの負担を少なくする(低侵襲)バランスのとれた外科治療を行っています。

科長より一言

肺は、身体のなかで唯一、空気を容れた臓器で、「呼吸」という重要な役割を担っています。また心臓から太い血管が直接出入りしているなど、外科治療には高い専門性が求められる領域です。
当院は、西和地区では唯一の「呼吸器外科」標榜施設で、肺、縦隔、胸壁などの病気に対する手術治療を担当します。がんから感染症、外傷など多岐にわたる疾患に対して、肺移植以外すべての外科治療に対応しています。
2025年3月まで大阪大学の関連施設でしたが、2025年4月より近畿大学の関連施設となり、今までに比べ人員は少なくなりました。これまで対応してこられたことが、今までより時間がかかりご迷惑をおかけする可能性があります。近畿大学病院と連携し、できる限り対応させていただくよう努力してまいります。近畿大学奈良病院が開設されて以降、これまでの伝統を維持しつつ、新たな取り組みを行っていければと思います。
これからも安心して手術が受けられる病院つくりをめざして努力しています。

下治 正樹