医療関係者へ

機能的脳神経外科疾患

顔面けいれんがんめんけいれん

顔面けいれんとは

 顔の半分が勝手にピクピクとする症状です。自分の意思で始めたり、止めたりすることはできません。ふつう目の周りからはじまり、口の周りに広がります。
 緊張時や寝不足の時に一時的に見られるまぶたがけいれんする症状と似ていますが、口の周りや顎にも広がる点が違います。また、一日中生じる場合もあり、まぶたが開けられなくなることもあります。

 顔面けいれんの原因としては、頭の中の脳幹の近くの血管と神経が接触して、神経が圧迫され、血管の拍動がその神経につたわり、神経が異常に発火し、顔面の筋肉をピクピクと動かすことになります。

 診断は、症状の変化と観察、つまり診察が一番重要です。
 画像検査は、顔面神経を圧迫しているのが血管以外の脳腫瘍や脳動脈瘤の場合もあるので、MRIを行います。
 MRIにて、顔面神経と接触・圧迫している血管を見つけることができます。

顔面けいれんの治療

 治療はボツリヌス毒素治療と神経と血管の接触・圧迫をとるための手術法があります。

ボツリヌス毒素治療

 ボツリヌス菌が作り出す毒素は、筋肉を麻痺させます。この作用を利用し、ごく微量にした毒素を直接、ピクピクしている顔面の筋肉に注射します。この方法により筋肉を軽く麻痺させます。
 顔面神経に接触している血管を除く方法ではありませんが、体への負担は少ないです。効果は、3.4か月のみですので、再度、注射を行う必要があります。

手術治療

 全身麻酔にて、耳の後ろで頭蓋骨に穴をあけて(鍵穴、キーホール、keyhole)、顔面神経とその周囲の血管を確認し、接触した部位を離す手術を行います(微小血管減圧術)。当科では、血管と神経の間にクッションは極力いれずに、神経と血管を離すような方法をとります。時間経過で神経に癒着などがおこらないようにし,神経をできる限り保護する方針です。

この手術法をひろめたJannetaの報告によると術後10年、84%で完全治癒を得ていると報告している。

報道関係者の方へ(コメント可能な医師)

専門の担当医師
准教授 眞田 寧皓