近畿大学 近畿大学医学部
脳神経外科

患者さんへ

研究紹介

近畿大学脳神経外科疾患の治療成績と合併症の検討

1.研究の目的

近年医療の質や適切な医療を受けることに対する関心は高まりつつあります。本研究の目的は、当教室における患者さんの医療情報を登録し、集計・分析することでデータベースを作成し、そこから医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すことです。

2.研究の対象

この研究では、近畿大学病院脳神経外科に、入院あるいは通院されている患者さん全てを対象とさせていただきます。年間で約2000件の患者さんの登録を予定しております。

3.研究の方法

この研究では、手術や検査など、通常の診療で行われる脳神経外科医療の情報を、当教室で厳重に管理されたコンピューターに保管します。この研究で使用する情報は、患者さん個人が特定されないようにした上で厳重に管理します。
なお、この研究に必要な臨床情報は、すべて診療録より取り出しますので、改めて患者さんに行っていただくことはありません。

4.研究に用いる情報の種類

  1. ① 

    患者情報

    • 診断名
    • 既往歴
    • 生活歴(喫煙・飲酒)
    • 生年
    • 年齢
    • 性別
    • 発症日
    • 発症前の生活自立度 (modified Rankin scale: mRS)
    • 発症前の全身状態スコア(Karnofsky performance status: KPS)
  2. ② 

    主治医情報(入院時の主治医および担当医の名前)

  3. ③ 

    入院情報

    • 入院年月日
    • 入院経路
    • 予定入院/緊急入院
    • 救急搬送の有無
    • 入院時症状
    • 入院時神経所見
  4. ④ 

    退院情報

    • 退院年月日
    • 在院日数
    • 退院先
    • 退院時mRS
    • 退院時Glasgow Outcome Scale (GOS)、KPS
    • 退院時症状
    • 退院時神経所見
  5. ⑤ 

    診断検査

    • 血液生化学データ
      赤血球数,白血球数,ヘモグロビン, ヘマトクリット, 赤血球指数(MCV、MCH、MCHC), 血小板数, 網状赤血球数, 赤血球沈降速度, PT(プロトロンビン時間), PT-INR, APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間),AT-III活性, TT(トロンボテスト), HPT(ヘパプラスチンテスト), Fib(フィブリノゲン), FDP(フィブリン分解産物), Dダイマー, T-Bil, D-Bil, TTT, ZTT, AST(GOT), ALT(GPT), ALP, LDH, LDH分画, γ-GTP, LAP, CHE, CPK,CPK-MB, CPK-MM, AMY(アミラーゼ), T-cho(総コレステロール), LDL-C, HDL-C, TG(中性脂肪), TP, Alb, A/G, プレアルブミン, BUN, UA, Cre, Na, K, Cl, Ca, Mg, P, Fe, TIBC, UIBC, フェリチン, GLU(血糖), HbA1c, FRA(フルクトサミン), グリコアルブミン, 1, 5-AG, アンモニア,心筋トロポニンT,トロポニンI, BNP, CRP, KL-6, TSH, F-T4, F-T3, AFP, CEA, CA19-9, HS-PSA, SCC, CA125, CA15-3, MMP-3, 抗CCP抗体, RF, IgG, IGA, IgM,C3, C4 , TPAb, RPR(定性・定量), HBs-Ab, HBs-Ag, HIV-Ag, HCV, ASO, β-Dグルカン, プロカルシトニン
    • 単純および造影CT [頭部、頚部、胸部、腹部]
    • 単純および造影MRI [頭部、頚部、胸部、腹部]
    • 脳波
    • 核医学検査(PET, SPECT)
    • 高次脳機能検査
    • 脊髄造影
    • カテーテル血管撮影/読影
    • 頚動脈及び経頭蓋超音波検査
    • その他
  6. ⑥ 

    内科治療

    • 抗血小板療法
    • 抗凝固療法
    • 脳保護療法
    • 抗浮腫療法
    • けいれん てんかん 薬物療法
    • 頭痛 薬物療法
    • モニタリング下の神経集中治療
    • 感染症治療
    • その他
  7. ⑦ 

    化学療法

  8. ⑧ 

    放射線療法

    • 定位放射線治療
    • 定位放射線治療以外
  9. ⑨ 

    手術
    大分類 (以下、大分類ごとに、主病名、発症形式、術式を登録)

    • 脳腫瘍
    • 脳血管障害
    • 頭部外傷
    • 水頭症/奇形
    • 脊髄/脊椎/末梢神経
    • 脳症/感染症/炎症性疾患/その他
    • 主病名
    • 発症形式/受傷機転(頭部外傷のみ)
    • 術式
  10. ⑩ 

    手術情報

    • 手術日
    • 手術時年齢
    • 術式分類
    • 術者
    • 指導的助手
    • 開頭術者
    • 助手
    • 麻酔法
    • 手術回数
    • 術中所見
  11. ⑪ 

    外来経過観察時情報

    • 受診年月日
    • 受診時mRS
    • 受診時KPS
    • 受診時Glasgow Outcome Scale (GOS)
    • 受診時症状
    • 受診時神経所見
    • 受診時QOL
  12. ⑫ 

    イベントとその発生日

    • 死亡(全死亡、脳血管死亡、心血管死亡、腫瘍死)
    • 症候性脳卒中(脳梗塞、出血、くも膜下出血)
    • 無症候性脳卒中(脳梗塞、出血、くも膜下出血)
    • 一過性脳虚血発作
    • 心血管イベント(心筋梗塞、心不全、不整脈など)
    • 脳神経麻痺
    • 脳挫傷・脳浮腫の頻度とそれによる神経症状の程度
    • 痙攣発作
    • その他の全身性合併症(腎不全、肝不全、呼吸不全、消化管出血、感染症など)

5.収集したデータの取り扱い

収集したデータは、登録時に患者さん個人を識別できる情報(氏名、住所等)を削除し、本研究固有の識別番号を付けた対応表を作成することにより匿名化し、対応表を用いて管理した上で、統計的処理を行います。国が定めた倫理指針(「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」)に則って、個人情報を厳重に保護し、研究結果の発表に際しても、個人が特定されない形で行います。

6.研究期間

当教室で診療するすべての疾患についてデータベースを作成するという研究ですので、当教室が患者さんの診療を行う限り研究を継続します。

7.研究組織

近畿大学医学部 脳神経外科学教室

8.お問い合わせ先

この研究へのご協力は、患者さんご自身の自由意思に基づくものです。この研究への情報提供を希望されないことをお申し出いただいた場合、その患者さんの情報は利用しないようにいたします。ただし、お申し出いただいた時に、すでに研究結果が論文などで公表されていた場合には、完全に廃棄できないことがあります。情報の利用を希望されない場合、あるいは不明な点やご心配なことがございましたら、ご遠慮なく下記連絡先まで、電話又はFAXにてご連絡ください。この研究への情報提供を希望されない場合でも、診療上何ら支障はなく、不利益を被ることはありません。
また、患者さんや代理人の方のご希望により、この研究に参加してくださった方々の個人情報および知的財産の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことや文書でお渡しすることができます。希望される方は、以下まで電話又はFAXにてご連絡ください。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先

近畿大学医学部 脳神経外科学教室
准教授 眞田 寧皓
〒589-8511 大阪狭山市大野東377-2
Tel:(072)366-0221、Fax:(072)365-6975

研究責任者:近畿大学医学部 脳神経外科学教室 主任教授 髙橋 淳

9.試料・情報の管理について責任を有する者の氏名または名称

近畿大学医学部

難治癌全ゲノム解析の患者還元に関する研究

近畿大学病院(外科、産科婦人科、脳神経外科、消化器内科、腫瘍内科)では、「難治癌全ゲノム解析の患者還元に関する研究」という臨床研究を行っています。この研究に同意いただき、研究に参加された患者様について、追加で病気の診断(画像診断、病理診断)にかかわる診療情報を使用させていただきますので、以下の内容をご確認ください。なお、この研究は、近畿大学医学部倫理委員会で審査・承認を受け、医学部長による実施の許可を受けて行われます。

1.試料・情報の利用目的及び利用方法

この研究は、日本人の全ゲノム解析等を推進するため、日本医療研究開発機構(AMED)革新的がん医療実用化研究事業(領域 1-7:がん全ゲノム解析等における患者還元に関する研究)に参画し、患者様から提供いただいた検体を用いて全ゲノム等解析を実施し、専門家による解析結果の解釈・検討(エキスパートパネル)をおこない、患者さんの診療に適切に活用するための体制を構築することを主な目的としています。そのため、この研究に同意いただき、登録された患者様には、手術時に採取された組織検体及び血液検体を用いて検査を行った後、診療情報とともに、この研究の共同協力機関に提供しています。
このうち、全ゲノム等解析が行われた方を対象として、病気の診断(画像診断、病理診断)にかかわる診療情報を追加で使用させていただきます。利用する情報は、患者様個人が特定されないようにした上で、個人情報に関しては、厳重に管理します。これらの情報は、共同協力機関である東京大学医科学研究所(責任者 井元清哉)へ提供します。
また、全ゲノム解析における検査結果の確認を目的として、手術時に採取された組織検体及び血液検体を用いて遺伝子パネル検査を行う場合があります。検査を実施する際は、外部委託企業であるユーロフィンクリニカルジェネティクス株式会社もしくは株式会社理研ジェネシスへ検体を提供し検査を行います。外部委託企業での検査において、患者様個人が特定されないようにした上で個人情報は厳重に管理されます。

2.追加で提供する試料・情報の項目

3.利用又は提供を開始する予定日

「難治癌全ゲノム解析の患者還元に関する研究」の研究計画の変更に関する倫理委員会承認後

4.試料・情報の提供先機関

東京大学医科学研究所 教授 井元清哉
ユーロフィンクリニカルジェネティクス株式会社(外部委託企業)
株式会社理研ジェネシス(外部委託企業)

5.提供する試料・情報の取得の方法

診療の過程で得られた病理組織スライドのデジタル化データ、病理診断報告書のコピーを電子的に収集します。
手術時に採取された組織検体及び血液検体残余を用います。

6.提供する試料・情報を用いる研究に係る研究責任者

近畿大学医学部ゲノム生物学教室 教授 西尾和人

7.試料・情報の管理について責任を有するもの

近畿大学医学部

8.データ・試料の利用に同意されない場合

この研究に関して、データの利用に同意されない場合には、研究対象としませんので、下記の問い合わせ先までお申出ください。その場合でも患者様に不利益が生じることはありません。ただし、解析結果として既に公開されたデータにつきましては、同意を撤回された場合においても削除、非公開とすることができませんので、ご了承ください。

9.お問合せ先およびデータの利用に同意されない場合の連絡先

近畿大学医学部ゲノム生物学教室
西尾 和人(研究責任者)
〒589-8511 大阪府大阪狭山市大野東377-2
Tel: (072)366-0221/FAX: (072)367-6369

海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻に対する周術期及び晩期合併症を予防するための最適な塞栓術戦略

1.研究課題

海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻に対する周術期及び晩期合併症を予防するための最適な塞栓術戦略
Appropriate strategy for cavernous sinus dural arteriovenous fistula to prevent periprocedural and delayed complications

2.研究実施にあたって

この研究は、京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院 医の倫理委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を受けて実施しています。共同研究機関においても、各機関の長の許可を得ています。

3.研究機関の名称・研究責任者、研究分担者

研究機関
京都大学医学部附属病院

研究責任者
京都大学医学部附属病院 脳神経外科 助教 大川 将和

研究分担者
京都大学医学部附属病院 脳神経外科 准教授 石井 暁
京都大学医学部附属病院 脳神経内科 大学院生 松川 爽

4.研究の目的・意義

本邦では硬膜動静脈瘻は欧米と比較して海綿静脈洞部の頻度が高い疾患です。海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻(cavernous dural Arteriovenous fistula; CSDAVF)は眼球や脳の静脈灌流障害のため、失明や神経脱落症状を生じることがしばしばありますが、近年、脳血管内治療の進歩によって治療成績の向上が報告されていまる。
一般的には、経静脈的なコイル塞栓が行われます。以前は海綿静脈洞全体にコイルを留置することが行われていましたが、周術期や遠隔期に眼球運動障害を新たに生じるなどの合併症が起こるとされ、近年は可能な限り少なく限局した部位へのコイル留置が行われるようになってきています。一方少ないコイルでの塞栓は再開通などの危険が指摘されていますが、それらの報告は十分ではありません。

5.研究実施期間

研究機関の長の実施許可日から2026年3月31日

6.研究の対象となる患者さん

この研究は、2012年1月1日から2022年12月31日までにCSDAVFと診断され治療された患者さんを対象としております。

7.情報の利用目的・利用方法について

本研究では、患者さんが京都大学医学部附属病院や共同研究機関で施行されている治療、画像検査・治療手技などの診療記録を収集した上で調査・解析致します。
本研究へ画像および診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に画像・診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの画像・診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。この研究に参加することで特別な謝礼などの資金援助はありません。また、本研究は既に受けられた検査の結果から検証するものですので、新たな身体的負担や費用負担は生じません。
なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。

8.使用させていただく情報について

情報は診断名、症状、年齢、性別、手術記録、臨床転帰で画像検査は血管造影検査および治療前後のMRI、DSAで、すべての情報は仮名化(ID化)され研究事務局(京都大学脳神経外科学教室)にて保存されます。

9.共同研究機関、および責任者

近畿大学/佐藤 徹
広南病院/藤原 悟
大阪大学医学部附属病院/中村 元
小倉記念病院/波多野 武人
国立循環器病研究センター/今村 博敏
名古屋大学脳神経外科/松野 宏樹
虎の門病院/鶴田 和太郎
富山大学/秋岡 直樹
筑波大学/松丸 裕司
岡山大学/杉生 憲志
大分大学/杉田 憲司
熊本大学/清末 一路

10.情報管理責任者

京都大学医学部附属病院 脳神経外科 助教 大川 将和

11.情報の利用または他機関への提供を停止について

患者さんを直接特定できる情報(お名前やカルテ番号など)を削除し仮名化(ID化)しますので、研究事務局では各共同研究機関の個人情報を取り扱うことはありません。患者さん、またはその代理人より情報を利用する際や、研究にデータを使用されたくない場合は使用致しませんので、主治医および問い合わせ窓口までお知らせください。

12.情報の入手・閲覧する方法について

ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますので、問い合わせ窓口までお申出下さい。

13.研究資金・利益相反について

本研究は、第39回日本脳神経血管内治療学会運営費を用いて行なわれます。利益相反については、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において適切に審査されています。また、近畿大学医学部長による許可を受け実施いたします。

14.お問い合わせについて

本研究に関するご質問等、ご要望あれば下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
本学の問い合わせ窓口
住所:〒589-8511 大阪狭山市大野東377-2
電話:(072)366-0221
担当者:近畿大学医学部脳神経外科 准教授 佐藤 徹

Transdural blood supply を有する脳動静脈奇形の臨床症状、血管構築、治療成績の検討:多施設共同研究

研究課題

Transdural blood supplyを有する脳動静脈奇形の臨床症状、血管構築、治療成績の検討:多施設共同研究

本研究の実施体制

本学における研究組織

研究責任者
近畿大学医学部脳神経外科 准教授 佐藤 徹

研究分担者
近畿大学医学部脳神経外科 講師 布川 知史
近畿大学医学部脳神経外科 講師 辻 潔
近畿大学医学部脳神経外科 医学部助教A 藤島 一紘
近畿大学医学部脳神経外科 医学部助教A 古川 健太郎

研究全体の実施体制

研究代表者
熊本大学生命科学研究部画像診断解析学講座 特任教授 清末 一路(画像判定委員・研究デザイン作成)

共同研究機関研究事務局
近畿大学医学部脳神経外科 准教授 佐藤 徹(データ集積・判定会議開催・判定委員)

研究分担者
熊本大学病院脳神経外科助教 賀耒 泰之(画像・臨床情報提供、判定委員)

共同研究機関研究責任者
聖路加国際病院神経血管内治療科部長 新見 康成(画像・臨床情報提供、判定委員)
筑波大学脳神経外科脳卒中予防・治療学講座教授 松丸 祐司(画像・臨床情報提供、判定委員)
岡山大学病院脳神経外科助教 平松 匡文(画像・臨床情報提供、判定委員)
東海大学脳神経外科助教 重松 秀明(画像・臨床情報提供、判定委員)
国立循環器病研究センター脳神経外科医長 今村 博敏(画像・臨床情報提供、判定委員)
藤田医科大学脳卒中科教授 中原 一郎(画像・臨床情報提供、判定委員)
久留米大学放射線医学講座講師 田上 秀一(画像・臨床情報提供、判定委員)
昭大学藤が丘病院脳神経外科教授 津本 智幸(画像・臨床情報提供、判定委員)
虎の門病院脳神経血管内治療科部長 鶴田 和太郎 (画像・臨床情報提供、判定委員)
小倉記念病院脳神経外科部長 波多 野武人(画像・臨床情報提供、判定委員)
広南病院血管内脳神経外科部 坂田 洋之(画像・臨床情報提供、判定委員)
永冨脳神経外科病院放射線科部長 堀 雄三(画像・臨床情報提供、判定委員)
京都大学脳神経外科准教授 石井 暁(画像・臨床情報提供、判定委員)
富山大学脳神経外科講師 秋岡 直樹(画像・臨床情報提供、判定委員)
神戸中央市民病院脳神経外科部長 太田 剛史(画像・臨床情報提供、判定委員)
新潟大学脳神経外科講師 長谷川 仁(画像・臨床情報提供、判定委員)
大阪大学医学部脳神経外科特任助教 尾崎 友彦(画像・臨床情報提供、判定委員)
トロント大学放射線科教授 Timo Krings(画像・臨床情報提供、判定委員)

本研究の目的及び意義

脳動静脈奇形(brain arteriovenous malformation: AVM):は、脳の中で異常な動脈と静脈が毛細血管を介さず直接つながり、ナイダスと呼ばれる異常な血管塊もみられる血管の奇形です。この異常血管は破裂しやすく、破裂すると脳内出血やくも膜下出血を起こし重篤な状態に陥ることがあります。また、未破裂の場合でも、無症状のこともありますが、けいれんや頭痛を生じる原因となることがあります。AVMは通常、脳内の血管である内頚動脈と椎骨脳底動脈系より供血されますが、一部では、脳実質外の硬膜・硬膜外血管からの供血(Transdural blood supply: TDBS)を伴う場合があります。AVMに対する治療法は外科的切除術、脳血管内治療による塞栓術、放射線治療、保存的治療があります。TDBSを伴うAVMの場合、その血管構築の複雑さから治療が困難で合併症の頻度が高いとの報告があり、脳血管内治療の果たす役割が大きいと推測されます。しかし、詳細に検討した報告・データは少ないです。そこで、本研究では、TDBSを伴うAVMについて多施設の症例を集積し、その血管構築と治療結果について後ろ向きに検討し、その特徴と脳血管内治療およびその他の治療の成績を明確にします。これにより、TDBSを伴わない例も含めた全AVMに対する治療が安全かつ有効に行われることに寄与すると考えます。

研究の方法

本研究は、2013年4月から2023年3月までの期間に脳動静脈奇形と診断された患者さんを対象としています。本研究では、対象患者さんの既に行われている画像検査・治療手技の情報とカルテに記載されている診療情報を調査・解析します。画像検査とは治療前後の血管造影検査およびMRIやCT検査のことです。また、診療情報とは診断名、症状、年齢、性別、手術記録、臨床転帰のことです。すべての情報は匿名化され研究事務局(近畿大学脳神経外科学教室)に郵送され、同教室で保存されます。画像評価・解析は、匿名化された画像情報を本研究の複数の画像判定委員が事務局に集まり行います。

研究期間

倫理委員会承認日~2026年4月30日

情報の取得期間

2013年4月1日~2023年3月31日
利用又は提供を開始する予定日:2023年9月10日

研究に利用する情報

本学におきまして、治療前後、治療時に撮像された画像データを解析させていだきます。治療前後の経過を把握するために、患者さんの電子カルテの診療記録(診断名、年齢、性別、手術記録など)を調べさせていただきます。本研究のために患者さんの画像データ及び診療記録(情報)を使用させていただきますことは近畿大学医学部長の許可を得た上で実施いたします。また、患者さんの試料および診療情報は、国の定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

個人情報の取扱い

本研究に用いた画像データ(治療前後、治療時に撮像された画像)および診療情報(診断名、年齢、性別、手術記録など)については論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。

外部への情報の提供

本研究の患者さんの情報の提供については、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。なお、研究対象者である患者さん個人が特定できないよう、氏名の代わりに記号などへ置き換えますが、この記号から患者さんの氏名が分かる対応表は、近畿大学医学部脳神経外科学教室が保管・管理します。
情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称
全体の情報:熊本大学生命科学研究部画像診断解析学講座 特任教授 清末 一路
当院の情報:近畿大学医学部脳神経外科 准教授 佐藤 徹

研究成果に関する情報の開示・報告・閲覧の方法

この研究で得られた結果は、本研究の患者さんが説明を望む場合に、患者さんに対してのみ行い、たとえ、患者さんの家族に対しても、患者さんの承諾または依頼なしに結果を説明することはいたしません。なお、研究の進行状況やその成果、学術的な意義については、患者さんの求めに応じて、開示できる範囲でご説明いたします

利益相反について

この研究は、日本脳神経血管内治療学会2023年学術集会の資金を用いて研究が行われ、患者さんの費用負担はありません。また、特定の企業からの資金も用いません。「利益相反」とは、研究成果に影響するような利害関係を指し、金銭および個人の関係を含みますが、本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。
本研究は費用の出資者の利益や意向に影響されることなく公正に行うことを約束します。本研究の利害関係の公正性については、近畿大学医学部倫理委員会の審査を受け実施いたします。

本研究参加へのお断りの申し出について

本研究へ情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。

本研究に関する問い合わせ

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住所:〒589-8511 大阪狭山市大野東377-2
電話:(072)366-0221
研究責任者:近畿大学医学部脳神経外科 准教授 佐藤 徹(さとう てつ)

特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会データベースを用いた観察研究-パルスライダー、W-EBデバイス-

1.はじめに(同意書①・⑦・⑧に該当)

この文書は、当院で実施している「日本脳神経血管内治療学会データベースを用いた観察研究」という臨床研究について説明したものです。
あなたは、この研究の対象となる条件(5.この臨床研究の方法 参照)を満たす可能性があるため、臨床研究への参加をお願いしております。
担当医師からこの臨床研究の説明をお聞きになり、研究の内容を十分理解して頂いた上で、この研究に参加されるかどうかをあなたの自由意思で決めてください。この研究に参加してもよいと考えられた場合には、「同意書」にご署名いただきますようお願い致します。
たとえ参加されなくても、今後の治療において不利益になることはありません。
さらに、この臨床研究への参加に同意した後でも、臨床研究が開始されてからでも、あなたが参加の辞退を希望されれば、いつでも自由に辞退することができます。辞退した場合でも、あなたには最善の治療と経過観察が行われますので、治療上の不利益を被ることはありません。
この臨床研究についてわからないことがありましたら、担当医に気がねなくご相談ください。
「日本脳神経血管内治療学会データベースを用いた観察研究」は近畿大学医学部倫理委員会の審査を受け、近畿大学医学部長の許可を受けて実施しています。

2.臨床研究について(同意書⑳に該当)

本研究は、脳血管内治療における画期的な新しい医療機器を使用して治療された患者さんの背景情報、対象となる医療機器の不具合・有害事象などの製造販売後データを長期的に集め、それらのデータを解析してこれらの医療機器の有効性や安全性を評価することを目的としています。
本研究のデータは特定非営利活動法人日本脳神経血管内治療学会(JSNET)が運営するJSNETデータベースに登録され、ここから得られた情報は、新医療機器を使用した患者さんの治療や安全性の確保、並びに治療技術の向上、次世代の医療機器の開発研究等へ用いられるほか、データの一部は法律で定められている研究対象機器の医療機器等の成績等に関する調査報告書や使用成績評価申請に用いられるため製造販売業者に提供されることがあります。

3.この臨床研究の必要性(同意書③に該当)

データベースについて

これまでは、新しい医療機器が販売されると、それを製造販売する業者が、使用後の成績や安全性についての情報を集めて、国へ報告していました。それには非常に時間がかかり、医療機関や患者さんに情報が提供されるまでに数年かかっていました。しかし、新しい医薬品や医療機器について、より迅速に安全性に関する情報を集めて監視できるように、医療情報を集めたデータベースを用いた国への報告が認められるようになりました。
そこで、JSNETでは、独自にデータベースを構築して、治療の情報を速やかに集め、特に販売早期の安全性に関する情報などを医療従事者間で共有することを計画しました。これにより、こうした新しい医療機器を使用する際の注意点などを、販売後の早い時期に医療従事者も知ることができ、より安全な医療を提供することが可能になると考えています。
また、このデータの一部は、法律で定められている研究対象機器の医療機器等の成績等に関する調査報告書や使用成績評価申請に用いられるため製造販売業者に提供され、国に報告されます。

4.この臨床研究の目的(同意書③に該当)

この臨床研究では、新しい医療機器であるパルスライダー又はW-EBデバイス(研究対象機器)を用いて分岐部脳動脈瘤の治療を実施した患者さんを対象に、脳動脈瘤の完全閉塞の割合と有害事象について、手術後3年まで観察して、それぞれの有効性と安全性の情報を集めることを目的としています。

5.この臨床研究の方法(同意書④・⑤に該当)

研究参加の条件

この研究の対象となる方は、以下の1)~2)の全てにあてはまる方です。

  1. 1)研究対象機器を用いて脳動脈瘤塞栓術が施行されることが予想される、又は脳動脈瘤塞栓術が施行された患者さん
  2. 2)文書による同意が得られた患者さん
研究の方法

あなたの脳動脈瘤が脳血管の分岐部にあり、研究対象機器を使って治療することが予定された場合、担当の医師から治療及び研究への参加について説明します。意識障害などにより患者さんご本人の同意が得られない場合には、代諾者(ご家族など)の同意により治療と研究に参加することは可能ですが、患者さんからの同意が得られるようになりましたら、再度研究への参加について確認します。
また、どうしても治療前に研究参加の同意をいただけなかった場合には、治療後に十分に説明を行い、同意をいただいたら治療に関する情報を登録します。

一般的なスケジュール一覧表

以下は、日常診療で一般的に実施する診察・検査のスケジュールです。患者さんの状態に応じて、それ以外の診療行為が行われる場合があります。研究参加への同意が得られた場合は、日常診療で得られる下記データを収集させていただきます。また、同意取得前に、得られているデータも利用させていただきます。

評価項目 術前 術直前 手術 退院時/術後
7日
術後
30日
術後
180日
術後
1年
術後
2年
術後
3年
Visit window -60日   0 ±3日 ±7日 ±42日 ±60日 ±60日 ±60日
同意        
患者背景                
血小板反応性試験                
バイタルサイン                
mRS・NIHSS     *** *** *** *** ***
手術内容                
ACT、ヘパリン                
病変所見                
使用機器・併用機器                
抗血小板療法
抗凝固療法
 
Raymondスコア*     ****    
WOS*     ****    
再治療      
有害事象    
不具合    

*パルスライダーのみ
**W-EBのみ
***mRSのみ
****術直後

研究参加の期間

患者さんごとの観察期間は、脳動脈瘤治療実施後3年間となります。
また研究全体の期間は以下のとおりです。
患者さんの参加申込み期間:2020年6月1日~2023年5月31日
観察期間の終了:最後の患者さんが術後3年を経過したとき(2026年7月まで)
研究期間:2020年6月1日~2026年12月31日

併用禁止療法・併用禁止薬

通常の診療範囲内で行いますので、特に禁止する治療や薬剤はありません。

6.研究への予定参加人数

この臨床研究には当院を含めて、全国で約55の医療機関が参加します。研究全体では、合計600人の患者さんに参加して頂く予定です。当院では、20人の患者さんに参加して頂く予定です。

7.予想される効果と副作用(好ましくない事象)(同意書⑥に該当)

本研究に参加することによる直接的な利益はありません。データベースに情報が登録されることによって、安全性情報を速やかに提供されることができるようになります。また、通常診療以上の負担はないので、不利益は生じません。

8.個人情報の保護(同意書⑪・⑫・⑳・㉑に該当)

あなたのカルテや診療記録などの個人情報の保護には十分に配慮いたします。医師・看護師・薬剤師等の医療スタッフには、通常の診療において業務上知りえたことに関して秘密を守る義務(守秘義務)があります。病院スタッフには、この臨床研究において知った情報についても同様の守秘義務が課せられます。
この臨床研究が適正かつ安全に実施されていることを確認するために、当院の倫理委員会や倫理委員会事務局、JSNETの担当者があなたのカルテ等を見ることがあります。これらの人達にも業務上知り得たことに関する守秘義務があります。
また、この臨床研究で得られた情報を取りまとめる役割(データセンター)であるJSNETにあなたの情報を提供しますが、その際には、あなたを特定できる情報(氏名・住所・電話番号など)は記載しません。この研究の結果や取りまとめた情報を医学雑誌、学会などに発表する場合も、個人が特定できないように配慮されます。また、このデータの一部を、法律で定められている国への報告に用いられるため製造販売業者に提供する際にも、個人が特定できない状態で提供します。さらに、将来的に、登録されたデータの集計結果を新しい機器の開発等に用いるため、企業等に提供する可能性もありますが、この場合も個人を特定でない状態で提供されます。
症例報告書などの電子データや紙媒体の資料等は、研究終了5年後まで各施設及びデータセンターで厳重な管理体制のもと保管します。また、保管期間の終了後は匿名化を保ったまま、廃棄手続きを行います。
このように個人情報は厳重に管理されていますので、この臨床研究に参加することにより、あなたやあなたのご家族の個人情報が第三者に漏れる心配はありません。
なお、この同意書に署名されますと、倫理審査委員会等によるカルテの閲覧、当院以外の機関への情報提供、結果の公表およびJSNETに登録されたデータの利活用について同意して頂いたことになります。

9.研究の情報の公開について(同意書⑨に該当)

この臨床研究は、「世界医師会ヘルシンキ宣言(2013年10月、WMA総会修正)」、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(平成26年12月22日、平成29年2月28日一部改正)に基づいて実施され、研究の情報や結果の公開についても定められています。公開については、大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)上に公開されます。
UMINへ情報公開される際には、あなたの個人情報は厳重に保護されます。

10.臨床研究の費用(同意書⑯に該当)

治療や経過観察中の検査は、通常の診療範囲内で行うため、健康保険の自己負担以外であなたに負担いただくことはありません。謝礼もございません。

11.健康被害が発生した場合の補償(同意書⑲に該当)

この臨床研究は、保険で認められた診療の範囲内で実施されますので、補償はありません。もし、あなたに副作用などの健康被害が生じた場合には速やかに担当医師にご連絡ください。担当医師が適切な診療と治療を行います。

12.研究参加の意思に影響を与える情報の伝達

臨床研究の参加期間中に、あなた(またはその代諾者)の研究参加への意思に影響を与える可能性のある情報等、新たな情報が得られたときには、速やかに担当医師からお知らせします。その際、研究参加を継続するかどうかについてお考えいただき、辞退することもできます。

13.研究及び研究への参加の中止について

あなたがこの研究の参加に同意した後で担当医師から研究参加の中止をお願いすることがあります。中止理由には大きく分けて、患者さん個人の状態に関するものとこの研究全体に関するものがあります。

患者さん個人の状態に関する中止理由

以下に当てはまった場合、患者さんの研究への参加を中止することがあります。

研究全体の中止理由

途中で研究の継続に影響がある問題などが発生した場合は、主任研究者や研究組織の先生と相談の上、研究を中止または早期終了する場合があります。

14.同意の撤回について(同意書⑦・⑧に該当)

いったん本研究への参加に同意された後でも、いつでも同意を撤回することができます。万一同意を撤回されても、不利な扱いを受けたりすることはありません。
なお、同意を撤回された場合にも、すでにデータセンターに登録された患者さんの治療情報についてはこの研究の情報として使用させていただきます。

15.この臨床研究に関する資料の閲覧(同意書⑩に該当)

あなたが、この臨床研究の内容をもっと詳しく知りたい場合には、他の研究対象者等の個人情報等の保護及び研究の独創性に支障がない範囲内で、以下の資料を閲覧することが出来ます。希望される場合には担当医師にお申し出ください。

16.研究結果の取り扱い(同意書⑨・⑭・⑳に該当)

この臨床研究で得られた結果は、結果の良し悪しを問わず、国内外の学術集会で発表し、専門雑誌に発表する形で公にいたします。結果は、2027年頃に公表される予定です。個々の患者さんに結果をお知らせすることはありませんが、担当医に申し出ていただければお知らせいたします。また、データの一部は法律で定められている研究対象機器の医療機器等の成績等に関する調査報告書や使用成績評価申請に用いられるため製造販売業者に提供されることがあります。
本研究の結果により何らかの新たな知見が得られることがあります。その際に生じる特許、その他知的財産に関する権利(特許権)は、提供されたデータに対してではなく、研究者達が研究やその成果の応用を行うことによって生まれた新しいアイデアに対するものです。ですから、特許権の発生により経済的利益が生じても、あなたはその権利を主張できません。本研究の結果によって生じる特許、その他知的財産に関する権利は、主任研究者およびJSNETに帰属します。

17.利益相反について(同意書⑬に該当)

この臨床研究に係る医師が、この臨床研究に関連して特定の利益を受けたり、不利益を受けたりすることはなく、公正性、信頼性は適正に確保しております。
この臨床研究に係る医師の利益相反状況については、近畿大学医学部利益相反マネジメント委員会の規定に従い、自己申告し、当該委員会における審査及び承認を得た上で、この臨床研究を実施しております。

18.資金源について(同意書⑬に該当)

この臨床研究を実施するために必要な費用については、JSNETの資金でまかなわれています。

19.問い合わせ先(同意書⑮に該当)

この研究は当院の脳神経外科で実施されています。
この臨床研究について、心配なことや、わからないこと、何か異常を感じられた時は、いつでも遠慮なく担当医師または相談窓口にご連絡ください。

本学の研究責任医師

診療科:近畿大学医学部 脳神経外科
氏名:佐藤 徹

担当医師

診療科:近畿大学医学部 脳神経外科
氏名:布川 知史

本学の相談窓口

診療科:近畿大学医学部 脳神経外科
氏名:佐藤 徹
住所:大阪狭山市大野東377番地の2
連絡先:(072)366-0221(代表)
(平日 9時〜17時半まで)

研究代表医師

診療科:脳血管治療研究部
氏名:坂井信幸
病院名:神戸市立医療センター中央市民病院
住所:神戸市中央区港島南町2-1-1
連絡先:(078)302-4321(24時間対応可)

研究全体の相談窓口

データベース事業運営委員会事務局
日本脳神経血管内治療学会事務局
東京都新宿区信濃町35 信濃町煉瓦館
国際医学情報センター内
TEL (03)5361-7555、FAX 03-5361-7091
(平日 9時〜17時半まで)

20.研究組織(同意書②に該当)

本研究は研究代表者が主体となり、研究組織の医師及び研究参加施設の責任医師とともに行われます。

研究代表者

坂井 信幸
神戸市立医療センター中央市民病院 脳血管治療研究部

データセンター

データベース事業運営委員会事務局
東京都新宿区信濃町35信濃町煉瓦館
日本脳神経血管内治療学会事務局内

データマネジメント業務等委託先

メビックス株式会社
東京都港区赤坂一丁目11番44号

参加医療機関・研究責任医師

神戸市立医療センター中央市民病院 坂井 信幸
順天堂大学医学部附属順天堂医院 大石 英則
一般財団法人広南会 広南病院 松本 康史
筑波大学附属病院 松丸 祐司
昭和大学 藤が丘病院 津本 智幸
兵庫医科大学病院 吉村 紳一
国立病院機構 大阪医療センター 藤中 俊之
京都大学医学部附属病院 石井 暁
国立循環器病研究センター 今村 博敏
岡山大学病院 杉生 憲志
福岡大学筑紫病院 東 登志夫
愛知医科大学病院 宮地 茂
藤田医科大学病院 中原 一郎
横浜新都市脳神経外科病院 森本 将史
横浜市立脳卒中・神経脊椎センター 中居 康展
医療法人財団報徳会 西湘病院 竹内 昌孝
獨協医科大学埼玉医療センター 滝川 知司
国立病院機構仙台医療センター 江面 正幸
新潟大学医歯学総合病院 長谷川 仁
岩手県立中央病院 木村 尚人
函館新都市病院 原口 浩一
横浜市立市民病院 増尾 修
東海大学医学部付属病院 キッティポン スィーワッタナクン
大阪大学医学部附属病院 中村 元
平成紫川会 小倉記念病院 波多野 武人
富山大学附属病院 秋岡 直樹
札幌白石記念病院 野中 雅
久留米大学 廣畑 優
長崎大学医学部付属病院 高平 良太郎
鳥取大学医学部附属病院 坂本 誠
名古屋大学医学部附属病院 泉 孝嗣
富永病院 木本 敦史
岐阜大学医学部附属病院 榎本 由貴子
国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 鶴田 和太郎
東京医科歯科大学病院 壽美田 一貴
聖路加国際病院 新見 康成
三重大学医学部附属病院 当麻 直樹
東京慈恵会医科大学 村山 雄一
香川大学医学部附属病院 川西 正彦
国立病院機構 千葉医療センター 小林 英一
東京女子医科大学病院 石川 達也
浜松医科大学医学部附属病院 根木 宏明
埼玉医科大学国際医療センター 神山 信也
広島大学病院 堀江 信貴
九州大学 有村 公一
広島市立北部医療センター安佐市民病院 松重 俊憲
広島市立広島市民病院 廣常 信之
高知大学医学部附属病院 福井 直樹
聖隷浜松病院 林 正孝
日本赤十字社 武蔵野赤十字病院 佐藤 洋平
北原国際病院 林 祥史
金沢脳神経外科病院 福島 大輔
手稲渓仁会病院 髙田 達郎
聖マリアンナ医科大学 東横病院 植田 敏浩
近畿大学病院 佐藤 徹
他、対象医療機器の使用が認められた施設

21.研究倫理審査委員会について

再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫におけるチラブルチニブの有効性・安全性及び治療実態を調査する多機関共同後ろ向き観察研究(ROSETTA試験)

当院では、下記の臨床研究を実施しております。また、この研究の科学的妥当性と倫理性は、弘前大学大学院医学研究科倫理委員会において審査され、承認されており、個人情報の安全保護については、万全の体制下にて管理され実施されます。なお、調査項目は既存の情報のため、研究の対象となる患者さんに何らかの負担が生じることはありません。具体的な研究内容を知りたい、或いは、今回の研究に情報を用いることを拒否したい場合は、下記のお問い合わせ先へご連絡ください。

研究課題名

再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫におけるチラブルチニブの有効性・安全性及び治療実態を調査する多機関共同後ろ向き観察研究(ROSETTA試験)

研究の内容

対象となる患者さん

再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫と診断されている患者さんのうち、2020年11月1日から2022年4月30日までの間に、新たにチラブルチニブ初回治療を開始し、かつ、特定使用成績調査に登録された患者さんです。加えて、チラブルチニブ初回治療開始時点で20歳以上の患者さんが対象です。

情報の利用目的

この研究の目的は、本邦の実臨床下において、再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫患者さんに対するチラブルチニブの投与後1年・3年の有効性、安全性及び治療実態を明らかにすることです。

研究期間

当院における研究契約締結日※~2027年12月31日(予定)

収集対象期間:

2025年4月30日まで

研究の対象となる患者さんのカルテ情報を収集している期間:

第1回目:2023年5月1日~2024年2月29日(予定)
第2回目:2025年5月1日~2026年2月28日(予定)

解析期間

第1回目:2024年3月1日~2024年5月31日(予定)
第2回目:2026年3月1日~2026年5月31日(予定)

情報を収集する方法及び利用する情報

この研究で利用するデータは、原則一般診療で記録された診療録(カルテ)から収集されます。利用する情報は以下です。
患者背景(特定使用成績調査登録番号、主な診療科、性別、生年月、合併症・既往歴等)、チラブルチニブ治療に関する情報(治療状況等)、チラブルチニブの前治療・後治療に関する情報(治療状況等)、中枢神経系原発リンパ腫に対する手術及び放射線療法、併用薬、治療効果に関する情報、患者さんの日常生活での状態、血液検査(血液学的検査・生化学的検査・免疫学的検査・腫瘍マーカー)、骨髄抑制の状況、有害事象、生存調査等

情報を提供する者及び情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称

医療機関: 近畿大学医学部脳神経外科 (医療機関の長:松村 到)

情報を利用する者の範囲

この研究は、以下の医療機関・関係機関と協力して実施する研究です。
医療機関: 別紙参照
研究代表機関: 杏林大学医学部(研究代表者:永根 基雄※)
共同研究機関: 小野薬品工業株式会社(研究責任者兼情報管理責任者:松元 寛樹)
臨床研究業務受託機関: メビックス株式会社(責任者:村林 裕貴) 提供する情報を用いる研究に係る責任者

情報を他の機関へ提供する方法及び個人情報の取扱いについて

この研究で利用する情報は、電子症例報告書という管理システムにて、臨床研究業務受託機関であるメビックス株式会社を介して、杏林大学医学部及び小野薬品工業株式会社へ提供されます。ただし、この研究で利用する情報は、個人を特定できないよう記号化して管理しますので、研究の対象となる患者さんのお名前等の個人情報が外部に漏れることは一切ありません。また、この研究成果は、学会や医学専門誌などで公表される予定ですが、その際も研究の対象となる患者さんを特定できる個人情報は含まれません。なお、この研究で得られた情報をこの研究以外で利用させていただく場合があります。その場合も、個人を特定できないよう記号化して管理しますので、お名前等の個人情報が外部に漏れることは一切ありません。

情報の二次利用

杏林大学医学部及び小野薬品工業株式会社は、この研究で得られた情報をこの研究以外で利用させていただく場合があります。なお、現時点では、研究の対象となる患者さんのデータを公開する予定はありません。しかし、この研究の対象となる疾患又は関連する疾患の研究に利用する、国内外において医薬品としての承認を得る、研究結果の報告書や研究論文等を作成する等の目的で、将来、小野薬品工業株式会社の国内外のグループ会社、提携先、委託先、国内外の規制当局、学術研究機関、学会又は研究者その他の関係者に提供させていただく場合があります(なお、外国にある第三者に提供する場合についての詳細は後述します)。ただし、研究の対象となる患者さんのデータは記号化されて取り扱われるため、規制当局を除き、これらの移転・提供先が、原則として、研究の対象となる患者さんの氏名や住所といった連絡先を知ることはありません。規制当局は研究データの信頼性確認のため、研究の対象となる患者さんの診療録を確認することがあります。
また、二次利用する場合は、必要に応じ、改めて倫理審査委員会等にその研究の計画を提出し、承認を得て、オプトアウト(ホームページや院内の掲示板等に研究に関する情報を通知し又は公開し、拒否できる機会を保障すること)、或いは、研究の対象となる患者さんから適切に同意を得た後に行います。

外国にある第三者への提供について

この研究によって得られた研究の対象となる患者さんの情報は統計解析データとして、小野薬品工業株式会社から外国にある関連法人であるONO PHARMA USA, INC.(米国 マサチューセッツ州)、ONO PHARMA KOREA CO., LTD.(大韓民国)及びONO PHARMA TAIWAN CO., LTD.(台湾)に移転又は提供されます。
外国への提供にあたっては、情報は記号化されて取り扱われるため、提供先は研究の対象となる患者さんの氏名や住所といった連絡先を知ることはありません。いずれの国や地域に移転・提供する場合にも、当該国や地域の規制に基づき適切に取り扱われます。

使用する安全措置の詳しい情報はこちらです。

個人情報の開示等について

研究の対象となる患者さん又はその代理人は、個人情報保護法、関連する省令などに基づき、当院の担当医師に対して研究の対象となる患者さんを特定できる研究データや海外移転に関する情報の開示を求めること、また誤りがあれば訂正を求めることができます。万一、個人情報が適切に利用されていないと感じたときなどには、個人情報保護法の定めに基づいて、個人情報の利用の停止などを求めることができます。

この研究の品質について

この研究がきちんと行われているかを調べるため、必要に応じて、この研究の関係者(臨床研究業務受託機関の担当者、倫理審査委員会)、厚生労働省、個人情報保護委員会、の規制当局等が、研究の対象となる患者さんの診療記録(カルテ等)を直接確認する場合があります。

この研究の資金源と利益相反

この研究は、小野薬品工業株式会社より研究資金の提供を受け、杏林大学医学部及び小野薬品工業株式会社から依頼を受けて実施します。研究方法は医学的な視点から適正に行われ、意図的に杏林大学医学部及び小野薬品工業株式会社の都合のよい結果に導いたりすることができないよう、中立性と公明性を維持して計画されます。なお、研究責任者及び研究分担者は、研究の実施に際し、当院の規定に従い、利益相反を適切に管理して研究を実施します。 利益相反とは、臨床研究の実施に際して外部との経済的な利害関係等によって、研究の実施に必要とされる公正且つ適正な判断が損なわれる、又は、損なわれるのではないかと第三者から懸念されることを指します。

この研究に情報が用いられることを拒否したい場合

この研究の対象となる患者さん又はその代理人により、情報の研究利用停止を希望される場合は、適切に対応しますので、お問い合わせ先までお申し出ください。ただし、申し出がデータ収集期間終了後であった場合、データの解析作業や医学雑誌への掲載の進捗状況を考慮した上で、可能な限り当該患者さんのデータを除くよう最大限努力しますが、結果的に除くことができない可能性もあります。

この研究の情報公開方法

この研究の計画や関係する資料をご覧になりたい場合は、この研究に参加されている他の方の個人情報や研究全体の支障となる事項以外はご覧いただくことができますので、お問い合わせ先にご相談ください。なお、この研究の計画や関係する資料をご覧になるまでに時間を要する場合があります。研究計画の内容や進捗状況は、臨床研究等提出・公開システム(https://jrct.niph.go.jp/)に公開されています。

お問い合わせ先

以下に該当する場合は、下記の連絡先にご連絡ください。

  1. 個人情報の開示を希望される場合
  2. この研究へのご協力を望まれない場合
  3. その他、この研究に関するお問い合わせ等がある場合

医療機関名:近畿大学病院 脳神経外科
研究責任者:奥田 武司
所在地:大阪府大阪狭山市大野東377番地の2
電話:(072)366-0221
メールアドレス:okuda@med.kindai.ac.jp

頭蓋内胚細胞腫についての後方視的研究

臨床研究へのご理解とご協力のお願い

当科では皆様により良い治療を受けて頂く目的で以下の臨床研究を実施しております。
臨床研究を行うにあたっては、患者さんの同意を得た上で行われることが原則ですが、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の規定により、通常の診療で得られた情報を使用する研究では、患者さんから同意を得ることは必ずしも必要ではなく、研究内容の情報を公開することが必要と定められております。
ただし、ご自身の診療情報を使用して欲しくない場合には、その旨御連絡いただければ、研究に使用することはございません。また拒否された場合でも、その後の治療などに何ら不利益を受けることはなく、治療に差し支えることはございません。
皆様のご理解とご協力を御願い申し上げます。

研究課題名

頭蓋内胚細胞腫における(1)bifocal tumor の意義、(2)髄液細胞診陽性症例の治療についての後方視的研究

研究機関

近畿大学医学部脳神経外科
研究統括機関 東北大学病院 脳神経外科

研究の目的

頭蓋内胚細胞腫において2つの解明すべき問題を明らかにします。すなわち(1)尿崩症を伴うbifocal tumor が腫瘍マーカー陰性の場合、ジャーミノーマと診断してよい、という仮説はどの程度正しいか、(2)髄液細胞診陽性のジャーミノーマにおいて、全脳脊髄照射が必要かどうか、を多施設共同で後方視的研究を行います。

研究方法

対象となる方:1990年1月から2015年12月までに施設で初期治療が行われた症例のうち以下のものを対象とします。(A)MRIにて「松果体部と神経下垂体部の病変が存在」「尿崩症がある」「AFP、HCG、HCG-betaなどの腫瘍マーカー陰性」の3点を満たす症例。(B)「髄液細胞診擬陽性・陽性」あるいは「治療前に細胞診による評価がされており、その所見に関係なくMRIにて脳室・脊髄などに播種を有する」のいずれかを満たす症例。
方法:各共同研究機関において診療録、画像、病理所見を後方視的に検討し、情報を収集します。収集する情報は(A)では、①患者背景、②初発時臨床検査結果、③初発時MRI所見、④初期治療内容、⑤初発時病理診断、⑥再発 (B)では、①患者背景、②初発時臨床検査結果、③初発時MRI所見、④治療内容、⑤治療予後。

使用する情報:カルテ、画像所見(CT、MRI)

意義

期待される成果

  1. MRIや臨床情報のみからジャーミノーマと診断し、治療を開始出来る症例を見極めることができる。
  2. 髄液細胞診陽性であった症例において適切な照射範囲について明らかにすることができる。

個人情報の取り扱い

「連結可能匿名化」を行い、個人情報を保護します。

研究に関するお問合せ先

近畿大学医学部 脳神経外科講座
奥⽥ 武司
〒589-8511 大阪狭山市大野東377-2
Tel:(072)366-0221、Fax:(072)365-6975

研究対象者に研究への参加を拒否する権利を与える方法

自身の診療情報を使用して欲しくない場合には、その旨御連絡いただければ、研究に使用することはございません。また拒否された場合でも、その後の治療などに何ら不利益を受けることはなく、治療に差し支えることはございません。

本邦における転移性脳腫瘍の治療成績の検証
-多施設共同研究によるデータベース作成の試み-

研究課題名

本邦における転移性脳腫瘍の治療成績の検証

研究の目的と方法

現在、転移性脳腫瘍に対する治療手段には外科的治療や放射線治療などが挙げられ、一部の癌腫には化学療法が効果的な例も存在します。しかし、標準的な治療方針は癌腫の相違には関わらず、「転移性脳腫瘍」と一括した診断名で行われた大規模臨床試験をもとに定められております。このため、原発癌腫による治療効果の差などは明らかではありません。近年の癌治療は個々の癌腫の生物学的特徴に応じて治療方針を決定する個別化治療の時代を迎えており、転移性脳腫瘍においても同様に癌腫別での治療方針の確立が必要と考えられます。そこで、我々は稀少癌症例においても十分な症例集積、検討が出来るように多施設共同で転移性脳腫瘍例の症例集積を行い、癌腫別の転移性脳腫瘍の特徴や治療成績を検証します。このデータベースをもとに癌腫別の治療ガイドラインの作成を行う予定であります。

研究対象

2000年以降、近畿大学病院脳神経外科にて治療を行った転移性脳腫瘍の患者様です。

使用する診療情報

項目は年齢、性別、画像所見、病理組織学的所見、外科的治療や化学療法、放射線治療の内容、治療効果、無増悪生存期間、全生存期間です。

個人情報に関する配慮

本研究では匿名化(任意の識別番号を付与)された臨床情報データを集積します。お名前や住所などの個人が特定される情報の収集は行いません。また、個人が特定されるような情報も一切公表しません。個人情報の安全保護においても厳重に管理され実施されます。 登録される情報は、新しい治療方針の構築に向けて各種の解析を行い、学会や論文等で公表する予定です。ただし、公表される内容は集計、解析後の統計情報であり、個人を特定可能な形で公表されることは一切ありません。

利益相反

本研究では研究代表者、研究事務局、共同研究者ともに開示の必要がある利益相反はありません。

研究に関する問い合わせ、参加拒否について

本研究へのご質問等ございましたら、下記までお問い合わせください。 また、本研究の研究対象に該当する可能性のある患者様あるいはご家族の方で、ご自身やご家族の臨床情報を使用しないで欲しいとのご希望あれば、その旨をご連絡いただけましたら研究に使用することはありません。また、拒否された場合でも、その後の治療などに何らかの不利益を受けることは全くありません。

お問い合わせ先

近畿大学医学部 脳神経外科講座
奥⽥ 武司
〒589-8511 大阪狭山市大野東377-2
Tel:(072)366-0221、Fax:(072)365-6975

一般社団法人日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database:JND)
研究に対するご協力のお願い

近畿大学医学部脳神経外科では、上記課題名の研究に協力いたします。「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」(平成29年5月30日施行)に基づき、匿名化された情報(診療録等)の研究利用について、以下に公開いたします。

この説明文書は、あなたにこの研究の内容を正しく理解していただき、あなたの自由な意思に基づいて、この研究に参加するかどうかを判断していただくためのものです。
この説明文書をお読みになり、担当医師からの説明を聞かれた後、十分に考えてからこの研究に参加するかどうかを決めてください。たとえ参加されなくても、今後の治療に不利益になることはありません。また、不明な点があれば、どんなことでも気軽に質問してください。

1.研究の対象

この事業は、日本脳神経外科学会が主導する多施設共同研究です。この研究では、近畿大学病院脳神経外科に、入院されている患者さん全てを対象とさせていただく予定です。日本全国で年間約30万件の患者さんの登録を予定しております。

2.研究目的・方法

近年、高齢化の進展と医療費の増加に伴い、世界的に医療の質や適切な医療を受けることに対する関心は高まりつつあります。本研究の目的は、一般社団法人日本脳神経外科学会(以下、本学会)会員が所属する、日本全国の脳神経外科施設における手術を含む医療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すことです。データベースは複数の階層からなります。最も基本的なデータベースでは、できるだけ多くの患者さんの簡素な医療情報を収集し、より高層階のデータベースでは、臨床研究、医療機器開発、治験、お薬や医療機器の市販後調査などの個別の目的に応じたデータベースを構築する予定です。
この研究では、手術や検査など、通常の診療で行われる脳神経外科医療の情報を、専用のインターネットを介して、日本脳神経外科学会(以下本学会)事務局に送ります。この研究で使用する情報は、すべて各機関においてオプトアウト(通知又は公開と拒否する機会の提供)により入手し、誰のデータか分からなくした(匿名化といいます)データです。
なお、この研究に必要な臨床情報は、すべて診療録より取り出しますので、改めて患者さんに行っていただくことはありません。

3.研究に用いる情報の種類

  1. ① 施設情報
  2. ② 患者情報
    生年月
    年齢
    性別
    登録の拒否申請
    患者居住地の所在地情報
    発症日
    発症前mRankin scale
  3. ③ 主治医情報
  4. ④ 入院情報
    入院年月日
    入院経路
    予定入院/緊急入院
    救急搬送の有無
  5. ⑤ 退院情報
    退院年月日
    在院日数
    退院先
    退院時mRankin Scale
    退院時Glasgow Outcome Scale (GOS)
  6. ⑥ 診療目的
    診断検査
    教育入院
    内科治療
    手術
    化学療法
    放射線治療
    リハビリテーション
    終末期管理
    その他
  7. ⑦ 診断検査
    CT
    MRI
    脳波
    核医学
    高次脳機能検査
    脊髄造影
    カテーテル血管撮影/読影
    その他
  8. ⑧ 内科治療
    抗血小板療法
    抗凝固療法
    脳保護療法
    抗浮腫療法
    けいれん てんかん 薬物療法
    頭痛 薬物療法
    モニタリング下の神経集中治療
    感染症治療
    その他
  9. ⑨ 化学療法
  10. ⑩ 放射線療法
    定位放射線治療
    定位放射線治療以外
  11. ⑪ 手術
    大分類 (以下、各大分類ごとに、主病名、発症形式、術式を登録)
    脳腫瘍
    脳血管障害
    頭部外傷
    水頭症/奇形
    脊髄/脊椎/末梢神経
    脳症/感染症/炎症性疾患/その他
    主病名
    発症形式/受傷機転(頭部外傷のみ)
    術式
  12. ⑫ 手術情報
    手術日
    手術時年齢
    術式分類
    術者
    指導的助手
    開頭術者
    助手
    見学
    麻酔法
    手術回数

4.外部への情報の提供

収集したデータは、匿名化した上で、統計的処理を行います。国が定めた倫理指針(「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」)に則って、個人情報を厳重に保護し、研究結果の発表に際しても、個人が特定されない形で行います。

情報提供先:山形大学医学部脳神経外科学講座
情報提供方法:クラウド上のサーバーに登録用ウェブサイトを通じ直接入力(ログインに際し、パスワードのセキュリティーあり)

5.研究組織

「研究代表者」 山形大学先進がん医学講座 嘉山 孝正
「共同研究機関」 近畿大学医学部 脳神経外科講座 髙橋 淳
「他の共同研究機関」本邦の脳神経外科を標榜し、脳神経外科診療を行っている機関
日本脳神経外科学会研修プログラム参加施設
日本脳神経外科学会地域別専門医リスト

6.お問い合わせ先

この研究へのご協力は、患者さんご自身の自由意思に基づくものです。この研究への情報提供を希望されないことをお申し出いただいた場合、その患者さんの情報は利用しないようにいたします。ただし、お申し出いただいた時に、すでに研究結果が論文などで公表されていた場合には、完全に廃棄できないことがあります。情報の利用を希望されない場合、あるいは不明な点やご心配なことがございましたら、ご遠慮なく下記連絡先まで、電話又はFAXにてご連絡ください。この研究への情報提供を希望されない場合でも、診療上何ら支障はなく、不利益を被ることはありません。
また、患者さんや代理人の方のご希望により、この研究に参加してくださった方々の個人情報および知的財産の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことや文書でお渡しすることができます。希望される方は、以下まで電話又はFAXにてご連絡ください。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先
近畿大学医学部 脳神経外科講座
医学部講師 辻 潔
〒589-8511 大阪狭山市大野東377-2
Tel:(072)366-0221、Fax:(072)365-6975

研究代表者:近畿大学医学部 脳神経外科講座 髙橋 淳

7.本院で脳神経外科治療を受けた患者さんへのお願い

本院で脳神経外科治療を受けた患者さんへのお願いポスター

脳卒中の医療体制の整備のための研究
J-ASPECT study (Nationwide survey of Acute Stroke care capacity for Proper dEsignation of Comprehensive stroke cenTer in Japan)

1.臨床研究について

近畿大学病院(以下、当院)では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、当院脳卒中センターでは、現在脳卒中の患者さんを対象として、脳卒中の医療体制の整備に関する「臨床研究」を行っています。
今回の研究の実施にあたっては、近畿大学医学部倫理委員会の審査を経て、医学部長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、令和2年3月31日までです。

2.研究の目的や意義について

超高齢化社会の本邦において、後遺障害による寝たきりの原因となる脳卒中の救急治療は大きな課題となっています。高齢者医療費の最大の原因である脳卒中の患者数は今後も更に増加し、2020 年には 300万人に達すると予想されています。緊急性の高い脳卒中治療については、医療機関の集約化、広域化と連携強化が重要となりますが、地域特性に応じた整備の為には、全国的な規模での地域毎の実態を調査することが必要です。本研究では本邦の脳卒中施設の施設情報と、診療の質的評価・治療成績・予後との関連 を調査し、その適正な配置について提言を行うことが目的です。

3.研究の対象者について

全国の脳卒中を診療している施設において、脳卒中に関連する疾患で治療した患者さんを対象としています。この中には当院も含まれています。患者さんの情報は、DPCデータ、レセプトデータを提供していただきます。DPC やレセプトとは、日本における医療費の支払いに使用される評価方法であり、本研究は個人のカルテや画像データを利用するものではありません。期間は平成27年4月1日から令和2年3月31日までで、全国で年間約50万のデータが集まることが予想されます。当院では年間約500のデータ登録を目標としています。対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。

4.研究の方法について

この研究を行う際は、カルテより下記の情報を取得します。研究組織で策定した臨床指標を用いて、測定結果と取得した情報の関係性を分析し、脳卒中のアウトカム(死亡率など)に対する影響を明らかにします。
全国の脳卒中施設の入院、外来レセプトデータ、もしくはDPCデータの中から、脳卒中に関わった患者さんを選びます。そして、患者さんの疾患名、治療内容、治療成績や予後などについての情報を得ます。そしてそれらの情報と、施設の情報(ベッド数、医師数、施設の場所など)の関連性を調べます。この研究を行うことで患者さんに日常診療以外の余分な負担が生じることはありません。

取得する情報
  1. ① 
    DPC ファイル上、主傷病名、入院の契機となった傷病名、もしくはレセプト電算ファイル上の傷病名に脳卒中の診療に関連する病名の少なくとも一つを含みます。
    1. 脳梗塞 (ア) I63.0 脳実質外動脈の血栓症による脳梗塞 (イ) I63.1 脳実質外動脈の塞栓症による脳梗塞 (ウ) I63.2 脳実質外動脈の詳細不明の閉塞又は狭窄による脳梗塞 (エ) I63.3 脳動脈の血栓症による脳梗塞 (オ) I63.4 脳動脈の塞栓症による脳梗塞 (カ) I63.5 脳動脈の詳細不明の閉塞又は狭窄による脳梗塞 (キ) I63.6 脳静脈血栓症による脳梗塞、非化膿性 (ク) I63.8 その他の脳梗塞 (ケ) I63.9 脳梗塞、詳細不明
    2. 非外傷性脳内血腫 (ア) I62.0 硬膜下出血(急性)(非外傷性) (イ) I62.1 非外傷性硬膜外出血 (ウ) I62.9 頭蓋内出血(非外傷性)、詳細不明 (エ) I61.0-61.9(脳内出血)
    3. クモ膜下出血 (ア) I60.0 頚動脈サイフォン及び頚動脈分岐部からのくも膜下出血 (イ) I60.1 中大脳動脈からのくも膜下出血 (ウ) I60.2 前交通動脈からのくも膜下出血 (エ) I60.3 後交通動脈からのくも膜下出血 (オ) I60.4 脳底動脈からのくも膜下出血 (カ) I60.5 椎骨動脈からのくも膜下出血 (キ) I60.6 その他の頭蓋内動脈からのくも膜下出血 (ク) I60.7 頭蓋内動脈からのくも膜下出血、詳細不明 (ケ) I60.8 その他のくも膜下出血 (コ) I60.9 くも膜下出血、詳細不明
    4. 一過性脳虚血発作 G45 (ア) G45.0 椎骨脳底動脈症候群 (イ) G45.1 頚動脈症候群(半球性) (ウ) G45.2 多発性及び両側性脳(実質)外動脈症候群 (エ) G45.3 一過性黒内障 (オ) G45.4 一過性全健忘 (カ) G45.8 その他の一過性脳虚血発作及び関連症候群 (キ) G45.9 一過性脳虚血発作、詳細不明
    5. もやもや病 I675 6. 未破裂脳動脈瘤 (ア) I671 脳動脈瘤、非(未)破裂性 (イ) Q282 脳血管の動静脈奇形 (ウ) Q283 脳血管のその他の奇形
  2. ② ここでは、脳卒中に関連した診療行為を、例として示す。
    t-PA 静注療法
    減圧開頭術
    経皮的脳血管形成術
    経皮的選択的脳血栓・塞栓溶解術
    動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈)
    経皮的頸動脈ステント留置術
    頭蓋内動脈吻合術
    脳新生血管造成術
    頭蓋内血腫摘出術 (脳内、硬膜内)
    定位的脳内血腫除去術
    脳動脈瘤流入血管クリッピング
    脳動脈瘤頚部クリッピング
    脳血管内手術
    穿頭脳室ドレナージ
    穿頭術(トレパナチオン)
    脳血管塞栓摘出術
    脳血管血栓摘出術
    脳動静脈奇形摘出術
    脳動脈瘤被包術
    脳新生血管造成術
    頭蓋内血腫除去術(開頭)
    四肢の血管拡張術・血栓除去術

5.個人情報の取扱いについて

対象者の情報をこの研究に使用する際、レセプトデータの場合は、氏名、被保険者番号等個人を特定できる情報は匿名化した上で、研究事務局へ提出されます。また、DPCデータの場合は、DPC調査のデータ上で個人を特定するための識別番号(カルテ番号等とは別 の調査用の番号です)が用いることとし、個人の氏名や被保険者番号、カルテ番号など、対象者と個人を結びつけられる情報は研究事務局へ提出されるデータには含まれておりません。レセプトの匿名化前の情報や DPCデータの識別番号と対象者の個人情報を紐づけられるのは、対象者が受診した医療機関においてのみであり、研究者側では個人を特定しません。また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、対象者が特定て?きるような情報を使用することはありません。この研究によって協力施設から収集した情報は、九州大学大学院医学研究院脳神経外科・教授・飯原弘二の責任の下、厳重な管理を行います。

6.情報の保管等について

〔情報について〕 この研究において得られた対象者のレセプト情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院医学研究院脳神経外科において同分野教授・飯原弘二の責任の下、10年間保存した後、廃棄します。ただし、この研究で得られた対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究に とっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理委員会において審査し、承認された後に行います。

7.研究に関する情報や個人情報の開示について

この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。また、ご本人からの開示の求めに応じて、保有する個人情報のうちその本人に関するも のについて開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

8.研究の実施体制について

この研究は以下の体制で実施します。
研究実施場所九州大学大学院医学研究院脳神経外科

(分野名等)
研究責任者 九州大学大学院医学研究院脳神経外科 教授 飯原 弘二
研究分担者
九州大学大学院医学研究院病態機能内科学 教授 北園 孝成
九州大学大学院医学研究院医療経営・管理学 教授 萩原 明人
九州大学大学院医学研究院医療経営・管理学 助教 小野塚 大介
九州大学病院脳神経外科 助教 有村 公一
九州大学病院脳神経外科 助教 西村 中

9.当院における相談窓口について

研究に関してご質問や相談等ある場合は、下記担当者までご連絡ください。
事務局 担当者:近畿大学病院脳卒中センター 大槻 俊輔
(相談窓口) 連絡先:Tel(072)366-0221 (交換経由内線5554)
メールアドレス:aatoshi@med.kindai.ac.jp

硬膜動静脈瘻に対するOnyx液体塞栓システムを用いた経動脈塞栓術に関する多施設共同登録研究

研究の目的

硬膜動静脈瘻の患者さんを対象に、通常の診療で得られたデータを収集・解析することにより、Onyxを用いた経動脈塞栓術の効果および安全性を評価し、より良い治療法を確立することを目的としています。

対象となる患者さん

2018年9月1日から2021年5月31日の間、当科を受診され、Onyx液体塞栓システムを用いた経動脈塞栓術を受けられた患者さん。

研究期間

近畿大学医学部倫理委員会承認日から2021年9月30日

使用させていただく診療データ

個人情報の取り扱いと倫理的事項

研究データは、電子メールやインターネットを通じて、又は郵送やFAX等により共同で研究を実施している他の施設へ提供することもありますが、患者さんを直接特定できる情報(お名前やカルテ番号など)を削除し匿名化しますので、当院のスタッフ以外が当院の患者さんを特定することはできません。 この研究成果は学会や学術雑誌などで発表することがありますが、その場合でも上記のとおり匿名化していますので、患者さんのプライバシーは守られます。 なお、この研究は、国の定めた指針に従い、近畿大学医学部倫理委員会の審査・承認を得て実施しています。

研究代表機関(情報管理責任者)

NPO法人日本脳神経血管内治療学会
代表者名:坂井 信幸
住所:東京都新宿区信濃町35 信濃町煉瓦館
Tel:(03)5361-7555

研究事務局(本研究全般の窓口)

NPO法人日本脳神経血管内治療学会
代表者名:坂井 信幸
住所:東京都新宿区信濃町35 信濃町煉瓦館
Tel:(03)5361-7555

共同研究機関・研究責任者

広南病院 血管内脳神経外科 松本 康史
筑波大学病院 脳神経外科 松丸 祐司
新潟病院 脳神経外科 長谷川 仁
名古屋大学病院 脳神経外科 泉 孝嗣
富山大学病院 脳神経外科 桑山 直也
岡山大学病院 脳神経外科 杉生 憲志

問い合わせ先(当院の連絡窓口)

近畿大学医学部 脳神経外科講座
研究責任者 布川 知史
〒589-8511 大阪狭山市大野東377-2
Tel:(072)366-0221

脳卒中を含む循環器病対策の評価指標に基づく急性期医療体制の構築に関する研究

1.臨床研究について

近畿大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、近畿大学病院脳神経外科・脳卒中センターでは、現在脳卒中の患者さんを対象として、脳卒中を含む循環器病対策の評価指標の開発に関する「臨床研究」を行っています。
今回の研究の実施にあたっては、近畿大学医学部臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は令和3年3月31日までです。

2.研究の目的や意義について

脳卒中、心筋梗塞、心不全などの循環器病は、日本の死因の25.5%、国民医療費の約20%を占め、健康長寿社会を達成する上で大きな課題となっています。近年、医療の質に関する関心は、世界的に急速に高まりつつあります。例えば米国では、脳卒中を含む循環器疾患の医療の質に関する学術会議が1999年に最初に開催され、以後、脳卒中診療の専門施設の認定へと進んでいます。欧米では、医療の質の測定は、従来の死亡率などの指標とともに評価することが主流となっており、さらに施設の必要設備、スタッフ数、診療を行う最低必要症例数などを定めた指標を検討することも多くなっています。これらの指標は一般に臨床指標・Quality Indicator(QI)と呼ばれています。欧米ではその年次推移も公表されています。一方で、日本では、このような取り組みは、未だ整備されておらず、地域拠点病院の認証もまだ開始されていない現状です。
日本において脳卒中のQIの開発には、大規模データベースの活用が重要です。大規模データベースは、専門施設を対象とした包括的脳卒中疾患登録としては、脳神経外科学会、脳卒中学会の協力支援事業であるJ-ASPECT研究(脳卒中年間約10万例、血管内治療などその他脳外科領域約40万例、合計約50万例)、脳卒中データバンク(約11万件)、Fukuoka Stroke Registry(約1万7千件)が代表的なものであります。
J-ASPECT研究は、DPC情報を基本としているため、比較的広く対象を網羅できていますが、QIによる医療の質の評価はまだ始まったばかりです。参加協力施設には、毎年、自施設の脳卒中患者の入院死亡率などの結果をフィードバックしています。ホームページ上で目標と比較することで自施設を客観的に評価でき、改善に向けていくことができます。
今後、脳卒中における大規模データベースを活用し、脳卒中を含む循環器病の医療の質を包括的に評価するQIを策定し、診療における具体的な目標設定を行うことで、継続的に脳卒中対策の進捗状況をモニターすることが可能となります。
また、脳卒中を含む循環器病は、的確に救急活動が行われ、適切な施設に迅速に搬送され、エビデンスに基づいた治療を受けるという、一連の流れが重要です。現在、都道府県レベルで、より広域の連携を含めた救急体制の見直しが進められていますが、地域特性に応じた整備には、全国的な広い視点での地域の救急搬送の実態を調査し、さらに急性期医療機関での治療の結果まで含めて解析を行うことが必要です。そこで、総務省消防庁から全国救急搬送データ(活動事案毎データ)の提供を依頼し、J-ASPECT研究とデータリンケージを行うことにより、本邦の脳卒中、急性循環器疾患の救急搬送の実態を検証し、予後の改善に向けた原因がどこに存在するかを、継続的に検討するフィードバックを行います。

3.研究の対象者について

J-ASPECT研究に参加する施設に調査期間内(平成25年1月1日~令和2年3月31日)に退院した患者さんのうち、下記の①、②の基準の内少なくとも一つ以上に該当する患者さんを対象とします。全国で年間約10万例のデータが集まることが予想されます。近畿大学病院では年間約365例のデータ登録を目標としています。本研究の研究内容、参加施設名、患者さん向けの資料などにつきましては、研究班ホームページ(J-ASPECT Study)にて随時公開しております。

① DPCファイル上、主傷病名、入院の契機となった傷病名、もしくはレセプト電算ファイル上の傷病名に脳卒中診療に関連する病名の少なくとも一つを含む。
1.脳梗塞
  1. (ア) I63.0 脳実質外動脈の血栓症による脳梗塞
  2. (イ) I63.1 脳実質外動脈の塞栓症による脳梗塞
  3. (ウ) I63.2 脳実質外動脈の詳細不明の閉塞又は狭窄による脳梗塞
  4. (エ) I63.3 脳動脈の血栓症による脳梗塞
  5. (オ) I63.4 脳動脈の塞栓症による脳梗塞
  6. (カ) I63.5 脳動脈の詳細不明の閉塞又は狭窄による脳梗塞
  7. (キ) I63.6 脳静脈血栓症による脳梗塞、非化膿性
  8. (ク) I63.8 その他の脳梗塞
  9. (ケ) I63.9 脳梗塞、詳細不明
2.非外傷性脳内血腫
  1. (ア) I62.0 硬膜下出血(急性)(非外傷性)
  2. (イ) I62.1 非外傷性硬膜外出血
  3. (ウ) I62.9 頭蓋内出血(非外傷性)、詳細不明
  4. (エ) I61.0-61.9(脳内出血)
3.クモ膜下出血
  1. (ア) I60.0 頚動脈サイフォン及び頚動脈分岐部からのくも膜下出血
  2. (イ) I60.1 中大脳動脈からのくも膜下出血
  3. (ウ) I60.2 前交通動脈からのくも膜下出血
  4. (エ) I60.3 後交通動脈からのくも膜下出血
  5. (オ) I60.4 脳底動脈からのくも膜下出血
  6. (カ) I60.5 椎骨動脈からのくも膜下出血
  7. (キ) I60.6 その他の頭蓋内動脈からのくも膜下出血
  8. (ク) I60.7 頭蓋内動脈からのくも膜下出血、詳細不明
  9. (ケ) I60.8 その他のくも膜下出血
  10. (コ) I60.9 くも膜下出血、詳細不明
4.一過性脳虚血発作 G45
  1. (ア) G45.0 椎骨脳底動脈症候群
  2. (イ) G45.1 頚動脈症候群(半球性)
  3. (ウ) G45.2 多発性及び両側性脳(実質)外動脈症候群
  4. (エ) G45.3 一過性黒内障
  5. (オ) G45.4 一過性全健忘
  6. (カ) G45.8 その他の一過性脳虚血発作及び関連症候群
  7. (キ) G45.9 一過性脳虚血発作、詳細不明
5.もやもや病 I675
6.未破裂脳動脈瘤
  1. (ア) I671 脳動脈瘤、非(未)破裂性
  2. (イ) Q282 脳血管の動静脈奇形
  3. (ウ) Q283 脳血管のその他の奇形
② ここでは、脳卒中に関連した診療行為を、例として示す。

除外基準:他疾患で入院中に上記の疾患を発症したもの。
中止基準:研究への参加を希望しない旨の申し出があった場合〔J-ASPECT研究〕
許可番号:28-335
課題名:脳卒中の医療体制の整備のための研究
J-ASPECT study(Nationwide survey of Acute Stroke care capacity for Proper dEsignation of Comprehensive stroke cenTer in Japan)
対応表を作成する場合 研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、入院された施設の本研究担当者までご連絡ください。
参加を希望されない方のデータは研究事務局に送付されません。

4.研究の方法について

この研究を行う際は、カルテより下記の情報を取得します。研究組織で策定した臨床指標を用いて、測定結果と取得した情報の関係性を分析し、脳卒中のアウトカム(死亡率など)に対する影響を明らかにします。J-ASPECT STUDY研究の大規模データベースと活動事案データという匿名化された2つのデータ同士の連結を行い、同様に脳卒中のアウトカムに対する影響を明らかにします。以下に、アウトカム指標とプロセス指標の例を示します。

4.1.アウトカム指標
4.2.プロセス指標

4.2.1.脳卒中・診療の質指標(QI)

4.2.2.包括的脳卒中センターに関する脳卒中・診療の質指標(QI)

4.3.1全国救急搬送データ(活動事案毎データ)の項目(今後の解析の進行によって、必要であれば追加していく。)

4.3.2 全国救急搬送データとのデータリンケージのプロセス指標 <全疾患共通> 

診療情報に関するデータを扱う団体((株)健康保険医療情報総合研究所(PRRISM))へ対象者のレセプト情報等のデータ情報を郵送にて送付し、詳しい解析を行う予定です。
他機関への情報の送付を希望されない場合は、送付を停止いたしますので、ご連絡ください。

5.個人情報の取扱いについて

対応表を作成する場合
研究対象者のカルテの情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表は、研究参加施設のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。この対応表は、研究事務局には提供されません。
また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
この研究によって取得した情報は、九州大学大学院医学研究院脳神経外科学分野 教授 飯原 弘二の責任の下、厳重な管理を行います。

特定の個人を識別することができないようにする場合
研究対象者のカルテの情報をこの研究に使用する際には、研究対象者が特定できる情報を完全に削除して取り扱います。この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
この研究によって取得した情報は、近畿大学病院脳卒中センター 教授 大槻 俊輔の責任の下、厳重な管理を行います。

他施設に試料・情報を送付する場合
研究対象者のカルテの情報を、健康保険医療情報総合研究所(PRRISM)へ郵送する際には、九州大学にて上記の処理をした後に行いますので、研究対象者を特定できる情報が外部に送られることはありません。

6.試料や情報の保管等について

〔情報について〕
この研究において得られた対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、近畿大学病院において脳卒中センター教授 大槻 俊輔の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。
また、この研究で得られた研究対象者の試料や情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

7.研究に関する情報や個人情報の開示について

この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、研究ポスターまたは研究班ホームページ(J-ASPECT Study)に患者さん向け文書として、掲載しておりますので、をご参照ください。

対応表を作成する場合
また、ご本人等からの求めに応じて、研究事務局に提出するご本人に関する提出データを開示します。情報の開示を希望される方は、入院された施設の本研究担当者までご連絡ください。

8.研究の実施体制について

この研究は以下の体制で実施します。

研究実施場所(分野名等)
九州大学大学院医学研究院脳神経外科分野
九州大学病院脳神経外科

研究責任者
九州大学大学院医学研究院脳神経外科分野 教授 飯原 弘二

研究分担者
九州大学大学院医学研究院病態機能内科学 教授 北園 孝成
九州大学メディカルインフォメーションセンター 教授 中島 直樹
九州大学病院脳神経外科 助教 有村 公一
九州大学病院脳神経外科 助教 西村 中
九州大学大学院医学系学府脳神経外科 学術研究員 黒木 愛
九州大学大学院医学系学府脳神経外科 大学院生 連 乃駿

共同研究施設 及び 試料・情報の 提供のみ行う 施設 施設名 / 研究責任者の職名・氏名 役割

研究顧問

  1. 日本脳神経外科学会 理事長 嘉山 孝正
  2. 地方独立行政法人神戸市民病院機構 理事長 橋本 信夫

分担研究者

  1. 岩手医科大学脳神経外科 教授 小笠原 邦昭
  2. 岩手医科大学 理事長 小川彰
  3. 国立循環器病研究センター 理事長 小川 久雄
  4. 奈良県立医科大学救急医学 教授 奥地 一夫
  5. 国立病院機構名古屋医療センター生物統計研究室長 嘉田 晃子
  6. 神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科・脳卒中センター 部長 坂井 信幸
  7. 帝京大学救急医学 教授 坂本 哲也
  8. 杏林大学脳神経外科 教授 塩川 芳昭
  9. 鹿児島大学リバビリテーション医学 教授 下堂薗 恵
  10. 山口大学脳神経外科 教授 鈴木 倫保
  11. 長崎大学病院脳神経内科 教授 辻 野彰
  12. 東北大学医学系研究科脳神経外科 教授 冨永 悌二
  13. 国立循環器病研究センター 脳血管部門長 豊田 一則
  14. 国立循環器病研究センター循環器病統合情報センター予防医学・疫学情報部 部長 西村 邦宏
  15. 国立循環器病研究センター循環器病統合情報センター疫学推進室 室長 小野塚 大介
  16. 国立循環器病研究センター循環器病統合情報センター予防医学・疫学情報部EBM・リスク情報解析室 室長 竹上 未紗
  17. 熊本市民病院神経内科 首席診療部長 橋本 洋一郎
  18. 聖マリアンナ医科大学神経内科 教授 長谷川 泰弘
  19. 国立がん研究センターがん対策情報センターがん登録センター センター長 東 尚弘
  20. 東京都済生会中央病院神経内科 部長 星野 晴彦
  21. 国立循環器病研究センター 名誉院長 峰松 一夫
  22. 愛知医科大学医学部脳血管内治療センター教授 宮地 茂
  23. 国立循環器病研究センター心臓血管内科部門 部門長 安田 聡
  24. 兵庫医科大学脳神経外科 主任教授 吉村 紳一

エキスパートパネル

  1. 広南病院脳血管内科 部長 板橋 亮
  2. 大阪市立大学神経内科 教授 伊藤 義彰
  3. 岐阜大学脳神経外科 教授 岩間 亨
  4. 川崎医科大学脳神経外科 教授 宇野 昌明
  5. 中村記念病院 副院長 大里 俊明
  6. 脳神経センター大田記念病院 院長 郡山 達男
  7. 岩手医科大学先端MRI研究所 教授 佐々木 真理
  8. 秋田大学脳神経外科 教授 清水 宏明
  9. 獨協医科大学神経内科 准教授 竹川 英宏
  10. 桜十字病院脳神経外科 院長補佐 西 徹
  11. 徳島大学放射線科 教授 原田 雅史
  12. 杏林大学脳卒中医学 教授 平野 照之
  13. 筑波大学脳卒中予防・治療学 教授 松丸 祐司
  14. 川崎医科大学脳卒中科 教授 八木田 佳樹

研究協力者

  1. 独立行政法人労働者健康安全機構 理事長 有賀 徹
  2. 国際医療福祉大学赤坂心理・医療福祉マネジメント学部 教授 石川 ベンジャミン光一
  3. 中村記念病院脳神経外科 部長 上山 憲司
  4. 地方独立行政法人さんむ医療センター 小野 純一
  5. 金沢大学精神保健看護学 教授 北岡 和代
  6. 秋田県立病院機構 理事長 鈴木 明文
  7. 国立循環器病研究センター脳神経外科客員部長兼医療法人社団新生会 大阪なんばクリニック 院長 中川原 譲二
  8. 秋田県立脳血管研究センター脳卒中診療部 センター長 中瀬 泰然
  9. 国立循環器病研究センター循環器病統合情報センター データ統合室長 中村 文明
  10. 滋賀医科大学脳神経外科 教授 野崎 和彦
  11. 厚生労働省健康局 新型インフルエンザ対策室 室長 長谷川 学
  12. 京都大学大学院医学研究科医療疫学分野 教授 福原 俊一
  13. 産業医科大学公衆衛生学 教授 松田 晋哉
  14. 小倉記念病院 院長 永田 泉
  15. 京都大学脳神経外科 教授 宮本 享
  16. 国立循環器病研究センター予防医学・疫学情報部 部長 宮本 恵宏

データ解析

  1. 国立循環器病研究センター循環器病統合情報センター予防医学・疫学情報部 部長 西村 邦宏
  2. 国立循環器病研究センター循環器病統合情報センター 疫学推進室 室長 小野塚大介
  3. 国立循環器病研究センター循環器病統合情報センター予防医学・疫学情報部EBM・リスク情報解析室 室長 竹上 未紗
  4. 国立病院機構名古屋医療センター 生物統計研究室長 嘉田 晃子
  5. 国立循環器病研究センター循環器病統合情報センター データ統合室長 中村 文明

日本脳神経外科学会の教育訓練施設、日本脳卒中学会の認定研修教育施設、日本神経学会の教育施設・准教育施設のうち、レセプト情報等のデータ情報提供の同意があった施設(約300施設)としての近畿大学病院 教授 大槻 俊輔
総括 情報 収集 情報 収集 データ 解析 業務委託先 企業名等:(株)健康保険医療情報総合研究所(PRRISM)
所在地:〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-2-1 霞が関コモンゲート西館20F

9.相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。
事務局 担当者:近畿大学病院脳卒中センター 大槻 俊輔
(相談窓口) 連絡先:Tel(072)366-0221 (交換経由内線5554)
メールアドレス:aatoshi@med.kindai.ac.jp

10.本院で脳卒中の治療を受けた患者さんへのお願い

本院で脳卒中の治療を受けた患者さんへのお願いポスター