頭頸部腫瘍
頭頸部癌とは、頭部から頸部までの範囲(眼球、脳実質を除く)に発生する癌のことで全癌腫の中で6番目に多く、組織型として扁平上皮癌のほか唾液腺由来の腺癌などが含まれます。喫煙や過度な飲酒などが発症リスクとなるものが多く、発症を予防するには生活習慣の改善が重要です。上咽頭癌や一部の中咽頭癌では特定のウイルス感染が発癌と関係していることが分かっています。
治療開始時に進行していることが多く、60%以上がstage III以上といわれています。頭頸部領域には、発声や咀嚼、嚥下のほか、味覚、嗅覚、聴覚など、私たちが日常生活を営む上で重要な機能を担う器官が多く含まれます。従って、頭頸部癌を発症するとこれらの障害が出現し、社会生活を送るうえで大きな支障をきたす可能性がありのです。
治療法を選択する上では根治性を追求することはもちろんですが、一方で機能の温存も重要なので、進行癌においては手術、放射線療法、化学療法も組み入れた集学的治療を行います。
それぞれの部位によって次のような症状が現れます。
早期発見された場合は局所の切除で治療可能です。進行癌の場合、広範囲切除とともに欠損した組織を補う再建術を同時に行います。
上咽頭癌は、放射線治療が第一選択となります。中咽頭・下咽頭・喉頭癌では、手術によって機能障害を来すリスクが高く、放射線治療で根治が期待できる場合は放射線治療が優先して行われます。
手術を行った場合でも再発の可能性が高い場合は、術後に再発防止のため放射線治療を行うことがあります。
頭頸部がんでは、機能障害を回避する目的で手術前に抗がん剤治療を行うことがあります。また、抗がん剤治療と放射線治療を併用して行うことも一般的です。そのほか、治療後に再発や転移した場合、生存期間の延長や症状緩和目的で抗がん剤治療を行うことがあります。
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