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がんセンター
がんセンターについて

がんセンター長よりご挨拶

がんセンター長 木村 豊

現在、日本人の2人に1人ががんを患い、3人に1人ががんのために命を失います。ですからがんは非常に身近な病気でまさに国民病とも言えます。国もその重大性を認識し、がん対策の充実を図るため、2006年にがん対策基本法を制定し、「がん診療連携拠点病院」の整備を行い、がん対策に取り組んでいます。2017年から2022年までの6か年で第3期がん対策推進基本計画を策定し、「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指す。」ことを目標に掲げています。当院は、2008年に「がん診療連携拠点病院」の指定を受けており、がん対策推進基本計画の方針に則り、がんセンターを中心に「高度な専門医療」、「多職種によるチーム医療」、「地域のかかりつけ医との連携診療」を3つのキーワードにして、がんの克服のための様々な取り組みを行って、がん患者さんとそのご家族をしっかりとサポートします。

1.高度な専門医療

肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓がん、乳がん、子宮がん、白血病(血液のがん)など体のあらゆるところにがんはできます。がんの広がりや転移の有無などによって進行の度合い(ステージ)も様々です。治療法には、内視鏡治療、手術、薬物療法(抗がん剤治療・薬物療法)、放射線治療などがあり、それらを組み合わせた集学的治療を行うこともあります。そういったがんを正しく診断して適切に治療するためには高度な専門性が必要となります。当院では、それぞれのがんの専門医や外科医、腫瘍内科医、放射線治療医、病理診断医などがんに関わる医師が一堂に会するキャンサーボードを毎週定期的に開いて、診断や治療法について議論を行い、最善の高度専門医療を提供できるように努めています。

2.多職種によるチーム医療

国民の2人に1人ががんを患う国民病だといっても、ご本人やご家族の方ががんと診断されたら、がんの進行の程度に関わらず、つらい思いになるのは当然です。当院では、がんと診断された時点から患者さんとそのご家族を、医師だけでなく看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、医療ソーシャルワーカー、事務職員などチームで支援する体制を整えています。がんの治療を安全に、安心して受けていただくためには患者さん・ご家族を中心とした多職種によるチーム医療が非常に大切です。当院では、がん診療においてチーム医療を実践して、初診から退院後までがん患者さんやご家族の精神的あるいは社会的なサポートを継続して提供できる体制を整えていますので、安心してお任せください。また、がんについて疑問点、質問、ご希望、悩み事などがあれば、がん相談支援センターにいつでもご相談ください。

3.地域のかかりつけ医との連携診療

高齢化社会の進展とともに高齢のがん患者さんも増加し、多くの患者さんは糖尿病、心疾患、呼吸器疾患など慢性疾患を患って地域の医療機関を通院されています。そういった患者さんの治療においては、治療前から地域のかかりつけの先生と連絡を取り合いながら、がんの専門的な治療をすることになります。術後には、かかりつけの慢性疾患の主治医の先生、がんの治療の主治医とあたかも二人の主治医がいるように密に連携しながら診療してまいります。がんの治療だけでなく治療中の内科的なご病気の継続も大切ですので、地域のかかりつけの先生とスクラムを組みながら、がんの克服に貢献していきます。