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Johns Hopkins University留学体験記

SEASON 12
米国のgrantに応募してみた

日本にいた時にも、科研費をはじめいくつかの研究助成金に応募し、採択された経験もあるのですが、先日初めて米国のgrantに応募しました。申請に要求される内容の大筋の流れは日本のものと大差ないのですが、なにせ英語で書くのは初めての経験で、ボスに原型をとどめないほど文章を修正されました。研究の魅力と実現可能性を限られたスペースでまとめるには、内容もさることながら英語の表現力もかなり大事で(当たり前ですが)、論文を書くのとはまた違った難しい作業で、良い経験になりました(が、独力で書ける気は全くしない)。

米国では、自分で研究費を取ってきて、その一部を自分の給料にする、あるいはその資金でラボのメンバーを雇う、というのが当たり前の文化なので、研究資金獲得はとてもシビアな競争です。ボスもラボ運営のためにひたすらgrant申請の書類作成をしつづけており、「ここではgrantが取れないとラボとポストを失うんだ」と言っていました。まさに命懸けです。一方で、grantの額は日本と比べ物にならないぐらい大きく、一見小さな募集に見えるgrantでも、単年で日本の科研費の基盤Cや若手研究の総額を越えていることはザラですし、大きいものですと総額で日本円にして数千万〜億単位となってくるようです。また公的なもののみならず、財団や寄付からのgrantも多数存在しており、研究にお金をかけることの社会的意義がこの国でいかに重視されているのかがよくわかります。

さすがに日本人ポスドクが応募できるgrantは少ないのですが、今回のものが採択されることを祈りつつ、チャンスがあれば是非チャレンジしていきたいと思っています。

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