研修希望者へ

Johns Hopkins University留学体験記

SEASON 23
AACR2023 in Orlando

フロリダ・オーランドで開かれたAACR(米国癌学会)に参加してきました。AACRに現地参加するのは今回が初めてで楽しみにしていましたが、予想に違わず世界中から一流のがん研究者が集い、熱気にあふれた巨大な規模の学会でした。
こちらの学会はとにかくディスカッションが活発で、私も気になる研究の演者に質問をしにいったり、また自分の発表では多くの人に研究内容を説明したり、質問を受けました。興味深いと言ってもらえたり、うまくいかないところにアドバイスをもらったりと大変有意義でした。やはりweb参加より、対面の方が圧倒的にいいです。英語も、拙いながらなんとか行けたと思います。また、海外の研究者と話をすることへの抵抗感が極端に減っており、楽しいと感じられたのは、自分なりの成長だと思いました。



また、嬉しいことに、何人かの旧知の先生がアメリカの留学先や遠く日本から参加・発表しに来られていて、久々に会って色々とつもる話をすることができました。以前近大に所属していた高松先生もこの4月からテキサス大MDアンダーソンがんセンターに留学しており、現地で会うことができました。
今回の学会で感じた懸念は、日本の国際競争力の低下です。アメリカや中国をはじめ、世界は研究に多額の資金を投入し、大学や研究施設と企業がコラボしながらどんどん新しいものが生み出されていますが、日本は完全に置いて行かれてしまっているような・・・。婦人科がん領域に関しても、日本の婦人科腫瘍医のマンパワー不足や研究に携わる人の減少などもあると思いますが、私の知る限り日本人産婦人科医のポスター発表はわずか6演題のみで、寂しい気がします。さらに日本から見ると参加費や交通・滞在費も高い(アメリカ的には普通)のでハードルが高く、経済面での差も大きくなってきているかもしれません。世界中の研究者と話をし、最先端の研究内容に触れることは間違いなく刺激になりますし、日本からもぜひ参加者が増えればいいなと思った次第です。

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