特色・特徴

A.肝疾患

1. 肝癌におけるラジオ波焼灼療法を1999年より全国に先駆けて取り入れ、実績を上げている。症例数は3,000例以上と全国で2位の症例数。様々な画像技術を治療に応用することで、局所再発も10%未満と良好な局所コントロールを得ている。

2. 比較的大きな(直径おおよそ4〜5cm未満)肝細胞癌については、経カテーテル的肝動脈化学塞栓術を先行して行い、その翌週にラジオ波焼灼療法を組み合わせることで治療の相乗効果が得られ、局所制御に良好な成績を挙げている。

3. 多発肝細胞癌の標準治療は経カテーテル的肝動脈化学塞栓術であるが、当院では様々なカテーテルを用いてより腫瘍に近い動脈を選択するよう取り組んでおり、良好な治療成績を挙げている。

4. 巨大肝細胞癌に対しては永久塞栓物質を用いた経カテーテル的肝動脈化学塞栓術を行っており局所制御に成果を挙げている。また、腫瘍栓を伴う進行肝細胞癌について肝動注化学療法を行い、予後を改善している。

5. 進行肝細胞癌に対する分子標的治療薬の臨床実績も全国有数であり、また副作用のマネージメントも習熟している。さらに新規の分子標的治療薬の開発治験(※)に数多く携わっている。

6. 経カテーテル的肝動脈化学塞栓術や分子標的治療薬が不応となったが、肝内の局所範囲に留まる肝細胞癌について肝機能が良好であればラジオ波焼灼療法も選択している。

7. 転移性肝癌について、肝機能が良好であれば「3cm以上」「3個以上」の条件についてもラジオ波焼灼療法を行っている。

8. 肝腫瘍の診断について、放射線科とも連携しながら造影CT・造影MRI・造影US・腫瘍生検を行い鑑別診断に取り組んでいる。特に造影USは精度が高いために小肝癌の診断で高く評価されている。

9. C型・B型慢性肝炎について積極的に抗ウィルス治療を行っており、良好な治療成績を挙げており、発癌抑制に寄与している。

10. 肝硬変の非侵襲的診断にエラストグラフィーを積極的に取り入れている。

11. 薬物治療でコントロールできなくなった難治性腹水治療として腹腔-上大静脈シャント形成術を行っている。

12. 自覚症状をきたす多発性肝嚢胞はEO注入療法によって良好な治療成績を挙げている。

 

B.胆・膵疾患

1. 全国にでも限られた施設でしか行われていない高性能の超音波内視鏡下生検装置を用いて、胆・膵疾患の診断ならびに治療に応用している。精度の高い診断能には定評がある。

2. 肝胆膵外科との協力にて膵癌も積極的に早期診断・切除を行っている。

3. 進行膵癌に対しても、積極的に副作用の少ない抗癌剤治療の工夫を行い、長期生存を達成している。

 

C.上部消化管

1. 食道静脈瘤に対する特殊治療

2. 早期胃癌に対するITナイフ粘膜切除を導入し、非手術的に治療。症例数は300例を超えている。

 

D.下部消化管

1. 難病であるクローン病や潰瘍性大腸炎に対する顆粒球除去療法は全国的にみても実施している施設は限られている。当科では積極的に行っており、実績を上げている。

2. 大腸内視鏡検査は昭和大学医学部横浜市北部病院 消化器センター 工藤進英教授(大腸内視鏡で世界的に有名)の指導を受け最先端医療を展開