研究オプトアウト情報

2020年07月29日 掲載

原発不明がんTCGAプロジェクト

研究課題

原発不明がんプロジェクト

研究の背景

近年、多くの悪性腫瘍においてその治療が目覚ましい進歩を遂げました。この治療の進歩にはTCGAデータのような研究成果が大きく貢献してきました。このTCGAデータとは、患者様の臨床データ・腫瘍組織などの臨床検体から得られたDNA・RNAデータを発表したものであり、世界中の研究者が将来の研究の参考に出来るようなものです。しかしながら、原発不明がんの研究は他のがんに大きく遅れをとっており、TCGAデータが未だ存在しません。この研究では、当院で診療をうけた原発不明がん患者様の過去の診療録から得られた診療情報ならびに過去の診療において既に採取済みの腫瘍組織を解析し、腫瘍組織のDNAやRNAの特徴と臨床的特徴や予後の関連性を調べることで、原発不明がんのTCGAデータを構築することを目的としています。この成果により、原発不明がんの治療にとって有用な新しい知見が得られるのではないかと考えています。

研究の概要

対象: 原発不明がんと診断され、当院にて診療を受けた患者様、かつ、本研究のための資料(過去の通常診療で得られ診療録内に記録された臨床情報・診療情報)ならびに検体(過去の通常診療で得られた腫瘍組織)の提供が可能である方を対象とします。
また、過去の当科の研究で採取・保管した血液検体を将来の研究に二次利用することにあらかじめ同意を頂いていた方も対象とします。


施設: 近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門でデータと検体の収集を行い、 海外の研究機関(Josep Carreras Leukaemia Research Institute(スペイン)、 National Cancer Institute(米国)、Nationwide Children’s Hospital(米国)) にて測定・解析します。


目的: この研究の目的は、原発不明がんのTCGAデータを構築して発表することです。この研究成果により、あなたと同様に原発不明がんと診断された方の治療をより適切に行うための足がかりとなることが期待されます。


方法: この研究では、あなたの診療録に記載されている診療情報ならびに臨床検体の 提供をお願いしています。診療録に記載されている情報の収集ならびに通常診療で 行う手術・生検・胸水穿刺・腹水穿刺の際に生じた余剰検体を使用させて頂きます。
また、過去の当科の研究で採取・保管した血液検体を将来の研究に二次利用することにあらかじめ同意を頂いていた場合には、その保存検体を使用させて頂きます。

解析資料および試料

本研究では、過去の通常診療で得られた臨床情報・診療情報(性別・年齢・生年月・病理所見・臨床的分類・病変の部位・喫煙歴・既往歴・家族歴・身体所見・遺伝子異常の有無とその内容・血液検査項目・治療内容・治療効果・治療経過)を診療録より入手・収集し、各項目の関連性を統計学的手法により解析します。また、過去の通常診療で得られた腫瘍組織の残余検体を用いたDNA・RNAの測定を行い、上記の情報との関連性を検討します。過去の当科の研究で採取・保管した血液検体を将来の研究に二次利用することにあらかじめ同意を頂いていた場合にはその血液検体を利用させて頂きます。過去の通常診療または過去の研究で採取された組織検体を利用させて頂くため、本試験に伴って新たに生じる身体への危険はありません。ただし、過去に採取したがん組織が小さい場合、本研究での使用によって残存検体の消耗や稀に滅失の可能性があり、その後の追加検査に支障が生じたり追加検査が出来なくなったりすることが稀にあります(そのようなことが無いように細心の注意を払います)。本研究では、あなたやあなたの血縁者の方に関する遺伝的背景を予測可能とする解析を含む可能性があります。この研究での遺伝子解析に関する不安に対して相談したい方は、まず腫瘍内科担当医師が担当いたしますが、さらに詳細な説明をご希望される場合、担当医から近畿大学病院遺伝子診療部のカウンセリングを担当する専門のスタッフをご紹介いたしますので、腫瘍内科担当医師にその旨をお伝えください。また、解析結果に関しては原則あなたにお知らせしませんが、どうしても知りたい場合は、その意思を尊重致します。詳しくは腫瘍内科担当医師に御相談下さい。
この掲示をご覧頂き、「ご自身の臨床情報・診療情報に関するデータならびに腫瘍組織の利用を希望しない」とのお申し出がない場合には、ご同意頂いたものとして、検討させて頂きたいと存じます。もし、データ及び腫瘍組織の利用をご希望されない場合には、下記連絡先までご連絡くださいますようお願い申し上げます。なお、今回の研究課題につきましては、すでに当施設の倫理委員会にて承認されております。

個人情報保護に関する配慮

個人情報の取り扱いにつきましては、本研究に関係する全ての研究者は、個人情報保護法に基づいて、研究対象者の個人情報を厳重に管理します。本研究は原発不明がんと診断された患者様の診療録に基づいた臨床情報・診療情報を用いて行います。個人情報に関しては、本研究のみに使用します。個人識別情報管理者を置き、対象患者様に対して独自のIDをつけ、個人情報は全て匿名化されますので、いかなる個人情報も院外に出ることはありません。ご自身の診療情報が利用されているかも知れないと思われる個々の研究について詳細を知りたい時は、いつでも情報を提供致します。患者様の個人情報の管理は十分慎重に行い、漏洩することがないように致します。

ご質問や研究に対する拒否の自由

その他に本研究に関してお聞きになりたいことがありましたら、遠慮なくいつでも担当医または下記のお問い合わせ先まで御相談下さい。患者様からのご希望があれば、その方の臨床データは研究に利用しないように致します。そのご要望を頂いたとしても、患者様の不利益となることはありません。

研究責任者及びお問い合わせ先

原谷 浩司 近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門
〒589-8511 大阪府大阪狭山市大野東377-2
TEL:072-366-0221(Ex.3542) / FAX:072-367-5000

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