研究オプトアウト情報

2021年03月15日 掲載

【30-187】「固形悪性腫瘍における腫瘍微小免疫環境の解析を目的とした臨床検体の凍結保存バンキング」における血液検体を【31-071】「自己免疫疾患における抗原の同定」に使用することについて

1.対象となる方

【30-187】「固形悪性腫瘍における腫瘍微小免疫環境の解析を目的とした臨床検体の凍結保存バンキング」に参加していただいた方のうち、免疫チェックポイント阻害剤によって自己免疫疾患のような免疫関連有害事象(irAE)を発症された方

 

2. 研究実施機関

近畿大学医学部腫瘍内科
京都大学医学部医学研究科 消化器内科

3. 本研究の意義、目的、方法

免疫チェックポイント阻害剤によって生じる有害事象のうち、免疫の機序を介して生じるものを特に免疫関連有害事象(irAE)と呼んでいます。この免疫関連有害事象(irAE)はこれまでに自己免疫疾患として知られている病態と非常に類似することが多く、事実それらに対する治療法も自己免疫疾患に倣って行われており、しかもそれによって症状の回復を図ることが可能となっています。
今回我々は【30-187】「固形悪性腫瘍における腫瘍微小免疫環境の解析を目的とした臨床検体の凍結保存バンキング」に参加していただいた患者さんのうち、免疫チェックポイント阻害剤によって自己免疫疾患のような免疫関連有害事象(irAE)を発症された患者さんの検体については、【31-071】「自己免疫疾患における抗原の同定」という研究で、さらに詳しく調べさせていただきたいと考えています。

【31-071】「自己免疫疾患における抗原の同定」研究目的の概要
自己免疫疾患とは、本来は細菌ウイルスなどの外来異物に対する防御機構として働く免疫系が、自分の体の成分に対して反応してしまう疾患です。免疫系はある成分を調べて自己(自分の体の成分)か非自己(自分以外の異物)を確認し、異物(抗原)と判断すると抗体をつくり異物を排除します。しかしまれに自分の体の成分に対する抗体(自己抗体)をつくってしまうことがあり、自己抗体により様々な症状が引き起こされます。
自己免疫疾患に対する治療としてはステロイドなどの免疫反応を抑える薬剤が効果的である場合もありますが、多くの副作用が生じる可能性があります。また診断法や有効な治療法が確立されていない疾患もあり、新たな診断法、治療法の開発が期待されています。
新規診断法や治療法の開発には病気が発症するメカニズムの解明が重要です。
そこで今回われわれは、自己免疫疾患が疑われる患者さんを対象に
①患者さんの血液や②病気の診断のために採取され余った病理組織(例えば、診断のために筋肉の生検や皮膚の生検を行い、診断に使用後、後日破棄するような残余組織、もしくは治療のために切除し後日破棄するような残余組織)、カルテの臨床情報(年齢、性別、診断名、病歴、服薬情報、家族歴、既往歴、画像検査、血液検査、診断検査結果、治療後の経過)を用いて発症のメカニズムを探索する研究を行いたいと思います。また、抗原の候補が見つかれば、診療応用に向けて、検査薬や治療薬の開発を行う企業とも連携して、検査キット・治療薬の開発を行いたいと考えています。臨床で使えるようにするため、臨床性能試験(診断薬として承認を得るためのデータを取得する試験)にも血液や臨床情報を使用させていただきます。 また、この研究には自己免疫疾患の方と比較するために、①自己免疫疾患以外のご病気の方や、②自己免疫疾患以外のご病気の方の診断、治療のために採取され余った病理組織(例えば、治療のために手術し、後日破棄するような残余組織)も用います。 この研究に協力していただくことによって、生体試料(血液・組織)、臨床情報を使って、私たちが興味を持っている自己抗体について、
(1)自己抗原(抗体が反応する自分の身体の成分)探索、
(2)多数の自己免疫疾患における自己抗原と病気との関連調査、
(3)自己抗原の自己免疫疾患病態組織における存在・局在の探索、
(4)検査方法の改良や治療薬の開発を行う研究、をします。
【31-071】「自己免疫疾患における抗原の同定」は京都大学医学部医学研究科消化器内科が行なっている研究であり、近畿大学医学部腫瘍内科は免疫関連有害事象(irAE)に関して共同研究を行っています。

 

4.協力をお願いする内容

【30-187】「固形悪性腫瘍における腫瘍微小免疫環境の解析を目的とした臨床検体の凍結保存バンキング」で採取されたあなたの血液検体の一部を研究で使用いたします。また診療に使用された臨床情報を研究のために使用させていただきます。生体資料と臨床情報を解析し、免疫関連有害事象(irAE)に関係する因子を研究いたします。研究のために新たに臨床情報を得ることはありません。また、臨床情報は個人が特定できないように匿名化されるため、個人情報が外部に提供されることはありません。

 

5.本研究の実施期間

【31-071】「自己免疫疾患における抗原の同定」に準じます(2025年3月31日までに近畿大学病院に保存されている臨床データ、血清、病理組織を使用いたします)。期間を延長する場合は、倫理委員会への申請を行い、本ページにてお伝えいたします。

 

6.個人情報保護の仕組み

本研究では【30-187】「固形悪性腫瘍における腫瘍微小免疫環境の解析を目的とした臨床検体の凍結保存バンキング」で得られた情報を用いますが、あなたのことを直接特定できる情報(住所、氏名、電話番号など)は全て削除され、匿名化されます。

 

7. ご質問や研究に対する拒否の自由

その他に本研究に関してお聞きになりたいことがありましたら、遠慮なくいつでも担当医または下記のお問い合わせ先まで御相談下さい。患者様からのご希望があれば、その方の臨床データ及び血液検体は本研究に利用しないようにいたします。そのご要望を頂いたとしても、患者様の不利益となることはありません。

 

8. 問い合わせ先

近畿大学医学部腫瘍内科
川上 尚人
林 秀敏
原谷 浩司
〒589-8511 大阪府大阪狭山市大野東377-2
TEL:072-366-0221(Ex.3542) / FAX:072-360-5000

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