研究オプトアウト情報

2022年08月08日 掲載

(30-162) 固形癌における免疫チェックポイント阻害薬の治療効果における予測因子を検討する後向き観察研究

2018年9月13日 ver 1.0

研究の背景

近年、肺癌などいくつかのがん治療において免疫治療が目覚ましい進歩を遂げました。癌細胞には白血球など免疫からの攻撃を免れる防御能力が備わっており、この防御能力の一つとしてがん細胞にはPD-L1やCTLA-4などの特別なタンパク質が発現しています。近年開発が進んでいる免疫治療(免疫チェックポイント阻害剤)はこれらのタンパク質の機能を阻害することで癌細胞の増殖を抑えることが出来る治療として期待されています。実際に、多数の臨床試験の結果から免疫療法の有効性が証明されており、実臨床において欠かせない治療薬となっています。この研究では、どのような患者様に免疫療法の治療効果があるのかを調べます。今後、固形癌患者様の治療方法を決定する上で有用な新しい知見が得られることが期待できます。

研究の概要

対象:
固形癌と診断され、免疫チェックポイント阻害薬による治療や化学療法を受けている患者様、かつ、本研究のための資料(過去の通常診療で得られ診療録内に記録された臨床情報・診療情報)ならびに検体(過去の通常診療で得られた腫瘍組織)の提供が可能である方を対象とします。
施設:
近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門でデータ収集を行い、近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門、近畿大学医学部病理学教室、近畿大学医学部ゲノム生物学教室にて解析します。また、検体を用いた解析の一部を
株式会社パソロジー研究所、株式会社N Lab(エヌ ラボ)、
株式会社マクロジェン・ジャパンに外部委託します。
目的:
固形癌患者における免疫チェックポイント阻害薬治療効果における予測因子を検討・解析することにより、同患者集団における治療戦略の最適化につながることを期待します。
方法:
過去の通常診療で得られた臨床情報・診療情報・腫瘍検体を入手・収集し、統計学的手法により各項目の関連性を解析します。
その腫瘍組織を用いて免疫関連マーカーの測定や免疫応答に関する遺伝子の発現や変異などを解析し、上記の情報との関連性を検討します。

解析資料および試料

本研究は近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門を代表する多施設共同研究です。本研究では、過去の通常診療で得られた臨床情報・診療情報(性別・年齢・生年月・病理所見・臨床的分類・病変の部位・喫煙歴・既往歴・家族歴・身体所見・遺伝子異常の有無とその内容・血液検査項目・治療内容・治療効果・治療経過)を診療録より入手・収集し、各項目の関連性を統計学的手法により解析します。また、過去の通常診療で得られた腫瘍組織を用いて免疫組織染色・遺伝子発現解析・ゲノム解析・蛋白発現解析・フローサイトメトリーで解析を行い、上記の情報との関連性を検討します。これらの遺伝子変異やタンパク質は、がん免疫に関わるものであり、患者様やそのご家族の遺伝に関係するものではありません。尚、過去に採取したがん組織が小さい場合、本研究での使用によって残存検体の消耗や稀に滅失の可能性があり、その後の追加検査に支障が生じたり追加検査が出来なくなったりすることが稀にあります(そのようなことが無いように細心の注意を払います)。
この掲示をご覧頂き、「ご自身の臨床情報・診療情報に関するデータならびに腫瘍組織の利用を希望しない」とのお申し出がない場合には、ご同意頂いたものとして、検討させて頂きたいと存じます。もし、データ及び腫瘍組織の利用をご希望されない場合には、下記連絡先までご連絡くださいますようお願い申し上げます。なお、今回の研究課題につきましては、すでに当施設の倫理委員会にて承認されております。

個人情報保護に関する配慮

個人情報の取り扱いにつきましては、本研究に関係する全ての研究者は、個人情報保護法に基づいて、研究対象者の個人情報を厳重に管理します。本研究は原発不明がんと診断された患者様の診療録に基づいた臨床情報・診療情報を用いて行います。個人情報に関しては、本研究のみに使用します。個人識別情報管理者を置き、対象患者様に対して独自のIDをつけ、個人情報は全て匿名化されますので、いかなる個人情報も委託機関以外の施設への試料・情報提供はなく、院外に出ることはありません。ご自身の診療情報が利用されているかも知れないと思われる個々の研究について詳細を知りたい時は、いつでも情報を提供致します。患者様の個人情報の管理は十分慎重に行い、漏洩することがないように致します。

ご質問や研究に対する拒否の自由

その他に本研究に関してお聞きになりたいことがありましたら、遠慮なくいつでも担当医または下記のお問い合わせ先まで御相談下さい。患者様からのご希望があれば、その方の臨床データは研究に利用しないように致します。そのご要望を頂いたとしても、患者様の不利益となることはありません。

研究責任者及びお問い合わせ先

研究代表者/    中川 和彦  近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門 教授
研究責任者/    林 秀敏   近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門 医学部講師
研究事務局/    鈴木 慎一郎 近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門 助教
原谷 浩司  近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門 助教
〒589-8511 大阪府大阪狭山市大野東377-2
TEL:072-366-0221(Ex.3542) / FAX:072-367-5000

研究オプトアウト情報 一覧に戻る