研究オプトアウト情報

2023年10月31日 掲載

(R05-113)胃癌における腫瘍内不均一性の定量化の有用性を検討する後方視的研究

近畿大学病院で胃癌に対する手術を受けられた患者様・ご家族の皆様へ

Ver.1.0  2023年09月28日

近畿大学病院腫瘍内科では、本学が代表を務め近畿大学奈良病院と共同で行う「胃癌における腫瘍内不均一性の定量化の有用性を検討する後方視的研究」という共同研究を行っています。そのため、当院で胃癌に対する手術を受けられた患者様の臨床情報および検体を使用させていただきますので、以下の内容をご確認ください。なお、この研究の実施にあたり、近畿大学医学部倫理委員会(https://www.med.kindai.ac.jp/rinri/index.html)で審査・承認を受け、医学部長による実施の許可を受けております。

研究課題

胃癌における腫瘍内不均一性の定量化の有用性を検討する後方視的研究

研究の背景

腫瘍内不均一性は化学療法抵抗性の原因となり、胃癌においては遺伝子異常及び治療標的となる蛋白発現の腫瘍内不均一性が高いことがわかっています。Clonal Composition(CC)はこれまで困難とされていたホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織標本サンプルから腫瘍内クローン数を定量化し、腫瘍内不均一性を定量的に表す新たな手法です。先行研究では胃癌や肝細胞癌でCCの多寡と予後との関連が検討されており、CC値が高いほど予後不良であることがわかっています。胃癌においては治療標的蛋白としてHER2、CLDN18.2があり、ドライバー遺伝子異常としてCDH1, CLDN18-ARHGAP Fusion, RHOA, RTK遺伝子などの異常がありますが、これまでCCを用いたこれらの腫瘍内不均一性の検討は行われておりません。

研究の概要

対象:当院で胃癌と診断され、2013年4月1日から2023年3月31日までの間に手術前に化学療法を受けずに手術を受けた患者様。
施設:近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門でデータ収集を行い、近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門、近畿大学医学部ゲノム生物学教室にてCC、遺伝子異常、予後について解析し、その関連性を検討します。また検体を用いた免疫組織染色及びその結果の解析をロシュ・ダイアグノスティック株式会社で行い、これとCCとの関連性を検討します。さらに公共データベース(TCGA Stomach Adenocarcinoma: TCGA-STAD, International Cancer Genome Consortium: ICGC)をもちいてCC、遺伝子異常及び予後を解析し、その関連性を検討し、当院の検体での解析結果と比較します。

【研究責任者】

近畿大学医学部内科学腫瘍内科 林 秀敏

【研究事務局】

近畿大学医学部内科学腫瘍内科 川中 雄介/ 稲垣 千晶/ 川上 尚人

【共同研究機関】

近畿大学奈良病院病理診断科 若狭 朋子
近畿大学奈良病院消化器外科 木村 豊

【ゲノム測定・ゲノム解析】

近畿大学医学部ゲノム生物学教室 責任者:西尾 和人、坂井 和子

【委託測定機関】

測定機関名
①ロシュ・ダイアグノスティック株式会社 担当業務:CLDN18.2, HER2, MMR免疫組織染色

②パソロジー研究所
 担当業務:PD-L1免疫組織染色、CPSスコア判定

【目的】

腫瘍内不均一性の定量的指標としてCCを用い、これと遺伝子異常・蛋白発現を同時に評価することで、胃癌における遺伝子異常・蛋白発現と腫瘍内不均一性の関連について明らかにします。

【解析資料及び試料】

本研究では過去の通常診療で得られた臨床情報、診療情報(診断時の年齢・性別・Performance status・癌腫情報・組織型)を診療録より入手・収集し、各項目の関連性を統計学的手法により解析します。また過去の通常診療で得られた腫瘍組織を用いて免疫組織染色・遺伝子発現・変異解析を行い、上記の情報との関連性を検討するものがございます。これらの遺伝子変異はがんの予後に関わるものであり、患者様やそのご家族の遺伝に関係するものではありません。検査の一部に遺伝子解析をすることがございます。この研究での遺伝子解析に関する不安に対して相談したい場合、さらに詳細な説明をご希望される場合には下記問い合わせにご連絡ください。近畿大学病院遺伝子診療部のカウンセリングを担当する専門のスタッフをご紹介いたします。
尚、過去に採取したがん組織が小さい場合、本研究での使用によって残存検体の消耗や稀に滅失の可能性があり、その後の追加検査に支障が生じたり追加検査ができなくなったりすることがあります(そのようなことがないように細心の注意を払います)。
この掲示をご覧いただき、「ご自身の臨床情報・診療情報に関するデータ並びに腫瘍組織の残存検体の利用を希望しない」とのお申し出がない場合にはご同意いただいたものとして検討させていただきたいと存じます。もし、データ及び腫瘍組織の残存検体の利用をご希望されない場合には、いつでもその利用を停止できますので、下記連絡先までご連絡くださいますようお願い申し上げます。なお今回の研究課題につきましては、すでに当施設の倫理委員会にて承認されております。

資料・情報の管理について責任を有するもの

特定の個人を照合するための情報はこの研究のために設置された個人情報管理者が保管・管理します。
試料・情報の管理責任を有するもの:近畿大学医学部

利用を開始する予定日

倫理委員会承認日:2023年10月18日

個人情報保護に関する配慮

個人情報の取り扱いにつきましては、本研究に関係するすべての研究者は、個人情報保護法に基づいて、研究対象者の個人情報を厳重に管理します。本研究は胃癌と診断された患者様の診療録に基づいた臨床情報・診療情報を用いて行います。個人情報に関しては本研究のみに使用します。個人識別情報管理者を置き、対象患者様に対して独自のIDをつけ、個人情報はすべて匿名化されますので、いかなる個人情報も委託機関以外への施設への試料・情報提供はなく、院外に出ることはありません。ご自身の診療情報が利用されているかもしれないと思われる個々の研究について詳細を知りたいときは、いつでも情報を提供いたします。患者様の個人情報の管理は十分慎重に行い、漏洩することがないようにいたします。

ご質問や研究に対する拒否の自由

その他に本研究に関してお聞きになりたいことがありましたら、遠慮なくいつでも担当医または下記お問い合わせ先までご相談ください。患者様からのご希望があればその方の臨床データや検体は研究に利用しないようにいたします。そのご要望をいただいたとしても、患者様の不利益となることはありません。

研究責任者及びお問い合わせ先

研究責任者/ 林 秀敏
研究事務局/ 川中 雄介/ 稲垣 千晶/ 川上 尚人

〒589-8511 大阪府大阪狭山市大野東377-2
TEL: 072-366-0221 (内線 3542)/ FAX: 072-360-5000

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