作成日：2023年3月31日　ver. 1.2

近畿大学病院腫瘍内科（以下、当科）では、「急性炎症反応に伴う病態モニタリングバイオマーカー共同研究」という臨床研究を行います。そのため、当科で抗がん剤治療を受けられた患者様の診療情報および以前採取された血液検体、免疫チェックポイント阻害薬の副反応が起きた臓器を治療された際に、採取した組織検体を使用させていただきますので、以下の内容を確認してください。なお、この研究は、近畿大学医学部倫理委員会（https://www.med.kindai.ac.jp/rinri/index.html）で審査され、承認を受けて行われます。また医学部長による実施の許可を得て行われております。

この研究では、抗がん剤投与後の急性炎症反応に伴う血管内皮損傷および全身性炎症マーカーとの関連性を検討し、過剰な炎症に伴う臓器障害などのバイオマーカーに基づく病態理解を深め、新たな治療選択肢を考案することを主な目的としています。そのため、当科で抗がん剤治療を受けられた後、薬剤投与後副反応が発現した患者様のうち、「固形悪性腫瘍における腫瘍微小免疫環境の解析を目的とした臨床検体の凍結保存バンキング」に同意の上血液検体を提供された患者様の診療情報および血液検体、通常の診療で、免疫チェックポイント阻害薬の副反応が起きた臓器を治療された際に、採取した組織検体を研究に利用します。利用する情報は、患者様個人が特定されないように匿名化を行い、個人情報に関しては厳重に管理します。
外部への試料・情報の提供
研究に利用する患者さんの個人情報に関しては、患者さん個人を特定できる情報は削除し、符号や番号を用いて個人を特定できない状態で提供されます。
血液：測定機関：株式会社ジェネティックラボとOlink Proteomicsでバイオマーカーの測定を行います。
組織：KOTAIバイオテクノロジーズ株式会社で空間的遺伝子発現解析を行います。
情報：中外製薬株式会社に登録番号と臨床情報を提供します。測定機関からは、各測定結果が報告されます。

・患者背景
性別、年齢 (生年月)、施設名と初診日、生検方法と病理診断内容（免疫組織染色結果を含む）、⑥前治療の有無・内容、TNM分類・病期、喫煙歴、既往歴、家族歴、内服薬とその内容、バイタルサイン・身体所見 既知の遺伝子異常、各種検査結果（血算、末梢血好中球、末梢血リンパ球、末梢血単球、末梢血好酸球、一般生化学、CRP、腫瘍マーカー、KL-6、TSH、F-T3、F-T4、ACTH、コルチゾル、自己抗体、感染症マーカー、胸水検査、腹水検査、髄液検査、単純X線写真、CT、MRI、PET-CT、シンチグラフィ、超音波検査、心電図、呼吸機能検査）
・治療内容・治療効果
薬物療法・局所治療の内容、治療効果、有害事象の有無とその内容、重症度、死亡日または最終生存確認日、患者背景の推移、治療開始時および治療中の転移臓器
・血液検体を用いて炎症，血栓傾向，抗血栓性，グリコカリックス障害および臓器障害等のバイオマーカーを測定いたします。
・組織検体を用いて空間的遺伝子発現解析（組織の位置情報を保ちつつ、遺伝子発現解析を行うこと）を実施いたします。

近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門　研究責任者：林　秀敏
中外製薬株式会社　責任者：寺尾公男
測定機関：株式会社ジェネティックラボ　測定責任者：福永健司
測定機関：Olink Proteomics　測定責任者：Jon Hindar
測定機関：KOTAIバイオテクノロジーズ株式会社　測定責任者：山下和男
本研究は中外製薬株式会社（以下，中外製薬）からの共同研究費により研究が行われ、中外製薬に皆様の血液や関連する情報・データが提供されます。本研究の結果は、近畿大学および国内外の中外製薬関連会社の間で共有されます。また、本研究の結果は、個人を特定できないようデータ加工した状態で学会・論文発表等での公開をします。

近畿大学医学部

近畿大学医学部倫理委員会承認日より5年間

この研究では、患者様・ご家族様の診療情報、血液検体、組織検体が利用されることに同意できず、拒否されたい場合に、下記の方法によりその利用を停止することが可能です。また、利用の停止を受け付けた場合でも、その後の診療において一切の不利益を受けることはありません。

下記までご連絡ください。なお、この研究に関するすべてのお問い合わせも下記で受け付けます。

［お問い合わせ先］
研究責任者／  林　秀敏　　近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門　
研究事務局／  金村　宙昌　近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門　

〒589-8511 大阪府大阪狭山市大野東377-2
TEL：072-366-0221（Ex.3542） / FAX：072-360-5000