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がん治療について

HOMEがん治療内容・実績がん治療について

がん治療について

がんは、放射線治療、手術あるいは化学療法、ホルモン療法、免疫療法といった薬物療法を、単独であるいは組み合わせてがんを治療します。 それらは大きく「局所療法」と「全身療法」に分けることができます。

局所療法
外科療法:手術によってがんを切り取ります。
放射線療法:放射線によってがんを治癒させる、縮小させる、あるいは痛みなどの症状を緩和します。
全身療法
全身療法は抗がん剤やホルモン剤等の薬剤を、静脈内注射や内服等の方法で投与する薬剤療法です。 がんのタイプによって、治療効果が異なります。
完全に治すことができるがん、完全に無くすことは困難でも、がんを小さくすることで 延命効果や症状を緩和することを期待できるがんなどがあります。

治療を担う部署

通院治療センター
  • 通院治療センター
  • 通院治療センター

通院治療センター長:今野 元博(通院治療センター長 教授)

近年、がん化学療法は新しい薬理作用の解析や薬剤の開発により急速な進歩を遂げています。

それにつれて抗がん剤の特性や投与法、ならびに副作用について特化した専門的知識が必要となっています。かつて外来における抗がん剤治療は内科・外科の処置室などで行われていましたが、現在では専門的な知識を有する医療スタッフ(医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師など)による、抗がん剤治療に特化したチーム医療が必要となってきました。

当院の通院治療センターは、がん治療に精通したスタッフのもとで、患者さまが安全かつ快適に各種の抗がん剤治療を受けられるという目的のもと2003年7月に設立されました。現在では1ヶ月で約1,500-1,600件の治療を実施しています。

当センターでは胃がん・大腸がん・肺がん・子宮がん・乳がんの5大がんのみならず、肝がん・膵臓がん・前立腺がんや、患者数が少なく稀ながんである希少がんや原発不明がんに対しての治療も行っています。治療薬は様々な化学療法剤に加え、がんの増殖にかかわる機能を選択的に抑える分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤、ならびに生物学的製剤など多岐にわたります。これらの治療薬を統合的に利用して、通院で行える最新のがん治療を行っています。また新しい治療薬の有効性(効果)や安全性(副作用)などの確認をして、医薬品として製造・販売の許可を得るために行われる「臨床試験(治験)」にも積極的に取り組んでいます。

抗がん剤治療には「辛くて苦しい」というイメージがありますが、治療を受けている間も音楽や読書、テレビ鑑賞などでリラックスできるようにリクライニングチェアや広めのベッドを準備し、快適な空間で治療が受けられる工夫をしています。

また看護師による生活指導、薬剤師による薬剤指導、管理栄養士による栄養指導、などを行うことにより、患者さまにできるだけ日常生活の質を落とさず、効率よく通院での治療を継続していただくことを本センターの目標としています。

通院治療センター

放射線治療部

責任者・診療部長:西村 恭昌 教授

放射線治療部は、がんを切らずに治す放射線療法を専門としています。放射線療法は、手術療法、化学療法とならぶがん治療3本柱の一つで、放射線療法には機能と形態の温存が可能であるという大きな特徴があります。がん患者の約半数が救命できるようになった現在、命を長らえるだけでなく社会復帰の可能なQOL(生活の質) の高い治療法への社会的要請が強まっています。放射線療法はまさに時代の要求するがん治療法です。

放射線療法の目的
  1. がんの治癒を目指す照射
    (脳腫瘍、頭頸部腫瘍、食道がん、肺がん、膵臓がん、肛門がん、子宮がん、前立腺がん、膀胱がんなど)
  2. 術後の再発予防のための照射
    (脳腫瘍、頭頸部腫瘍、食道がん、肺がん、乳がん、膵臓がん、胆道がん、大腸がん、肛門がん、子宮がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、骨軟部腫瘍など)
  3. がんの痛みや症状を緩和するための照射
    (骨転移、脳転移、リンパ節再発など)
  4. 良性疾患への照射
    (ケロイド、翼状片など)

当部門は最新の高精度直線加速器(リニアック)を2台備え、放射線治療専門医6名を含む放射線治療科の医師と、医学物理士、診療放射線技師、看護師が協力して治療を担当します。当部門は強度変調放射線療法(IMRT)、定位放射線治療、高線量率小線源治療、早期前立腺がんに対する125ヨード永久挿入密封小線源治療、さらにPET-CTシミュレーション、四次元CTシミュレーションによる治療計画などの最先端の放射線治療が実施できる日本でも有数の放射線治療施設です。 これらの高精度放射線治療を安全に行うために、放射線治療の品質を高いレベルで保証するための組織が必要となり、当がんセンターに放射線治療部医学物理室が設置されました。ここでは、医学物理士および放射線治療品質管理士が日々の放射線治療の品質管理を行いますので、安心して放射線治療が受けられます。

放射線治療科 放射線治療部 医学物理室

当院のがん治療について

固形腫瘍

責任者・診療部長:中川 和彦 教授

がん薬物療法を専門とする腫瘍内科医を中心として適切で安全ながん薬物療法を実施します。がんの薬物療法には、従来から行われている抗がん剤化学療法に加えて、ホルモン療法、分子標的治療法、免疫療法などがあります。種々のがん種で確立された最新の標準療法を基準に、患者さま個々の状態に合った治療を検討、実施します。臓器横断的ながん診療の実現ために設立されたのが、「がんセンター」です。これまで臓器別、診療科別に分断されていたがん診療の仕組みを臓器横断的に、または診療科横断的に再編しました。がん薬物療法専門家のがん治療の多くは、抗がん剤化学療法を放射線療法や外科療法と組み合わせて行う集学的治療です。適格で効率的な各種専門家の連携により治療効果の向上を目指します。

腫瘍内科のご案内

造血器腫瘍

責任者・診療部長:松村 到 教授

造血器腫瘍は、白血病、悪性リンパ腫を代表とする悪性腫瘍で、それらは骨髄、リンパ節やリンパ組織を病変の主座として、病初期から血液やリンパを介して全身性に病変がおよんでいるいわば進行した病態を示すものです。従って、肺がんや胃がん、大腸がんなどのような固形がんであれば、それは全身転移の末期的状態ということになりますが、造血器腫瘍では、その臨床経過や、治療の反応、生命予後は、その他のがんと呼ばれているものとは大いに異なっています。医学医療は著しく進歩したと言われていますが、そのことが最も当てはまるのが、この造血器領域であると言っても過言ではありません。作用機序の異なる種々の薬剤を用いた多剤併用化学療法の改良、有効率の極めて高い分子標的治療薬の登場、高齢者や状態不良の患者さまへも適応範囲を拡大した造血幹細胞移植療法の開発などによって、長期間の寛解期間の延長、残存微小病変の分子レベルまで可能な検出法の限度以下から治癒と判定できる症例の増加など、大幅な予後改善を半数以上の症例に達成されるようになりました。血液内科では、逸早く先端の医療技術を取り入れ、熟達した支持療法の基に、あらゆる治療手段を駆使して、高度先進医療を実践し、あくまでも全員治癒の実現に挑戦しています。

血液・膠原病内科のページ

呼吸器腫瘍

責任者・診療部長:光冨 徹哉 教授

呼吸器外科部門では肺がんを主体に、気胸、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍などの胸部疾患の外科治療を行っています。2017年の肺がん手術件数は205例、その他の疾患を含めて年間310例の手術を行っています。現在の日本の死因トップである肺がんを根治する治療法は外科的切除が最も効果的であり、当科では内視鏡カメラを利用した切開創が小さい胸腔鏡下肺切除手術から、周辺臓器に広がっている進行例では、開胸手術など様々な手術方法で肺がんの根治治療を行っています。肺切除による呼吸機能低下予防のために手術前後には呼吸リハビリテーションを行い、低肺機能の方や持病をお持ちの方でも肺がん根治手術を受けられるチーム医療体制を整えています。このため手術翌日から食事、歩行ができ術後1週間で退院となります。退院後は定期的通院で経過観察を行い、術後の化学療法や放射線治療を要する集学的治療は、腫瘍内科医、放射線治療医、病理医とも連携し最小の負担で最大の効果をもたらす医療を提供するようにしている。

外科のページ

上部消化管腫瘍

責任者・診療部長:安田 卓司 教授

平成25年の入院症例数は食道がん120例、胃がん140例でうち食道がん切除が76例、胃がん切除が125例でした。食道がんについては進行がんに対する術前化学療法・化学放射線療法(CRT)を併用した集学的治療や根治的CRT後のサルベージ(救済)手術等を積極的に行い成績向上に取り組んでいます。表在がんに対しては内視鏡的粘膜切除術や根治的CRTといった食道温存治療、手術に際する胸腔鏡及び腹腔鏡補助下の切除・再建などQOL(生活の質)の改善にも努めています。更に「声を残してがんを治す」を目指して頸部食道がんに対する喉頭温存術式を確立し高く評価されています。胃がんに関しても早期がんに対しては内視鏡的粘膜切除・切開剥離術や腹腔鏡を用いた胃切除または胃全摘術を積極的に行っています。さらに進行がん症例では腹膜播種制御を目指して診断的腹腔鏡の結果に基づき術前腹腔内化学療法や全身化学療法、化学放射線療法を積極的に行い奏効例に対して手術を施行することで成績とQOLの向上に取り組んでいます。治療方針は外科、腫瘍内科、放射線科の合同カンファレンスで症例毎に個別に至適治療が検討され、常に横断的な協力の下に治療を行っています。我々は、 「がんを治療する」のですが、「がんを患った患者さまを治療する」ということを忘れず、最後まであきらめない精神で日夜診療に取り組んでいます。

外科のページ

下部消化管腫瘍

責任者・診療部長:川村 純一郎 教授

下部消化管部門ではおもに大腸癌(結腸がん・直腸がん)の治療を行っています(年間約200例:2018年資料)。結腸がん手術は年間120例で、約90%に腹腔鏡手術を行っています。直腸がん手術では、約80%でロボット手術を行っています。またそれ以外の症例でもできる限り腹腔鏡手術を行っています。どちらの手術法も排尿・性機能温存に有効です。肛門近傍の下部直腸がんに対しては、括約筋間切除(究極の肛門温存手術)により肛門温存を目指します。また進行直腸がんに対しては、抗癌剤治療や放射線治療を組み合わせること(術前化学放射線治療などの集学的治療)により根治を目指します。再発直腸がんに対しても可能な限り腹腔鏡手術で行っています。大腸がんに対する治療方針は、最適な治療方針を提供するために、消化器内科・腫瘍内科・放射線診断科との合同カンファレンスで症例検討を行っています。人工肛門を要する患者さんのケアに関しては、皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCナース)と連携を取りながら実践しています。5年生存率を含めたこれらの詳細なデータは 外科学ホームページ に記載していますのでご参照ください。

外科のページ

肝胆膵腫瘍

責任者・診療部長:竹山 宜典 教授

外科的治療を武器として、肝臓、胆道、膵臓の悪性疾患にかかられた患者さまの生命と生活の質の維持を目指す専門医の集団です。平成21年度は肝胆膵領域の304例の手術を行っています。肝臓では転移性肝がんに対する原発巣との同時切除を除いた手術例数が81例で、肝がんに対する区域切除以上の肝切除術が26例を占めています。胆道では腹腔鏡下胆嚢摘出術88例以外に、胆嚢がんと肝門部胆管がんに対する根治切除がそれぞれ8例、2例、2例となっています。膵臓の悪性腫瘍に対する手術を43例行っており、そのうち膵頭十二指腸切除(PDまたはSSPPD)が28例、脾臓合併尾側膵切除は10例でした。また、良悪境界領域の膵腫瘍性病変に対しては、十二指腸温存膵頭切除術、脾臓温存尾側膵切除術などの機能温存手術を積極的に行っています。 膵がんをはじめ難治性の悪性腫瘍の多い肝胆膵領域においては、外科療法のみならず化学療法や放射線療法、免疫療法などのあらゆる手段を駆使して治療に当たることが不可欠です。診断から手術適応の決定、集学的治療に至る過程において、消化器内科、腫瘍内科、放射線科など他の診療科と緊密に連携を取り、外科治療を軸としたより良い治療戦略を提供すべく鋭意努力をしています。

外科のページ

乳腺・内分泌腫瘍

責任者:菰池 佳史 教授

女性における悪性腫瘍の中で乳がんは罹患率第1位となり、今後も乳がん患者の増加が予測されています。また乳がんによる死亡も年々増加し、30〜59歳までの世代では乳がんによる死亡が最も多い状況です。今や乳がん克服が社会的問題となっています。 近畿大学病院では平成25年に228例の乳がん手術が行われました。放射線科診断医・臨床検査技師がCTや超音波検査で病変の拡がりを的確に想定し、外科医がその情報に基づいて手術を行いました。その結果、69%の患者さまに乳房温存手術が、68%の患者さまにセンチネルリンパ節生検が、また8%の患者さまに同時乳房再建が形成外科との共同で行われました。平成25年度からはセンチネルリンパ節に転移を認めた場合でも術前検査の検討から不要なリンパ節郭清を省略する試みをはじめています。そして術後治療は病理医から発信される腫瘍情報に基づき、乳腺外科医・腫瘍内科医・放射線科治療医が標準治療を考慮しながら、患者さまのがんの状況に応じて個別に治療を行っています。 「治癒」を目指した乳がん治療が 「ケア」も重視し、メンタルヘルス科医、看護師が中心となって患者さまの精神的・心理的支援を積極的に行っています。さらに遺伝性乳がんの問題にも取り組み、ご家族の方への支援も行っています。  外科医、放射線科医、形成外科医、腫瘍内科医、病理医などいろいろな領域の医師、臨床検査技師・診療放射線技師、看護師が患者さま個々の乳がんの特徴を理解し、科学的根拠に基づいてチームとして乳がん診療を行います。近畿大学病院がんセンターでは、プロフェショナルなチーム医療による、「総合力での乳がん診療」を行っています。

外科のページ

頭頚部腫瘍

責任者・診療部長:土井 勝美 教授

耳(外耳癌、中耳癌)、鼻・副鼻腔(鼻腔癌、上顎癌)、口腔(舌癌、歯肉癌、口腔底癌、頬粘膜癌)、咽喉頭(上・中・下咽頭癌、喉頭癌)、唾液腺(耳下腺癌、顎下腺癌)、甲状腺(甲状腺癌)から発生する癌、すなわち頭部から頸部に発生する全ての癌の診断と治療を行っています。頭頸部癌は進行が早いものが多く、CT、MRI、PETなどを用いて癌の進行度を正確に判断し、速やかに治療を開始するよう心がけています。 進行癌に対しては、癌病巣の拡大切除術および形成外科医との共同下に再建手術を行っています。機能温存治療にも力を入れていて、喉頭癌に対する経口的レーザー手術や喉頭部分切除術、上顎癌や中咽頭癌に対する超選択的動注併用放射線治療などを行っています。当院は頭頸部癌に対する日本臨床腫瘍グループ(JCOG)の正式認定施設であり、腫瘍内科医と連携して化学放射線療法、導入化学療法の臨床試験も行っています。 頭頸部癌診療にチーム医療を導入し、治療成績と患者QOLの向上がみられています。具体的には、耳鼻咽喉科医、腫瘍内科医、放射線治療医が集まり週1回の合同カンファレンスを開催して、治療方針の決定、治療中・治療後の評価などを行っています。また、コメディカルと連携を図り、歯科衛生士による口腔ケア、理学療法士による嚥下訓練や肩挙上訓練など、患者サポート体制の充実にも務めています。 頭頸部癌は、咀嚼・嚥下、発声・構音、そして聴覚・平衡覚・嗅覚・味覚など患者QOLの維持に極めて重要な器官・臓器から発生します。癌病巣の根治を達成した上で、いかに治療後の機能障害を防ぐかという観点から最大限の努力を続けています。

耳鼻咽喉科のページ

婦人科がん

責任者・診療部長:松村 謙臣 教授

当部門では臨床細胞診専門医、婦人科腫瘍専門医、内視鏡技術認定医等の婦人科がんに関する診断から、治療全般にわたる専門医はもちろん臨床腫瘍学会指導医も擁して、全身状態に応じた最適な治療の提供を心掛けています。治療の選択においては、手術から術後治療まで一貫した治療計画の作成、排尿機能、内分泌機能、あるいは生殖医療専門医との連携によって、妊孕能温存についても配慮した治療を適応しており、また治療の肉体的負担の軽減を目指して一定の条件を満たす症例には積極的に内視鏡手術、ロボット手術も適応しています。また、全国的な婦人科がん化学療法臨床試験組織である婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構(JGOG)の基幹施設、日本臨床腫瘍グループ(JCOG)の正式認定施設であり、さらには国際的婦人科がん化学療法臨床試験組織であるGynecologic Oncology Group (GOG)およびGynecologic Cancer Inter Group (GCIG)の正式認定施設でもあり、国内外における婦人科がん化学療法の指導的施設として積極的に臨床試験に参加しています。 婦人科がん治療は予後の改善のみならず、機能温存が計画された総合的治療の適応が必要です。セカンドオピニオン等の治療相談も含めてご相談下さい。 詳しくは当科ホームページを参照ください。

産婦人科のページ

泌尿器がん

責任者・診療部長:植村 天受 教授

泌尿器がん部門においても近年悪性新生物(がん)の占める割合が急増してきており、腎細胞がん、腎盂尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣がんなどが治療対象となります。泌尿器がんに対しては、手術療法、化学療法、放射線療法を軸に、これらを組み合わせた治療も行います。手術療法は上記の泌尿器がんすべてに通じて有力かつ根本的な治療法ですが、当部門では手術に伴う患者さまへの体の負担や傷を最小限にするために、腎細胞がんや腎盂尿管がん、副腎のがんに対し積極的に体腔鏡を取り入れています。最近のがん治療は、インフォームドコンセントを前提に決定されています。例えば前立腺がんではその治療法の選択肢は幅広く、手術的治療から、放射線治療やホルモン療法である薬物治療やこれらの組み合わせが考えられます。当部門では限局性前立腺がんに対し、根治的前立腺摘除術、小線源療法(ブラキセラピー)、外部照射および強度変調放射線治療(IMRT)、内分泌療法を主な治療選択肢として、近畿大学病院放射線治療部門の協力とともに全人的な医療を提供しています。 また、化学療法が主体となる泌尿器がんに対して、最新の化学療法の試みも行っており、特に、難治性がんに対する化学療法は既存の枠にとらわれず欧米で得られたエビデンスをもとにリアルタイムに導入し、治療成績の向上に取り組んでいます。具体的にはホルモン抵抗性前立腺がんに対するドセタキセル療法、また進行性膀胱がんに対するジェムザールやパクリタキセルなどや、近年開発された分子標的薬なども、難治性腎がんに対して積極的に取り入れています。ここで特記すべきことは、先進医療として注目されているがんペプチドワクチン療法も開始する予定です。我々はいち早く進行性腎細胞がんとホルモン抵抗性前立腺がんに対してがんペプチドワクチン療法の臨床研究を行っており、近々膀胱がんに対する着実な成果を挙げつつあります。

泌尿器科のページ

骨・軟部腫瘍

責任者・診療部長:赤木 將男 教授

原発性悪性骨腫瘍の中で最も多いのが骨肉腫です。骨肉腫の発生頻度は、人口50万〜100万に対して1人の発生率とされています。好発年齢は10歳代にピークがあります。症状は局所の疼痛および腫脹がほとんどです。好発部位としては、大腿骨遠位部、脛骨近位部、上腕骨近位部の順になっています。レントゲン写真やMRI、CTなどの検査を行いますが、最終的な診断は組織を一部採取して、病理組織診断で確定し治療が始まります。 骨肉腫を含め、悪性腫瘍の場合、病名はもちろん現在の病態がご理解いただけるよう繰り返し詳しく説明を行います。近畿大学病院では患者さまご本人にも病名をお話しすることを原則としています(悪性腫瘍の場合、治療に際して抗がん剤を用いることが多く副作用が強いため患者さまご本人のご理解が重要になります)。   悪性腫瘍の手術では腫瘍の周囲の正常な組織も一緒に切除します(腫瘍広範切除術)。骨や筋肉を切除したのち、なくなった組織を様々な方法で再建します(腫瘍型人工関節、熱処理骨、液体窒素処理骨、また筋移行や筋皮弁など)。できるかぎり上記方法を様々に組み合わせて四肢の切断を行わない手術(患肢温存手術)を目指していますが、すべての腫瘍が患肢温存できるとは限りません。 さらに多彩な悩みや苦しみをもったがんの患者さまに全人的なサポートを出来るような医療を目指して治療を行っています。

整形外科のページ

脳神経腫瘍

責任者・診療部長:髙橋 淳 教授

脳神経部門では神経膠腫、髄膜腫、下垂体腫瘍、神経鞘腫、悪性リンパ腫、転移性脳腫瘍など、脳と脊髄のさまざまな腫瘍の手術治療を行っています。ヒトの本質とも言うべき機能が宿る中枢神経系ですので、脳機能を損なうことなく、腫瘍のみを取り除くことが求められます。 とくに運動や言語など重要な機能をつかさどる脳領域や深部頭蓋底の腫瘍では、患者さん一人一人の病態に応じた手術戦略が必要となります。
手術前には、CT、MRIのほか脳代謝、脳磁気、神経異方性などのさまざまな診断画像をコンピュータで再構成し、詳細な脳機能地図を作成します。これらを基に手術シミュレーションを行い、脳を傷つけず腫瘍を取り除く最適な手術法を検討します。当部門では最新の画像誘導ナビゲーションシステムや高性能の手術顕微鏡を使用するとともに、術中蛍光診断や覚醒下手術法を併用し、治療成績の向上を図っています。 ただ、悪性度の高い脳腫瘍の場合には手術のみでは解決出来ず、最新の放射線治療や化学療法を加えた集学的治療が必要であり、腫瘍内科、放射線治療部などと連携した治療に取り組んでいます。脳は化学療法の効果が比較的乏しい臓器とされていますが、疾患に応じた選択的局所化学療法や大量全身化学療法により有効性を高めることができます。特に転移性脳腫瘍では、集学的治療により患者さんの生活の質と生命予後が大きく向上しています。 当部門ではさらに新たな治療をめざし、中性子捕捉療法、画像誘導エネルギー集中治療、新規化学療法の開発を進めています。一方、髄膜腫や下垂体腫瘍、聴神経腫瘍などの良性脳腫瘍は、摘出手術のクオリティが予後に直結します。当部門は神経内視鏡やナビゲーション、各種神経モニタリングを中核とした手術支援システムに豊富な実績があり、精緻な手術による優れた長期治療成績は国際的に高い評価を得ています。

脳神経外科のページ

皮膚がん

責任者・診療部長:大塚 篤司 教授

皮膚悪性腫瘍部門では、診断から手術、抗がん剤治療まで全ての分野をエキスパートが担当しています。悪性黒色腫はしばしば良性のほくろとの鑑別が難しいため、診断に迷うことがあります。当部門ではダーモスコピーという医療機器を用いて、まずは皮膚にメスをいれることなく診断いたします。また、手術が必要な症例には形成外科専門医の資格をもった医師らが加わるため、安心して治療を受けていただけます。進行期の患者さんにはオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤や放射線治療を組み合わせた集学的治療を行います。国内の主要ながんセンターに加え海外(チューリッヒ大学病院)とも連携しています。積極的に治験に参加していますので興味のある方は外来でお尋ねください。また、頻度の高い基底細胞癌や有棘細胞癌や、比較的珍しい乳房外パジェット病、皮膚血管肉腫、メルケル細胞癌まで幅広く皮膚がんの治療をカバーしています。皮膚悪性腫瘍部門には、皮膚悪性腫瘍ガイドライン委員もいるためエビデンスレベルの高い最先端の治療を受けることができます。

皮膚科のページ

小児科がん

責任者・診療部長:杉本 圭相 教授

小児科では、急性白血病や悪性リンパ腫といった造血器悪性腫瘍疾患および神経芽腫をはじめとした悪性固形腫瘍の治療を、小児外科や放射線治療といった関連各科と協力して行います。 小児がん小児期の重要な死因のひとつです。しかし小児がんの代表の急性白血病では、ここ10年で治療成績が著明に向上しています。それは臨床研究スタディの恩恵によるところが大きいと考えられています。 白血病・悪性リンパ腫については、日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG,http://www.jplsg.jp/)が組織され、国立名古屋医療センターに設置されたデータセンターを中心に、質の高い臨床研究ができるようなシステムが構築されています。近畿大学小児科はJPLSGの参加施設として、最新の治療を行っております。 また、再発例や難治例の造血器性腫瘍には同腫造血幹細胞移植(血縁および非血縁)を施しております。 小児科病棟にはクラス100レベルの無菌室1床とクラス1000レベルのクリーン病床を7床備えております。神経芽腫をはじめとした横紋筋肉腫、肝芽腫等の悪性固形腫瘍についても、それぞれの疾患毎の治療研究グループに属し、集学的治療のひとつとしての化学治療法を小児科が担当致します。 小児がんの治療において治療の副作用の伴う、成長発育障害、内分泌障害、手術や放射線治療に伴う機能障害といった晩期障害を最小限にして、長期生存者のQOL(生活の質)の向上を図ることが肝要です。集学的治療を行う場合は、このような後遺症が最小限となる治療を計画し、患児のみならず家族も含めたトータルケアを病棟看護師、チャイルドライフスペシャリスト(CLS)や保育士、さらには院内緩和ケアチームと密に連携して実践して います。

小児科・思春期科のページ

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