責任者・診療部長 城谷 学
○…初診・再診とも診療 □…初診のみ診察 △…再診(予約)のみ診察 ― …休診
☆…緊急初診対応限定
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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〇 | ☆ | 〇 | 〇 | 〇 | ☆ |
担当医師名 | 専門分野 | 専門医資格等 |
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![]() 城谷 学 |
虚血性心疾患、循環器内科一般 | 日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会施設代表医(旧 指導医)・専門医・認定医、日本内科学会認定内科医、浅大腿動脈ステントグラフト実施医 |
![]() 東儀 圭則 |
虚血性心疾患、循環器内科一般 | 日本循環器学会循環器専門医、日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医 |
![]() 鈴木 智詞 |
冠動脈インターベンション(CTO、Rota等の複雑病変)、末梢血管インターベンション | 日本循環器学会循環器専門医、日本心血管インターベンション治療学会認定医、浅大腿動脈ステントグラフト実施医、日本内科学会認定内科医 |
![]() 蘆田 健毅 |
不整脈 | 日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医、日本不整脈心電学会不整脈専門医 |
![]() 石川 千紗都 |
虚血性心疾患、下肢静脈瘤、循環器内科一般 | 日本循環器学会循環器専門医、日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医 |
![]() 大江 健太郎 |
循環器内科一般 | 日本循環器学会循環器専門医、日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本リハビリテーション学会心臓リハビリテーション指導士、日本心血管インターベンション治療学会認定医 |
![]() 八木 英次郎 |
循環器内科一般 | 日本内科学会認定内科医、日本心臓リハビリテーション学会心臓リハビリテーション指導士、日本循環器学会循環器専門医 |
![]() 南 遙香 |
循環器内科一般 | ― |
![]() 永井 宏幸 |
冠動脈インターベンション(CTO、Rota等の複雑病変)、末梢血管インターベンション | 日本循環器学会循環器専門医、日本心血管インターベンション治療学会認定医、日本内科学会認定内科医 |
内容 | 件数 |
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心電図検査 | 4178 |
心臓超音波検査 | 2136 |
冠動脈CT検査 | 186 |
心筋シンチグラム検査 | 267 |
心血管インターベンション治療 | 111 |
カテーテル心筋焼灼術 | 44 |
永久的ペースメーカー手術 | 36 |
下肢静脈瘤関連手術 | 88 |
常勤医師の鈴木と非常勤医師の永井が習得しております。大阪の桜橋渡辺病院より、のれんわけを頂き本年4月より近畿大学奈良病院でも同様のクオリティでの治療が可能となりました。
”PCI中のワイヤーの状態を3次元イメージするためのノウハウであり、その技法を身に付ければCTO病変を理論的に攻略できるように、またOpen vesselでもより根拠を持った施術が可能となる。”
岡村篤徳2020『3DワイヤリングPCI』南江堂より
3Dワイヤリングを身につけると針の穴を通すようなワイヤー操作が可能となります。心臓カテーテル治療(PCI)慢性完全閉塞病変(CTO)など通常治療が困難と考えられる難しい病変において安全かつ迅速な治療が可能となります。他院で治療が困難であった方や困難なためバイパス手術をやむなく検討された方も対応可能です。もちろん通常の病変(Open vessel)に対してもこの手法を身につけていれば迅速で安全な治療が可能となります。
この方法は最新の血管内超音波カテーテル(AnteOwl IVUS)を用いてさらに困難な病変に対する成功率の上昇と時間短縮が可能となりました。(難しい治療を行なっている施設での平均7-8割の成功率が95%程度の成功率に上昇、ワイヤーの通過時間は半数で30分以上かかるところが7.6分に短縮)
Suzuki S, Okamura A. JACC. Intv. 2021;14:812-4
この最新のAnteOwl IVUSカテーテルも導入しており使用可能です。
冠動脈の狭窄病変を円筒形のカッターで削り取り体外に回収します。病変が血管の入り口付近に存在したり一方向に偏っている場合や手術前などで抗血小板薬を中止せざるを得ない状況に有効です。削る方向を確実にするために上述のIVUSとワイヤーの先端を用いて方向性を合わせます。高い安全性のもとに治療を行うことが可能です。
Suzuki S, Okamura A. cvit:2021;20:726-728
薬による治療が難しい閉塞性肥大型心筋症に対してカテーテルを挿入し治療を行います。左室の異常に厚くなっている心筋組織にエタノールを注入して組織を退縮させる治療法です。この治療により、8割位の方は、労作時の息切れ等の症状が改善します。限局的ですが人為的に心筋梗塞を生じさせる治療であり、1週間程の入院を要します。1割程度で、治療に伴い完全房室ブロックが生じ、恒久ペースメーカーの植え込みが必要になります。
突然心臓の血管(冠動脈)が閉塞もしくはつまりかかるような状況となれば胸の不快感が出現します。心電図や採血にて診断することが可能です。こちらの急性期疾患に関しても迅速に対応いたします。
歩いていると足がだるくなる。安静時の足の疼痛がある。そのような症状があれば下肢動脈の血管が細くなっている可能性があります。下肢動脈の狭窄・閉塞を評価する指標(ABI)の検査や下肢動脈エコーの検査を行い診断します。治療方法には薬物療法やカテーテルを用いて治療を行うことも可能です。複雑な足の血管の治療も3Dワイヤリングで安全に迅速に治療可能です。
全てのカテーテル手術中は十分な麻酔を施行し、痛みやしんどさを伴わないよう十分に配慮致します。患者様のご希望に沿う形での治療を行います。安全かつ迅速に治療可能です。
近畿大学奈良病院では2022年10月より不整脈専門医による診療を再開いたしております。不整脈は循環器専門医でも扱いが困ることが一方で、とてもありふれた疾患でもあり、心不全の増悪・修飾因子として関与します。特に心房細動は心不全と脳梗塞の原因となり、睡眠時無呼吸症候群とも密接な関係です。不整脈診療を通じて、地域の循環器診療のお役に立てればと存じます。
心房細動を治療する目的は①脳梗塞・認知症の予防 ②心機能の保持、心不全予防 ③生活の質(Quolity of Life)の保証と言えます。脳梗塞予防の抗凝固療法とならび、心房細動をなくす治療(リズムコントロール)が重要です。可能な限り治療は早期であることが好ましいとEAST-AFNET4試験では報告されていす。(NEJM 2020;383:1305-1316)
心房細動に限らずですが、多くの不整脈がアブレーションで治療対象となってきました。特に心房細動は1回のカテーテルアブレーションで70%以上の治療効果があります。
日本循環器学会・ガイドライン2018でも薬剤治療抵抗性の発作性心房細動(持続期間7日以内)はカテーテルアブレーションの適応がClass Iとされており、薬剤治療をしていない場合や持続性心房細動(持続期間7日以内)でもClass IIaと位置付けてあります。
麻酔科一任の全身麻酔で治療を行ないます
麻酔科一任管理のもと、全身麻酔で高周波アブレーション治療を行なっております。アブレーション治療の合併症として心穿孔・心タンポナーデなどの機械的損傷が挙げられますが、この多くが自発呼吸下での体動や荒い呼吸によって起こります。
従来、アブレーション治療は意識のある浅鎮静で行うことが一般的でしたが、前述の合併症予防のため、また使用する3Dマッピング機器の位置情報精度を向上させるために、全身麻酔の有効性は指摘されています。
循環器内科が麻酔をかける方法(自家麻酔)での方法も定着しつつありますが、当院ではより安全を重視して麻酔科に一任して管理させていただいております。
難治性心房頻拍の治療にも力を入れています。
心房細動のカテーテルアブレーションは一般化し、多くの病院でされるようになりましたが、1回目の治療後に焼灼部位を起因とする心房頻拍で再発することもあります。当院での初回症例後の方はもちろんですが、他院様で治療され、経過観察となっていらっしゃる方にも積極的にご相談に乗らせていただいています。
睡眠時無呼吸症候群の患者さんのスクリーニングを積極的にいたしております。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome; OSAS)は、いびきを伴う高度肥満者に多いとされますが、日本人は肥満が軽い割には有病率が高く、無症状の睡眠呼吸障害を併せると5%程度の有病率と推測されています。また、心房細動は約30%でOSAS を合併し、一方でOSASの30%にも心房細動を合併し、切り離せない症候群です。OSASが治療成績を低下させることが過去の研究で明らかにされています。一方で適切な持続的陽圧呼吸法(Continuous Positive Airway Pressure; CPAP)の加療はアブレーション治療を改善させるとも明らかになっており、術後にスクリーニングを推奨致しております。
持続性心房細動・血液透析の患者さんに対して積極的に治療を行なっております
日本循環器学会のガイドラインでは持続性心房細動(1週間以上続いている状態)では、アブレーションの推奨レベルは高くありません(Class IIa;どちらかというと治療を推奨)。特に無症状の場合はClass IIb適応(どちらかというと治療は推奨しない)です。ただし、無症候性では脳梗塞率が高いとする報告もあります。また5年以上ずっと心房細動が続く方でも効果が見込める時があります。また血液透析の治療中の方にも適応があれば積極的に治療を推奨しています。
カテーテル治療の適応を評価します
絶対的な適応除外は左心房内血栓のある方です。術前のCTや経食道心エコー図検査で評価します。また、その予防のため抗凝固療法(血をサラサラにする薬)はカテーテル手技前から、少なくとも術後3ヶ月目までは継続します。(血液透析をされている方には個別でご相談いたしております。)
その他、心房細動が続いている期間、基礎心疾患の存在、年齢を軸にして適応を判断します。
DCカルディオバージョン(電気的除細動)
アブレーションで治療するためには心房細動が止まって正常洞調律に戻らなければなりません。そのため長期間持続する場合、心房細動が止めた後に脈が遅くなりすぎないかを確認するために、1泊2日のDCカルディオバージョン(電気的除細動)の入院をお願いいたしております。直前に経食道心エコー検査を行います。また同時に抗不整脈薬を内服していただくこともあります。
仮にこの治療で不整脈が止まらなければ、残念ながらカテーテルアブレーションの適応とはなりません。
アブレーション治療が決まった後にしていただくこと
心房を電極カテーテルでなぞって、3次元マッピングで解剖学的な図を構築させます。当院では症例に応じてCARTO3™(Johnson & Johnson社製)もしくはEnSite X™(Abbott社製)を使用し、カテーテルでの描写図と事前のCTでの図を癒合させてカテーテル治療がしやすいようにします。その後、通電カテーテルを挿入して治療が開始となります。肺静脈隔離を基本的手技として、患者さんに合わせた治療を致しております。
現在アブレーションは医師のみではなく、臨床工学士、臨床検査技師、診療放射線技師、看護師を合わせたチーム医療になっています。特に臨床工学士は重要な役割を担っています。またそのサポートのためにも院内立入許可を与えた外部の業者(メーカー・代理店)が立ち会います。
動悸や不整脈が疑われる際は当院外来にご相談ください。
各種治療の適応評価も含めて適切な対応を心がけて診察させていただきます。
近畿大学奈良病院の循環器内科をよろしくお願い申し上げます。
下肢静脈瘤の治療については、高周波による血管内焼灼術や2019年末から日本で保険適用となったグルー治療などを実施しています。
グルー治療は医療用の瞬間接着剤を静脈に注入し、血管を閉塞させる治療であり、痛みや神経障害が少なく、術後の弾性ストッキングも必要ありません。
奈良で施行できる病院は限られているため、ぜひ一度ご相談ください。
日帰り手術も、入院加療も患者さまのご希望に合わせて対応します。
心血管疾患リハビリテーションは、心機能の回復、病気の再発予防を目的に、個々の患者さまの病状に応じた運動療法のメニューを作成し保険医療として行われています。
当院では専門の理学療法士を3名配し、心肺機能の改善および日常生活能力の向上につながる支援をさせていただきます。
対象疾患は
などです。
心血管の診療には、最新のPHILIPS社製血管撮影装置を使用し、鮮明な画像、2方向同時撮影、多数の情報を巨大モニターにすべて投影するマルチビジョンディスプレイ、造影所見の高精細解析ソフトなどを駆使し、安全で確実な医療と被ばく量低減を実施しています。医師だけでなく、看護師、放射線技師、生理技師、臨床工学士など多数の専門性の高いコメディカルスタッフが診療に従事しています。
安全で納得のいく医療の提供に努力します。
最新の医療機器、専門性の高い医療スタッフが、皆様の診療に携わります
高度医療を行うためには、術後管理等集中治療も含め、安全性に優れた医療環境が必要です。当院には救命救急センターおよび集中治療室(ICU)が設置されており、患者さまの重症管理・術後管理を含めた安心、安全に取り組んでいます。
また、このような医療を受けていただくには、その内容をご本人やご家族に納得いただくことも重要と考えており、術前に十分な説明を尽くすよう務めております。
城谷 学