近畿大学奈良病院における病院内の感染を防止するための組織として、院内感染対策委員会・感染制御部・ICT(Infection Control Team)があります。院内感染防止に関する活動を統括するために院内感染対策委員会が、感染に関する諸問題を統合的に検討し、包括的な対策を講じ、感染制御の強化を図ることを目的として感染制御部が設置されています。ICTは、院内感染対策委員会における対策の立案、実行、評価を行う作業部会であり、メンバーは医師4名、看護師2名、薬剤師2名、検査技師1名、事務1名で構成されています。
ICTの主な活動は、日常業務としてのラウンドと緊急時の対応に分かれます。ラウンドは週2回行っており、火曜日は環境ラウンドとして、感染発生・感染拡大防止のための環境整備を病棟ICTリンクナースと協力して行っています。金曜日は抗菌薬ラウンドとして検査部・薬剤部から情報収集して抗菌薬の長期使用や適正使用等の事前カンファレンスを実施後、感染症治療適正ラウンドを行っています。また、院内で会うとブレイクがあったときは、緊急ミーティングを召集し、除菌・治療法の検討・感染拡大防止のための消毒などを行い、主治医と協力して感染拡大防止を遂行しています。
院内職員に対し、年2回以上の院内感染対策研修会を実施しています。ノロウィルス感染が多い冬期前や、インフルエンザシーズン前には必ず研修会を開催し、職員の啓蒙を行います。院外では感染制御地域連携カンファレンスに参加して、他施設と情報交換を行い、感染制御レベルアップを図っています。
感染制御は感染制御部だけの活動では達成されません。院内全ての部署・全ての職員の認識を高め、日々の協力体制が基本です。患者さまが、感染の不安から開放され、安心して、安全に治療を受けられるように活動してゆきます。