ハートコールによる24時間体制
心臓は筋肉の塊で、収縮と拡張を繰り返してポンプのように全身の臓器に血液を送り出している臓器です。心筋は心臓の周りを包み込むように存在する冠動脈という血管によって酸素や栄養分を含む血液を供給され、養われています。冠動脈は心筋の養う部分によって右冠動脈と左冠動脈に分かれています。左冠動脈はさらに心臓の前壁を養う前下行枝と、側壁を養う回旋枝の2つの動脈に分かれます(画像)。
近年、高齢者の増加につれ虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)は増え続け、3大死因の1つになっています。なかでも急性心筋梗塞は年間約25万人が発症していると推定され、うち少なくとも14%以上が病院到着前に心停止状態となっており、その大部分は心室細動などの
画像 正常例の冠動脈造影検査
カテーテル先端から造影剤を注入し、左冠動脈と右冠動脈を撮影します。左冠動脈はさらに前下行枝と回旋枝に分岐します
多くの場合、自覚症状は、胸部の激痛、
急性心筋梗塞はできるだけ早く診断し、治療を行うことが重要です。受診では、直ちに心電図で異常がないかを調べ、さらに心臓超音波検査で心臓の
しかし、いずれの血液検査も心筋梗塞の発症から血液中で上昇を始めるまでには時間的にずれがあるため、発症直後であれば、たとえ心筋逸脱酵素が上昇していなくても、急性心筋梗塞を否定することはできず、心電図、心臓超音波検査などで急性心筋梗塞が疑われる場合は直接、冠動脈を観察する冠動脈造影検査を行います。
この検査は、局所麻酔をした後、手首、
冠動脈造影検査で閉塞部位を確認すると、心筋が壊死する前に、血流を再開させることが必要であり、直ちに
ステントは血管の細胞にゆっくりと覆われてくるため永久にむき出しの状態ではありませんが、ステント留置後約1年間は十分に覆われていない可能性があり、血栓が付いて閉塞する可能性があるため、血液をさらさらにする抗血小板剤の服用が必要です。
急性期に心筋の血流が回復した後は、後療法として心筋の保護と動脈硬化の進展を抑えるため心臓のリハビリテーションと薬物治療、また次の心筋梗塞の発症を防止するため、禁煙や運動などの生活習慣の改善などが重要です。
図 急性心筋梗塞の再灌流治療
右冠動脈近位部に閉塞を認め、同部位にステントによる治療を行い、再灌流治療に成功しています
急性心筋梗塞を代表とする循環器救急疾患は、発症から受診までの時間短縮が非常に重要で、当院はハートコールといった医師に直通の24時間体制のシステムを構築し、夜中でもオンコールによる迅速かつ的確な循環器診療体制で最新の医療を患者さんへ提供しています。2018年の緊急心臓カテーテル治療は167件です。
ハートコール 0120-