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真珠腫性中耳炎・慢性中耳炎の治療

国内トップクラスの症例数

難聴・めまいの診断と治療

 耳鼻咽喉科では、難聴・めまいの外科的治療として、①真珠腫性中耳炎、慢性化膿性中耳炎、癒着性中耳炎、好酸球性中耳炎に対する鼓室形成術、②耳硬化症、中耳奇形・耳小骨奇形に対するアブミ骨手術、③メニエール病、遅発性内リンパ水腫に対する内リンパ嚢開放術、④外リンパ瘻に対する内耳窓閉鎖術、⑤特発性および外傷性顔面神経麻痺に対する顔面神経管開放術、⑥外耳腫瘍、中耳腫瘍に対する側頭骨外科手術、⑦聴神経腫瘍に対する経迷路法・中頭蓋窩法による腫瘍摘出術、⑧錐体尖真珠腫、錐体尖コレステリン肉芽腫に対する中頭蓋窩法による摘出術、などを専門的に施行しています。
 耳科手術担当スタッフ4名により、年間350症例以上の耳科・側頭骨外科手術が施行されています(図1)。年間症例数、累積総症例数ともに常に国内トップクラスにあり、2015年3月15日発刊の「手術数でわかるいい病院—全国&地方別手術数ランキング2013年度(週刊朝日増刊号)」において、鼓室形成術に関しては全国9位、関西地区3位にランクインしています。また、2015年4月5日付け読売新聞に収載された「病院の実力—耳・鼻・のどの手術2014年度」でも。鼓室形成術で全国7位、大阪府下2位にランクインしています。

図1 耳科・神経耳科外来担当医の手術内訳
1992年5月~2019年3月

鼓室形成術

 耳科・神経耳科外来担当医が1992−2019年の27年間に執刀した累積総症例数は3282例で、その対象疾患の内訳は、真珠腫性中耳炎が75%、慢性中耳炎が22%、中耳奇形等が3%になっています。真珠腫性中耳炎では約70%の症例は二段階手術、残り30%は一期的な鼓室形成術になっています。二次手術時に真珠腫の遺残が確認された症例は、後天性真珠腫では6%未満と極めて少数で、一次手術で真珠腫が取り残しなく確実に清掃されていることを示しています。経過観察期間中に真珠腫の再形成が確認され、再度の手術が必要となった症例は、段階手術を受けたもので約2.5%、一期的手術を受けたもので2.6%と、真珠腫の再形成(再発)率も極めて低率でした。聴力改善手術の型別では、耳小骨3本を保存するI型が37%、キヌタ骨を摘出してアブミ骨と鼓膜を接続する3型が47%、耳小骨が全て消失しアブミ骨底板と鼓膜を接続する4型が16%でした(図2)。純音聴力検査における会話音域3分法の平均値で気導—骨導差が20dB以内に回復した聴力成功例は、1型92%、3型86%、4型62%と極めて良好でした(図3)。

  • 図2 聴力改善手術の型分類
  • 図3 再建法別の聴力成績

アブミ骨手術

 耳硬化症、骨形成不全症、中耳奇形、鼓室硬化症(慢性中耳炎。術後耳の後遺症)等を原因とする伝音難聴に対して、聴力改善を目的として年間20−30例のアブミ骨手術を施行しています。耳科・神経耳科外来担当者が1992−2019年の27年間に執刀した累積総症例数は425例で、国内トップの症例数を誇っています。
 純音聴力検査における会話音域3分法の平均値で気導—骨導差が10dB以内に回復した聴力成功例は、全体では93%、初回手術例96%と良好な成績が得られています。一方で、2回目手術例79%、3回目以上の手術例50%と、手術回数が増えるにつれて成績は徐々に低下します(図4)。耳硬化症や鼓室硬化症の診断を受けた際には、初回手術時からアブミ骨手術の専門医に相談することが重要になります。

図4 アブミ骨手術の成績

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