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早期大腸がんの内視鏡治療

お腹を切らずにがんを治す

検診、特に内視鏡が大切

 国内で1年間に新たに大腸がんと診断された人数は、2010年の統計で男性は約7万人、女性では約5万人であり、増加傾向にあります。死亡数から見ると、男性では3番目に、女性では最も多いがんです。
 大腸がんの多くは、早期発見・早期治療すれば完治できます。早期大腸がんは自覚症状がほとんどなく、発見するには検診を受けることが大切です。便潜血検査が有名で、通常2日連続で行います。一度陽性でも、残り一度が陰性だったから問題ないと誤解している人が多いのですが、一度でも陽性なら内視鏡検査を受けてください。便潜血陽性でもがんは数%ですが、ポリープは3人に1人ぐらい見つかります。大腸ポリープのうち「腺腫(せんしゅ)」は、大きくなるとがんになることがあり、前がん病変とも呼ばれます。
 一方、便検査で陽性になりにくい(へこ)んだがんや平らなポリープもあり、症状の有無や便検査の結果にかかわらず、50歳を越えたら、ぜひ一度は内視鏡検査を受けましょう。

内視鏡治療の実際と種類、適応

 内視鏡を肛門から入れ、内視鏡の中を通して使用できる細い治療器具を操作して腫瘍(しゅよう)を切り取ります。切っている間は痛みを感じません。内視鏡治療のメリットは、体への負担が軽く、入院期間が短くて済むことです。
 腫瘍の根元がくびれている場合は、細い部分にスネアと呼ばれる金属の輪を掛け電流を流して焼き切る、「ポリぺクトミー」という方法を行います(図a)。平らな形をした腫瘍は、根元に液体を注入し、饅頭(まんじゅう)のような形に盛り上げてから切り取ります(図b)。内視鏡的粘膜切除術(EMR)と呼ばれ、約2cmまでの病変に対して行います。
 大きいものでがんを疑うような腫瘍には、薬液を注入しながら電気メスで薄くはぎ取る、内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術(ESD)という方法を用います(図c)。2012年4月、健康保険の対象になりました。高度のテクニックを必要とし、どこの病院でもできるというわけではなく、当科では1000件以上の実績を持っています。
 早期大腸がん全てに内視鏡治療できるわけではなく、転移していたり、転移しそうながんは外科手術の対象になります。腺腫と、がんが大腸の壁の浅いところにとどまっている場合だけ、内視鏡治療を行うことができます(画像)。見極めが重要ですが、最新式の内視鏡であれば90~95%の確率で正しい診断ができます。

  • 図 大腸腫瘍に対する内視鏡治療
  • 画像 肛門(黒い内視鏡が見えているところ)そば、4cmの平らな直腸がん(左)、ESD直後の同部(右)がんは浅いと判断しました。肛門の痔に近かったので出血しやすい状況でしたが、無事切除できました

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