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早期胃がんの内視鏡治療

早期胃がんの高い完治率

胃がんの原因は、大半がピロリ菌

 胃がんは、日本人のがんのなかで最も罹患者(りかんしゃ)数の多いがんで、さらに増加傾向にあります。しかし、がんによる死因別順位では肺がんに次いで2番目で、減少傾向にあります。つまり、胃がんになっても治る人が多くなってきています。
 胃がんは粘膜(ねんまく)から発生し、初期の段階では粘膜内にとどまっていますが、進行するにしたがって次第に粘膜下層、筋層(きんそう)へと達します(図)。がんが粘膜下層までにとどまっている状態を早期胃がんと呼んでいます。その中でも粘膜までにとどまっている場合には、転移の可能性はほとんどなく胃カメラによる内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術(ESD、画像)の治療が可能です。粘膜下層にまでに及んでいる場合は、リンパ節への転移の可能性が10~15%で、胃と周囲リンパ節を切除する手術を行います。早期に胃がんが見つかれば、高い完治率が得られます。
 早期胃がんのほとんどは無症状で、検診目的で受けた内視鏡検査で見つかることが多いです。早期に胃がんを発見するには、検診や人間ドックで検査を受けることが大切です。また、胃がんの原因のほとんどは、ピロリ菌感染であることが分かっており、現在、胃がん予防のためにピロリ菌に感染した慢性胃炎の除菌治療が行われていて、健康保険でも認められています。ピロリ菌感染が気になる方は、ぜひ医療機関を受診してください。
 2014年の当科の実績は、早期胃がん206例、217病変をESD施行。一括完全切除率は98.6%です。

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