文字サイズ
T
T
ページの先頭です。

病名検索

頭頸部がん

当院における頭頸部がんの治療について

頭頸部がんの特徴と現状

首から上の眼球と脳を除いた部位が頭頸部領域で、この範囲内にできる悪性腫瘍を総称して頭頸部がんと呼びます。頭頸部がんには、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、唾液腺がんなど、さまざまな種類がありますが、胃がんや大腸がんなどと比較すると発生頻度は少なく、がん全体の5〜6%程度とされています。
頭頸部がんは60歳以降の男性に多く、発症のリスクとなるのが主に飲酒や喫煙です。また、女性や若年層にも見られる口腔がんは、口の中の衛生環境にも起因し、歯の被せ物などによる慢性的な刺激が、がんを誘発することがあります。
近年は、ウイルス感染が一部の頭頸部がん発症に影響を及ぼしていることも明らかになりました。中でも中咽頭がんには、子宮頸がんに関与するヒトパピローマウイルスが深く関わっており、患者は増加傾向にあります。

頭頸部がんの治療

頭頸部がんの基本的な治療法は、手術、放射線療法、化学療法です。進行度などを考慮して、放射線科、腫瘍内科とともにチームでこれらを組み合わせた治療を行うこともあります。最近では免疫チェックポイント阻害剤を使った薬物療法も実施可能で、治療の選択肢が広がりました。近畿大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科では、これら全ての治療に対応できる万全な医療体制を整えています。
手術で腫瘍部分を大きく切除すると、会話や食事、呼吸を司る機能が失われ、日常生活に支障をきたします。そこで当院では、内視鏡による治療やロボット支援下手術など、体にやさしい低侵襲治療を行い、身体的負担の軽減や術後のQOLの向上に取り組んでいます。また、機能障害が起こりにくいよう切除範囲を設定し、可能な限り機能の温存に努めています。

頭頸部がんの予防と早期発見

現在、頭頸部がんは健康診断の検査項目に含まれておらず、確かな診断知識を持つ専門医も限られています。そのため、なかなか早期発見に至らず、かなり進行してから診断されたりするケースも少なくありません。
頭頸部がんは、禁煙や節酒といった生活習慣の改善で防ぐことができる病気です。当院では、頭頸部がんで苦しむ人を一人でも減らすため、啓発活動に注力する一方で、早期発見につながる検診システムの構築を目指しています。気になる症状がある人は、早めに頭頸部外科を受診してください。

診療科案内

受診について

病名検索