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過活動膀胱の原因と診断

原因不明や加齢によるものが多い

過活動膀胱(活動しすぎる膀胱)とは?

 過活動膀胱は「急に我慢できないような尿意が起こる」「トイレが近い」「急にトイレに行きたくなり、我慢ができず尿が漏れてしまうことがある」などの症状がみられる病気です。とても多くの方がこの病気で悩んでいることが分かっています(図)。また、前立腺肥大症のある人の50~75%に過活動膀胱の症状があるといわれます。
 原因は、脳と膀胱を結ぶ神経の障害で起こる神経因性(しんけいいんせい)のものと、それ以外の非神経因性(ひしんけいいんせい)のものがあります。

図 過活動膀胱の有病率

神経因性過活動膀胱

 脳卒中や脳梗塞(のうこうそく)などの脳血管障害、パーキンソン病などの脳の障害、脊髄損傷(せきずいせそんしょう)などが原因で起こります。脳と膀胱を結ぶ神経の伝達に障害が起きると「膀胱に尿がたまったよ」「まだ出してはいけないよ」「もう出していいよ」「膀胱を緩めるよ」「尿道を締めるよ」といった信号のやり取りが正常に働かなくなります。
 その結果、膀胱に尿が少ししかたまっていなくても尿を出そうとしたり、脳と膀胱の連携がうまく働かず過活動膀胱の症状が出るのです。

非神経因性過活動膀胱(神経トラブルとは関係ない原因)

●骨盤底筋のトラブル
 女性の場合、加齢や出産によって、膀胱・子宮・尿道などを支えている骨盤底筋(こつばんていきん)が弱くなったり、傷ついたりすることがあります。そのために排尿のメカニズムがうまく働かなくなり、過活動膀胱が起こります。
●前立腺肥大症
 男性の場合、前立腺が肥大して尿が出にくい状態が続くと、排尿のたびに、尿をなんとか出そうと膀胱に負担がかかることになります。これが繰り返された結果、膀胱の筋肉が異常をきたし、少しの刺激にも過敏な反応をするようになり、過活動膀胱が起きます。

どのような症状や検査方法があるのでしょうか?

①尿検査
 血尿があるときは尿路結石や膀胱がんの、膿尿(のうにょう)があるときは尿路感染の可能性を考えます。②血清PSA
 一般的に4ng/ml以上が異常値とされますが、がん、肥大症、前立腺炎でも上昇し年齢とともに上がりますので診断が必要です。
③排尿日誌(表1)
 頻尿や夜間頻尿が著しい症例に有効です。夜間尿量が33%以上を夜間多尿といいます。来院される前に2~3日記載したものを持参してもらうと診察がスムーズになります。排尿日誌は、サイトを検索クリック(一般社団法人日本排尿機能学会)して、取り込むことができます。
④下部尿路症状の定量化
 問診票を使います。一度、参考につけて持参してみてください(表2)。
●それ以外の原因
 前記以外の原因で膀胱の神経が過敏に働いてしまう場合や、原因が特定できない場合もあります。幾つかの原因が複雑にからみあっていると考えられています。この原因の特定できないものや加齢によるものが、実際には最も多いケースです。

  • 表1 排尿日誌
  • 表2 主要下部尿路症状質問票

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