原因不明や加齢によるものが多い
過活動膀胱は「急に我慢できないような尿意が起こる」「トイレが近い」「急にトイレに行きたくなり、我慢ができず尿が漏れてしまうことがある」などの症状がみられる病気です。とても多くの方がこの病気で悩んでいることが分かっています(図)。また、前立腺肥大症のある人の50~75%に過活動膀胱の症状があるといわれます。
原因は、脳と膀胱を結ぶ神経の障害で起こる
図 過活動膀胱の有病率
脳卒中や
その結果、膀胱に尿が少ししかたまっていなくても尿を出そうとしたり、脳と膀胱の連携がうまく働かず過活動膀胱の症状が出るのです。
●骨盤底筋のトラブル
女性の場合、加齢や出産によって、膀胱・子宮・尿道などを支えている
●前立腺肥大症
男性の場合、前立腺が肥大して尿が出にくい状態が続くと、排尿のたびに、尿をなんとか出そうと膀胱に負担がかかることになります。これが繰り返された結果、膀胱の筋肉が異常をきたし、少しの刺激にも過敏な反応をするようになり、過活動膀胱が起きます。
①尿検査
血尿があるときは尿路結石や膀胱がんの、
一般的に4ng/ml以上が異常値とされますが、がん、肥大症、前立腺炎でも上昇し年齢とともに上がりますので診断が必要です。
③排尿日誌(表1)
頻尿や夜間頻尿が著しい症例に有効です。夜間尿量が33%以上を夜間多尿といいます。来院される前に2~3日記載したものを持参してもらうと診察がスムーズになります。排尿日誌は、サイトを検索クリック(一般社団法人日本排尿機能学会)して、取り込むことができます。
④下部尿路症状の定量化
問診票を使います。一度、参考につけて持参してみてください(表2)。
●それ以外の原因
前記以外の原因で膀胱の神経が過敏に働いてしまう場合や、原因が特定できない場合もあります。幾つかの原因が複雑にからみあっていると考えられています。この原因の特定できないものや加齢によるものが、実際には最も多いケースです。