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膵がんの診断

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膵がんとは?

 (すい)がんは最近、急増傾向にあり、がん種別の死亡率は、肺、胃、大腸に次いで第4番目になっており、1年間に3万人以上が亡くなっています。その70%以上が転移などの理由で手術ができない状態で見つかっています。膵臓は20㎝ほどの細長い臓器で、胃の背中側にあります。腹部内臓の最も深い位置にあるため、画像診断が難しい臓器でもあります。

膵がんが起こりやすい人とは?

 腹痛、腰背部痛(ようはいぶつう)黄疸(おうだん)、体重減少などが膵がんと関連した症状といわれていますが、症状が現れた状態で診断された場合、そのほとんどは進行しています。従って、膵がんが起こりやすい人が分かれば、積極的に精密検査を行うことで、膵がんの早期発見につながると考えられています。両親や子ども、兄弟に膵がんになった方がいる場合、糖尿病が見つかった場合、糖尿病が悪くなった場合、慢性膵炎と診断されている場合、喫煙している場合に膵がんになりやすいといわれています。
 また、血液検査で、アミラーゼなどの膵炎のマーカー、CA19-9などの腫瘍(しゅよう)マーカーが高い人も膵がんを念頭に、精密検査を行った方がいいといわれています。さらに、後述の腹部エコー検査で、膵管の拡張、あるいは膵のう胞(液体貯留(えきたいちょりゅう))を指摘された場合にも膵がんが存在する可能性を考える必要があります。

膵がんの診断に使用される画像検査は?

 膵がんの画像診断には、腹部エコー、超音波内視鏡、CT、MRIなどが使われます。腹部エコー検査は最も患者さんの負担が少なく、最初に行われる検査で、膵がんが疑われる人を見つける役割を担っています。しかし、腹部のエコー検査は、観察困難な部位があることが短所で、エコー検査だけで膵がんがないと判断することは危険と言えます。また、腹部エコーで膵管の拡張あるいは膵のう胞が見られた場合には、明らかな腫瘍像が認められなくても、次の精密検査を行う必要があります。
 この検査としては、超音波内視鏡、CT、MRIがあります。特に超音波内視鏡検査(写真)は、内視鏡の先端部に小型のエコー装置が取り付けられ、消化管の近くにある膵臓を近距離から観察する方法です。最も高感度で膵がん(画像1)を検出することができ、この検査を定期的に行った場合、手術可能な状態で発見される可能性が高いことを当院が発表しています。

(写真)内視鏡の先端部に小型エコー()を取り付けています
(画像1)a.超音波内視鏡像。膵体部に直径9mmのがん()を認めます
b.手術で取り除いた膵がん。超音波内視鏡と同様に直径9mmの膵がん()を認めます

膵がんを最終診断する方法は?

 画像で膵がんを疑った場合でも、手術を行うには確実な診断が必要です。確実に最終診断するためには、腫瘍の一部を顕微鏡で観察する病理診断を行います。腫瘍の一部を取る方法として、前述の超音波内視鏡を使う方法(超音波内視鏡下穿刺(せんし)生検/EUS-FNA、図1)が行われることが多いです。高解像度で、しかも近距離(約1~3cm)で、膵腫瘍を観察しながら、内視鏡の先端部から出てくる針を腫瘍に刺して、腫瘍の一部を針から吸い上げる方法で膵がんの一部を採取します。
 病理診断でがんと診断された場合には、手術などの治療を受けることになります。また、がんと診断されなかった場合には、前述の画像診断を使って慎重に経過観察することになります。

図1 超音波内視鏡下穿刺生検
内視鏡の先端部から出てくる針を超音波画面で確認しながら腫瘍に刺して、その一部を取り、顕微鏡でがんかどうかを確認します

世界初の造影超音波内視鏡を開発

 当院は、膵がんの診断の最先端技術を導入しています。特に超音波内視鏡検査は、年間1600件実施しており、国内で最も多い件数です(図2)。また、超音波内視鏡下穿刺生検も年間250件以上実施、国内有数の実施件数です。当院では、この超音波内視鏡における最先端技術である造影超音波内視鏡(画像2)を世界で初めて開発し、膵がんの診断能が最も高い技術を診療で実践し、全国から多くの患者さんが訪れています。

  • 図2 当院における超音波内視鏡件数
    検査件数が増えており、現在国内で最も多い件数となっています
  • 画像2 最先端の超音波内視鏡画像(造影超音波内視鏡検査)
    画像1と同様、直径9mmの膵がん()が明瞭に見られますが、さらに膵がんの中の微小血管()が通っているのが確認できます

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