文字サイズ
T
T
ページの先頭です。
メニュー

がんセンター
がん診療

希少がんの診療

希少がんとは

胃がん、大腸がん、肺がん,乳がん、肝臓がんなどいわゆる5大がんは、それらのがんを発症する方がたくさんおられます。胃がん、大腸がん、肺がんでは、人口10万にあたり年に50人以上、乳がんでは女性だけで40人以上、肝臓がんでも20人以上の方がそれらのがんを発症するとされています。一方、人口10万にあたり年に6人未満しか発症しないがんは「希少がん」と呼ばれます。
希少がんには、以下のような腫瘍があります。

脳腫瘍、眼腫瘍、頭頚部の特殊な腫瘍、男性乳がん、悪性胸膜中皮腫、心臓腫瘍、胸腺がん、小腸がん、膵・消化管内分泌腫瘍、GIST(消化管間質腫瘍)、褐色細胞腫、悪性黒色腫(メラノーマ)、肉腫(サルコーマ)など200種類以上あるとされています。

希少がんの診療

患者数が少ないために、治療法が定まっていない希少がんもあり、網羅的な遺伝子検査(遺伝子パネル)が必要になることもあります。希少がんの種類によって、発生した臓器に応じて専門の診療科や腫瘍内科が治療を担当します。より専門的な治療が必要であると判断された場合には、最善の治療を受けていたくために連携している専門施設にご紹介することもあります。

連携医療機関:大阪国際がんセンター、近畿大学病院、大阪大学医学部附属病院、奈良県立医科大学附属病院など

GIST(消化管間質腫瘍)について

希少がんの中では比較的多い腫瘍で、10万人に1-2人程度の発生率です。胃や腸管の粘膜のすぐ下から発生する腫瘍(粘膜下腫瘍)で、c-kitまたはPDGFRα(血小板由来増殖因子受容体α)と呼ばれる遺伝子の変異によって病的に増殖して腫瘍を形成します。大きくなるまであまり症状はありません。内視鏡検査での生検でGISTと診断された場合や大きさが5㎝を超える場合には、手術で切除することがすすめられます(胃部分切除、腸部分切除など)。

転移の数が多かったり、再発した場合で手術が困難な場合は、分子標的薬による薬物療法が適切な治療となります。イマチニブ(グリベック)が第一選択として用いられます。イマチニブが効かない場合はスニチニブ(スーテント)やレゴラフィニブ(スチバーガ)、4番目の治療としてピミテスピブ(ジュセリ)も使用できるようになりました。


胃の粘膜下腫瘍