文字サイズ
T
T
ページの先頭です。

病院のご案内

きんだいびと

2024年00月00日

災害派遣医療チーム DMAT インタビュー

命を守るために戦い続ける

近畿大学病院は、厚生労働省DMAT事務局からの派遣要請を受け、令和6年能登半島地震による被害を受けた石川県に、当院のDMATチーム2隊を派遣しました。

DMAT(災害派遣医療チーム)とは?

DMAT(ディーマット)とは、Disaster Medical Assistance Teamの頭文字をとった災害派遣医療チームの略称です。
被災した都道府県からの要請を受け出動し、被災地の医療支援を行います。主な業務として、医療支援や患者さまの広域医療搬送、病院の機能支援を担います。

DMAT隊員の職種ごとの役割は?

当院のDMATチームは、医師2名、看護師2名、業務調整員2名の3職種による1チーム計6名を基本構成として活動します。
それぞれの職種の役割として、医師は医療を提供することはもちろん、メンバーを統括して指揮をとります。活動拠点本部で本部長、副本部長を担うこともあり、患者搬送の対応や診療支援を行います。
看護師は、医師の診療補助に加えて、被災した方の身体的そして精神的支援、またチームメンバーの健康管理にも気を配ります。

「6人で活動するので任務達成に向けて一丸となって活動できるように支援します。」と北口看護師

業務調整員は、ロジ(ロジスティック)と呼ばれていて、院内の様々な職種、薬剤師、臨床工学技士、放射線技師、事務職員らが担当していて、災害医療に携わりたいメンバーが集結しています。
拠点本部で、負傷者・患者情報の集約、航空機搬送の調整や、電気・水などのインフラ不足の医療機関の情報集約、供給するための優先順位を検討したり、全国から集結したDMATの割り振りなども行ったりします。

当院のDMATチームメンバーは?

現在、医師5名、看護師11名、業務調整員10名が隊員登録されています。業務調整員は医療職だけでなく事務職員も目指すことができます。医師や看護師が活動できるように宿泊場所や食糧確保などの重要な任務もあり、まさに縁の下の力持ちとして活動します。

DMAT隊員になるためには?

DMAT隊員になるために特別な資格は必要ありませんが、「災害拠点病院」や「DMAT指定医療機関」に所属していることが前提となります。
近畿大学病院は、平成8年に厚生労働省より「災害拠点病院」の指定を受けており、また「DMAT指定医療機関」でもありますので当院で勤務するみなさんにチャンスがあります。
講習や実技訓練を受けて、テストに合格すると隊員に認定されます。

DMATチーム 普段の活動は?

普段は、病院の職員としてそれぞれの業務に従事していますが、災害発生時には迅速に出動できるように準備をして過ごしています。その為、定期的に近畿各地で行われている技能維持研修会、講習会に参加する他、関西国際空港が開催する「航空機事故消火救難総合訓練」や、全国規模の数の訓練にも積極的に参加して、技能の維持とチームワークを高めるよう努力しています。
石川県の地震発生直後は、要請があればいつでも出動できるよう、休暇中の隊員も参集し出発準備を整えました。心配する家族にも出動の可能性を伝えていました。

DMAT隊員を目指したきっかけは?

  • 私自身が、阪神・淡路大震災の被災者でもあります。大学生で被災地の状況も見ていましたが、当時はDMATは存在していなくて、この震災の教訓を生かしてDMATが誕生しました。自分の経験を活かすためにもDMATができた時に参加したいと思いました。(医師:太田育夫)
  • ERで勤務しているとき、救急医療だけでなく災害医療との出会いがあり、災害医療に興味を持ち、災害に関するスキルや学習する機会はないか模索している時ににDMAT隊員養成研修を知り受講しました。(看護師:倉又佳代)
  • 救命センターで働く中で大きな災害が起きた時に何かできないかとの気持ちが生まれた。東日本大震災の際に出動しているのを見て、一緒にやりたい気持ちが高まった。(看護師:北口歩)
  • 阪神・淡路大震災の際、友人宅に飲料水を持っていく中、被災者の方々がつらい思いをしているのを目の当たりにし、何もできない自分にとてももどかしく感じました。被災者の役に立つたいと強く思い、DMATが出来た時に医療従事者として目指したいと強く思いました。(臨床検査技師:津田喜裕)
  • 東日本大震災の際にメンバーが出動するのを見て、ただ立ち尽くしていた。医療従事者で何もできない無力さを感じ目指したいと感じるようになりました。国際緊急援助隊そしてDMAT隊員に。(臨床工学技士:増田善文)
  • 薬剤部には日本DMATの隊員がおらず、誰かやらないかと声がかかっていました。災害拠点病院に勤めているのに災害医療のことを何も知らないと感じており、隊員養成研修に行けば一番早く学べると思い希望しました。(薬剤師:中尾真理子)
  • 東日本大震災の際に出動したメンバーの上司からの推薦を受けたのがきっかけです。隊員になってからは、想いの強いメンバーに引っ張ってもらっています。事務として一つでも手伝いができればと思っていますし、ここにいる限り続けたいです。(地域連携課課長:烏野肇之)

それぞれ立場は違いますが、一番大切なのは「困っている人を助けたい」「一人でも多くの人の命を助けたい」「災害の現場で役に立ちたい」といった強い想いが根底にあります。

石川県への出動に思うこと

今回の石川県に全国から集まったチームはみな同じ想いで活動していました。
当院の1隊目は、搬送班と通信班にわかれて活動しました。

搬送班として向かった穴水町は通常約60分で到着できる町ですが、道路の寸断により実際は7時間かかりました。朝10時30分に出て夜は8時30分に帰還。
通信班は、次々に更新される情報を間違いなく、取りこぼさず、その情報を元にDMATの今後の活動の計画を練る重要なポストを夜間当直で担当。
DMATは地域の医療を立て直すことが本来の目的であり、地域の医療者に寄り添うことを大切に、地域の医療者が活動する手助けとなるよう活動しました。
また、多職種、他地域、他病院のメンバーが集まる中で活動するため、お互いが尊敬し、コミュニケーションを図ることではじめて地域貢献が成り立つと感じました。

防災に関してどのような意識が必要?

自分たちの避難所の確認
防災グッツや災害バックの準備(家族の成長やペットの有無、住んでいる地域に合わせて準備物を確認)
家族と避難所の取り決め
自分が遠い場所で被災した時の経路を確認するなど、日ごろから準備しておくと安心です。

当院においても災害拠点病院として患者さま、地域の皆様に災害医療への備え、経験を発信していきます。
早い段階で準備してどのように行動するか、各コミュニティで相談し、スムーズな行動を啓発していく活動を続けていきます。

被災地域の皆様の安全と、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

きんだいびと一覧

近大みらいトップに戻る